FF8の真実(あらすじ編)
もう発売から6年が経っているし、どんなストーリーだったかよく覚えていない人も多いんじゃないだろうか。そこで、
FF8のメインストーリーを簡単にまとめてみた。
今から○○○○、○○○○○○○○○は○○○の庭で○○○○○○○○○○と出会う。
○○○「すいません、小さな男の子が来ませんでしたか?」
○○○○○○○○○○「心配しなくても大丈夫。結局、あの子はどこへも行けないんだ」
○○○「私もね、そう思うわ。可哀想だけど仕方がないもの」
そこに死にかけた○○が現れる。
○○○○○○○○○○「…生きていたのか!?」
○○○「…○○ね?」
○○○○○○○○○○「そうです、○○○○。俺たちが倒したはずなのに…。○○○○、下がってください」
○○○「大丈夫。もう戦う必要はありません。その○○は力を○○する相手を捜しているだけ。○○は力を持ったまま死ねません。私も…○○だから分かります。私がその○○○○を引き受けましょう。子供たちを○○にしたくありません」
○○○は○○○○を○○する。
○○○「これで…終わりかしら?」
○○○○○○○○○○「…おそらく」
○○は○○○に
力を○○して消滅した。だが、まだ疑問が残っている。
○○○「あなたは私を○○○○と呼んだ。あなたは…誰?」
○○○○○○○○○○「SeeD。バラムガーデンのSeeD」
○○○「SeeD? ガーデン?」
○○○○○○○○○○「ガーデンもSeeDも○○○○が考えた。ガーデンはSeeDを育てる。SeeDは○○を倒す」
○○○「あなた、何を言ってるの?」
ガーデン?
SeeD? この人は何を言っているのだろう? 一寸○○○は戸惑ったがすぐにピンときた。
○○○「あなたは…あの子の○○ね」
スコール「…○○○○」
○○からやってきた
スコールが語った
SeeDと
ガーデンの構想。それが全ての始まりだった。
○○から来た
スコールに
ガーデンと
SeeDのことを聞かされた○○○は、自分なりに
ガーデンと
SeeDの構想を練り上げ、○○に話す。
※○○の発言
邪悪な○○から世界を守る
SeeDと
ガーデンの構想は順調に進んでいるかのように見えた…が。
※○○○がだんだん変わっていく
ガーデン計画が軌道に乗る前に、○○○の
精神は○○○○○○○に支配されてしまう。
残された○○は○○○の意志を継ぎ、
※ガーデンを設立する○○
○○○の資金援助を受けて
ガーデンを開く。
そして○○は、邪悪な○○を倒す○○を背負った
スコールに様々な便宜を図っていく。
※バトル計
○○「ああ、そうだスコール。これを忘れてました。呪われたアイテムですが、力のある者が使えば大きな助けになるはずです」
○○と
SeeDの戦いが始まると、
※○○○○抜擢
「スコール、よろしくお願いしますよ。これは君の○○です。○○討伐の先陣に立つことは、君の○○なのです」
○○「スコール…ガーデンをよろしくお願いしますよ」
○○は
スコールに
ガーデンの○○を託す。
○○○と○○が立てた壮大な
SeeD計画。しかし、当事者の
スコールは何も聞かされていない。○○と○○○が
夫婦であることも、
理事長が人間じゃないことも、
SeeDの真の役目が○○との戦いであることも、邪悪な○○を倒す○○を自分が背負っていることも。
※SeeDの真の目的を聞かれて戸惑うスコール
※○○○の言葉に戸惑うスコール
スコールはだんだん自分の境遇に疑問を抱きはじめる。
※何も知らない
でも、なぜ当事者の
スコールに何も知らされなかったのだろう?
どうやら○○は○○なりに真実をいつ
スコールに伝えるかタイミングを伺っていたらしい。
※
しかし、
○○「これは君の○○です。○○討伐の先陣に立つことは、君の○○なのです」
スコール「俺の○○が最初から決まっていたみたいに言わないでくれ!」
スコールにこう言われてしまったことで、逆に本当のことを言い出せなくなってしまった。
邪悪な○○○○○○○○○を倒し、○○○○の世界から帰る途中、
スコールは○○の○○○に迷い込んでしまう。そこで、
○○○「すいません、小さな男の子が来ませんでしたか?」
スコール「心配しなくても大丈夫。結局、あの子はどこへも行けないんだ」
○○○「私もね、そう思うわ。可哀想だけど仕方がないもの」
そこから先のやりとりは冒頭で解説したとおり。
スコールは○○を倒さねばならない
○○を自分の手で作ってしまったわけだ。
スコールって冷たい。
※訓練施設でキスティスに
※サイファー死亡の報を聞いて
でも、その冷たさが傭兵としてのプロ意識に裏付けされたものではなく、
精神的な弱さの裏返しにすぎないことが
Disc2で明らかになる。
スコール(他人に頼ると…、いつかつらい思いをするんだ。いつまでも一緒にいられるわけじゃないんだ。自分を信じてくれてる仲間がいて、信頼できる大人がいて…。それはとっても居心地のいい世界だけど、それに慣れると大変なんだ。ある日、居心地のいい世界から引き離されて誰もいなくなって…。知ってるか? それはとってもさびしくて…。それはとってもつらくて…。いつかそういう時が来ちゃうんだ。立ち直るの、大変なんだぞ。だったら最初から1人がいい。仲間なんて…いなくていい)
実は
スコールって誰よりも弱くて臆病な、幼少期のトラウマを未だに抱える可哀想な
少年にすぎない。
ゲーム前半
スコールはせいいっぱい『冷たい』性格を演じようとするんだけど、ところどころで思わず本音が漏れてしまう。たとえば再会した
セルフィを見て、
スコール「…無事でよかった。良かった…本当に」
スコール「おかえり、セルフィ。また会えて…よかった」
『お帰り』って普通であれば家族やそれに近い間柄の相手に向けて言う言葉。その言葉を知り合って数日の
セルフィに対して思わず呟いてしまう。
スコールって本心では
仲間や家族を欲しているんだけど、その気持ちを必死に押し殺して、なんとか一人で生きようとしている。哀れな話だ。
スコールは
仲間を失うのが怖くて、
仲間なんて要らない、一人で生きたいと思っていたんだけど、
トラビアガーデンで意外な事実が明らかになる。
※リノアの台詞
※アーヴァインの台詞
仲間を失うのを怖がっているのは自分だけじゃない。みんな同じだった。みんな同じ悩みを抱えていて…、それでも逃げたりしないで戦い続けていた。
今ここにいる6人の中で最も臆病なのは誰だ? 最も友達甲斐がないのは誰だ?
リノア?
アーヴァイン? 違う、
最も臆病で友達甲斐がないのはスコールだ。
仲間を失うのが怖い…だから
仲間なんて要らないと考えていた
スコールだ。そのことに気付いた
スコールは自分の今までの生きかたを恥じた。誰かに気付かれる前に、自分のくだらない葛藤を捨ててしまおうと思った。そして
スコールは言う。
※俺たちってこうなんだ発言
スコールはようやく12年間抱えていたトラウマから脱する。そして、
※一緒にいてくれ発言
自分と同じ「
仲間を失うのが怖い」という悩みを抱えていた
リノアを部外者ではなく“
仲間”として認めるようになる。
Disc3以降
スコールは暴走する。しかし、この暴走は恋心の発露に拠るものではない。
トラビアガーデンで
スコールの
リノアに対する評価が「部外者」→「
仲間」にアップしたばかりだからだ。では、なにが
スコールをあそこまで駆り立てたのかというと…。
- スコールは○○○○○○○以来、身近な人間を失うことを心から恐れていた
- かつてスコールがセルフィに対して「おかえり」と口走ってしまったのもその恐怖心からだった
- トラビアガーデンでようやく○○○○○○○のトラウマを克服した
|
…と思いきや、
かつて
スコールは
セルフィに「おかえり」「また会えてよかった」と呟いた。トラビアで
仲間を守るんだと決意する前なのに、だ。そして現在、
仲間を守る決意をしたのに
スコールは
仲間を守れなかった。彼のショックは大きい。
スコール(俺には、もうチャンスはないのかな)
いや。まだだ。まだ諦めるものか。まだ死んだわけじゃない。ただ眠りから醒めないだけだ。…
スコールには諦めるわけにはいかない理由があった。
12年前に味わった絶望と無
力感。あの頃の自分には戻りたくないという意
地。
トラビアガーデンで抱いた
仲間を守りたいという決意。
そういった感情に後押しされて
スコールは暴走することになる。
かつては
仲間の希望を否定する側だった
スコール。
※
しかし今では、
※
完全に立場が逆転してしまっている。
そればかりではない。
※
かつてはこう言っていたのに、
※
今ではこうだ。
皮肉にも、
リノアが○○○○に陥ったことがきっかけで、
スコールの物事の考えかたは
リノアに近づいていく。
スコールもそのことには気付いているようで、
※リノアに導かれて
今自分が突っ走っている道は
リノアに導かれたものだと思っている。
- リノアの容姿に惚れたわけじゃない(もしそうなら出会ってすぐ暴走しているはず)
- リノアの性格が気に入っているわけでもない(Disc1でリノアの適当な性格に文句を言っている)
- ただ今の自分とかつてのリノアの考えかたがよく似ている…今ならリノアの言葉が理解できる
|
スコールが
仲間を救いたい
仲間を救いたいと願うほど、彼の心の中で
リノアの存在が大きくなっていく。
※もしも○○○○に陥ったのが
リノアではなく
セルフィや
キスティスだったとしたらどうなるのだろう?
仲間を守るんだと決意した
スコールは
リノアのときと同じように暴走するはず。同じく
仲間の死を認めたくない
リノアは積極的に
スコールをバックアップしていくんじゃないだろうか。結局、「暴走した
スコールが
仲間を救う」「
スコールの性格が
リノアに近づく」「意気投合した
リノアと親密になる」という結果には変わりがないような気がする。
わざわざ宇宙にまで行ったのに、
スコールは自分の中で起きた心境の変化をまだ理解していない。
※リノアをみすみす送ってしまう
そんなとき、
スコールの背中を押してくれたのが
仲間たちだった。
※バカ発言
仲間に背中を押されてようやく
スコールの心から迷いが消える。
FF6のロックは、レイチェルを失ったトラウマのせいでティナやセリスを守ろうと必死だった。
スコールの暴走も同じ構図だね。
スコールと
リノアは共に17歳なんだけど、
スコール「…たしかに子供のころは自分1人でなんて無理だったさ。 (中略) 今は1人で大丈夫。生きていく手段も身に着けている。もう子供じゃないから、なんでも知ってる…」
「ええと、私、ときどき思います。せっかく知り合ったんだから、誰もいなくなることなく、そんな不安もなく、ゆっくり大人になっていきたい。大人になっても、会えばまたにこにこ話したい」
学内ネットのリノアのコメント
自分はもう子供じゃないからしっかりやれる、いや、やりたいと思っている
スコールに対し、
リノアは
大人になるのはまだまだ先のことだと思っている。その辺の自覚の差が、物事の見方や価値観の大きな差に繋がっていて、
- スコールの薄情さを堂々と指摘する大胆さ
- 「ハグハグ」などのユニークな言動
- 父親への反抗
- 思いついたら即行動
- その代わり計画は穴だらけ
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リノアの個性は、長所も短所も
子供っぽさに起因するものだと思っていい。
社会に出るのはまだまだ先のことだと思いながら学生ライフを満喫している高校生や大学生って現実でも珍しくない。そういう意味で
リノアみたいなキャラクターもちっともおかしくないのだけど、
FF8の場合、
- 主人公スコールとその仲間たちは未成年ながらプロ傭兵
- 将来のことを自分なりに考え行動に移している、この世代としてはしっかりとした若者
- だからリノアの子供っぽさが悪い意味で目立ってしまう
|
Disc1中盤の、
スコールと
リノアの衝突、
キスティスと
リノアの衝突なんかはその最たるものだね。
同世代ということで当初はなかなか気付かなかったんだけど、
リノア「私、みんなと一緒にいてときどき感じることがあるんだ。あ、今、私たちの呼吸のテンポが合っている…そう感じることがあるの。でもね、戦いが始まると違うんだ。みんなのテンポがどんどん速くなっていく。私は置いて行かれて、なんとか追いつこうとして、でもやっぱり駄目で…」
リノアは少しずつ自分と
スコールたちでは住む世界が違うことに気付きはじめる。
スコール「俺たちの方法って、こうなんだ。戦うことでしか、自分も仲間も守れないんだ」
リノア「みんな…強いんだね…」
スコールたちの“強さ”に圧倒されてしまうんだけど、やがて、
リノア「…私、戦うから。守られるだけじゃ嫌だから戦う。私にも誰かが守れるなら戦う。みんなと一緒にいたいから戦う」
自分も
スコールたちみたいに強くなりたいと思いはじめる。
自分と同じ年頃のみんなが頑張っている姿を見てリノアの気持ちも変わってくる。
リノアは
SeeDじゃない。
ガーデン生でもない。
スコールたちプロ傭兵に解決できない問題が
リノアに解決できるわけがない。だから、私もみんなを守りたいと決意したあとも、なかなかそのチャンスは訪れない。そればかりか、
- ガーデンから落下しそうになって助けてもらう
- ○○○○になったところを助けてもらう
- ○○記念館で○○されているところを開放してもらう
|
リノアは
スコールに助けてもらってばかりだ。
しかし、
リノアは諦めたわけじゃない。守ってもらう立場に満足しているわけじゃない。
リノアの決意が成就するのは
エンディングだ。
リノアはついに
スコールを救う。
少しずつ。ほんの少しずつ。じっくり見ないと気付かないほどの小さな歩みだけど、
リノアは成長していく。
リノアは『超スローペースの成長キャラ』だと思うと分かり易いかもしれない。エン
ディングを迎えた時点ですらまだ種から芽が出たばかり。この先もみんなの影響を良い意味で受けていけば、5年後、10年後には物凄い好人物になっているかも?
FF8は
リノアに限らず発展途上のキャラクターが多いね。
FF8は○○○○を題材にした作品だけど、実は同様に○○○○を題材にした作品がもう1作ある。それは
FF1だ。
- ネタバレに配慮して詳細は伏せるけどFF1も原因と結果のループを題材にした作品だった
- FF1はそのループを主人公がぶち壊す話で、FF8は主人公がループを作り出してしまう話
- シリーズの異端と言われるFF8がストーリーの仕掛けを原点のFF1から○○しているのが意外
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このFF1と
FF8、○○○○という仕掛けは同じなのだけど、
世界観は、
FF1 | ファンタジー世界なのに宇宙や○○○○などのSF要素 |
FF8 | 文明社会なのに○○や魔法などのファンタジー要素 |
まんま逆になっている。どこまで狙ったのか知らないけど、こういう対比も興味深い。
スコールと
リノア。この2人の性格、
こういうことだと思うと分かり易い。正反対の性格なので最初のうちはぶつかってばかりだけど、やがて、
- スコールはリノアの影響を受けて冷たさが消えていく
- リノアはスコールの影響を受けて自分も誰かを守りたいと思う
- 互いに相手の長所を自分なりに消化して少しずつ成長していく
|
FF8はむしろ恋愛ドラマではなく成長ドラマとして見たほうが分かり易いかもしれない。主人公とヒロインが最終的に結ばれるのは確かだけど、むしろ
物語としての醍醐味はその過程、互いに相手の影響を受けて考えかたが変わっていく部分にあるとでもいうか。
リノアは
スコールの正反対の性格という点に意義のあるキャラクターだから、もしも
FF8のヒロインが
リノアじゃなくて
キスティスや
セルフィだったとしても、彼女たちの性格が
リノア化するだけで結局何も変わることはないような気がする。
FFシリーズでラブストーリーが描かれたのは
FF8が最初というわけではない。
- FF4では主人公とヒロインとライバルの三角関係があった
- FF6のセリスとロックのエピソードもかなり濃ゆい
- 他のRPGでもラブストーリーそのものは決して特異なものじゃない
|
FF8が他のシリーズと比べて浮いているのは、単にラブストーリーを前面に押し出したからではなくて、
こういう要素を絡めたからだろうね。
FF8は、大人のラブロマンスをラグナ編で、まだまだ青い
少年少女のエピソードを
スコール編で、と分担して描いている。
スコールと
リノアは問題児だからこそ主人公とヒロインになれた、或いは、主人公とヒロインだからこそ問題児に設定されたんじゃないかな。