求める心 P6
「恭平。恭ー平ー。」
遠くで呼ぶ声がする。
また、この夢…?
でも今回は、声の主はすぐ近くにいた。
「う…。と、さん…?」
うっすらと目を開けると、裸のままの孝平が、恭平に寄り添うようにして見下ろしていた。
ここどこだ…?
浴室にいたはずなのに。寝そべった背中の感触は、毛布みたいだった。
「ああ、起きたね。本当に気を失っちゃうなんて、まったく世話がかかる。」
「え…あ、あれ…?」
ここは孝平の寝室で、恭平は彼のベッドの上にいた。
相変わらず裸だが、体の水滴は全て拭いてある。
「のぼせてどうするんだ。まだまだ洗いたいところはあったのに。」
孝平は心底残念そうに溜め息をついた。
「ご、ごめんなさい…。」
起き上がろうとして、股間が痛むことに気付いた。
「っ!」
「ああ、ちょっと激しく動いたからな、しばらく痛むだろうね。」
「…?!」
え?!ちょっと待ってよ…。
「俺、いつから気を失ったっけ?」
「え…?うーんと…三度目くらいかな。」
…?
恭平は血の気の引く音がしたかと思うほど真っ青になった。
「さ、三度目…?何が?」
「何がって…。前からだろ、後ろからだろ、あと浴槽で…」
「わーっ!!」
孝平が指を折って数え始めたので、恭平は慌てて大声を出した。
どうしよう、どうしよう…全然覚えてないよ…っ!!
赤いのか青いのかわからない表情で、恭平は頭を抱えて蹲った。
「恭平?」
孝平が不思議そうに覗きこんでくる。
全然覚えてないのに、俺は父さんと一通りのことを三回も…!
恭平は恥ずかしくて死にそうだった。
それでいて、覚えていたかったと悔いが残る。
絶対気持ちよかったに違いないのに。
久しぶりのセックスだったのに……
突然、恭平は顔を上げた。
「父さん。」
「うん。」
「…俺、あの…。」
「よ過ぎて覚えてない?」
「……えっ。……あの…」
先手を取られた。
恭平が赤くなって口をパクパクさせた。
「普段より大胆で口数が少なかった。」
孝平は珍しくくすくすと笑っている。
「余程興奮してたとみえる。溜まってたしな。」
「………!」
何も言えない。
ここ最近イライラしていたのはそのせいなので、否定しようがなかった。
孝平は恭平の頭を優しく撫でた。
「おいで。今日は何度でも抱いてやる。お前の満足のために全身全霊を注いでやるよ。」
孝平の手が暖かい。
恭平の視界が涙でぼやけ、その瞳から溢れ出た。
「うん…うん。抱いてよ…父さん…」
孝平の手が涙を拭き取る。
そのままキスをして、ベッドに押し倒した。
「お前は私のものだ。」
「…はい。」
「身体中に印を付けるよ。」
「やって…。」
孝平は恭平の首筋に順番に吸い付いていき、強弱を付けて愛撫を繰り返した。
冷めた身体に再び熱がこもる。
何度目になるか、乳首を舐め取ると恭平が震える。
同時に恭平の足首を掴んで左右に開き、孝平にとっては四度目の、恭平にとっては初めての挿入が開始された。
「は…っああ……!」
やっぱり嘘じゃない。
既に慣らされたそこは、すんなりと孝平を受け入れた。
「あっ。ふぁ…っあんっ。」
その質量感に恭平の身体がのけ反る。
今度は確かに、体内に孝平を感じる。
恭平の瞳から再び涙が溢れた。
「…っ!」
素直に嬉しいと思う。
好きな人を体内に感じることができる。
前の三度も、なんとなく身体が覚えている気がした。
乳首を夢中になって貪っている孝平に気付かれぬように涙を拭いて、恭平は孝平の首に腕を絡めた。
「…はっ。あぁ…っ!」
孝平の腰が動き出した。
全身が揺らされる感覚に、恭平の身体が一緒になって揺れる。
「きついよ恭平…四度目とは思えないな。」
「あ!…ぁあんっ。」
掴んだ足首をもっと押して、恭平の再奥を突き上げる。
「ひゃ…っあ!はぁ…ッはぁっはぁ……っ」
恭平の腕が宙をかき、シーツを掴んで強く握り締めた。
きれいに拭かれていた肌の上に汗が滲み始める。
孝平は腰で恭平を刺激しながら、彼の喘ぐ姿をしっかりと見つめていた。
風呂場ではいつもと違った臨場感が得られてイイけれど、やはりベッドで組み敷く方がもっとイイ。
征服欲が満たされる。この身体は自分のものだと確認できる。
激しく前立腺を突いてやると、恭平がふいに精を吐き出す。
「んっ……はぁぁぁっ……!!」
イく瞬間の、何もかもから開放されたような恭平の顔。
断片だけ残った理性が吹き飛ぶ瞬間。
一番興奮させる表情。
もう一度見たくて、休むことなく突きを続けた。恭平の身体がのけ反って、興奮に火照る身体を見せつけるかのようにくねる。
「んぅん……っ、あ!あ…っ!」
恭平は若いせいか、それともただ単に興奮しやすい身体なのか、そんなに調教しなくても射精の回数は多かったような気がする。
その割に自慰をしないで溜め込む気力もあり、我が息子ながら相手を満足させるに十分な素質を持った身体であると思う。
溜め込んだ時の恭平は、正直にかわいいと思えるほど快楽に素直になる。
射精を我慢しようなどとは考えていないようだ。
「あ…っああ…っ!また…!早い…は……ゃっ」
うわ言のように鳴きながら、首と腰を振って快感を追う。
早いのは孝平でなく、恭平の反応の早さだ。