求める心 P5



すぐそばの浴槽から湯が溢れ出した。
はっとして、慌てて蛇口を閉める。
いつの間にか、浴室は浴槽からの湯気でいっぱいだった。

服を脱いで裸になった孝平が戸を開けて入ってくる。恭平は恥ずかしくなってまっすぐには見れなかった。

「恭平、洗ってやろうか。」
「えっ…」
胸が高鳴る。慌てて首を横に振って、恭平は反論した。
「俺が、父さんの背中流してあげるから。」
「…ふむ。それもいいな。」

孝平は蛇口をひねってシャワーを出し、体を流した。
恭平が座り込んだままだったので、そちらにシャワーを向けてやる。
「わっ。熱い…!」
「そうかな?」
意外そうな顔をして、孝平がシャワーの出口を覗きこんだ。

恭平は苦笑して、石鹸を取った。
壁に掛けてあるタオルを掴んで、石鹸を泡立たせる。
「はい、後ろ向いて。」
恭平の言葉に素直に従って、孝平は座る台を引き寄せて背中を向けた。

「痛かったら言って。」
すぐ後ろの肩の辺りで恭平の声がする。
息遣いまではっきりと聞こえた。

恭平は両手でガシガシと孝平の背中を擦った。
「髪の毛、伸びたね。」
「ああ…そういえば最近切ってないな。」
「明美に切ってもらえば?」
「…そのまま耳まで切られそうだ。」
「はは。」
恭平は会話を楽しみながら父の腕を洗い、胸に手を回した。

「なんか、いつもと逆。面白いね。」

孝平が首を傾げて、恭平の腕を引っ張った。
「わ…っ。」
バランスを崩した恭平の身体を腕と足で支えて、石鹸のついた手の平で今日の鎖骨をなぞった。

「わ、ちょっと…!」
恭平が抵抗して孝平の手を押し退けようともがいたが、石鹸で滑ってうまくいかなかった。
孝平が先程の愛撫で膨れたままの恭平の乳首に手を掛けて、回すように揉んだ。

「う、ふぁ…、あぁッ!」
「いつもと逆?それはいつからだ?」
「嘘、嘘。ごめんなさ…あ、ぅっ…」
孝平の手の動きは恭平の性感帯がどこにあるのか知っていて、そこに強弱を付けて刺激してくる。
支配された身体はその快感に抗えない。

「う…ん、はぁ…っ」
力の抜けた恭平の手から泡の付いたタオルが滑り落ちた。
夢中で孝平にしがみつくと、孝平も手を回して恭平の腰を抱き寄せた。

「…背中を流してくれるんじゃなかったのか?」
「はぁ…。はぁ…。もう、無理…!父さんが余計なことするからっ。」
「私のせいか?」
「……そ、だよっ!」
恭平の腕に力が入って息が詰まる。

密着した腹の上で、恭平のものが膨張するのを感じた。
恭平が耳を寄せて、孝平に囁く。
「こんな身体になっちゃったの…父さんのせいだ。こんな気持ちになるのも父さんのせいだよ…!」

「気持ち?」
恭平がそれ以上は恥ずかしくて言えないと、孝平の耳朶を口に含んだ。
遠慮がちな息遣いがかわいい。

孝平は恭平の肩を掴んで離れさせた。
いきなり強く遠ざけられたので、恭平は不安そうに孝平を見た。
「…あの…痛かった?」
「痛いものか。お前はセックス中は非力だからな。」
「じゃ…」

なんで?

その言葉は孝平の中に消えた。

何度も何度も唇を重ねて、その体温を分け合う。
それだけで身体が内から興奮した。
孝平が落ちたタオルを手探りで探し当て、その泡を取って恭平の腰に手を回した。
そっと尻を撫でてやると、恭平がピクリと反応した。
だが、今度は逃げなかった。

孝平の指が何度も行ったり来たりして、やがて双璧の間から奥に侵入を開始した。
恭平の身体が強張って、二人の唇が離れる。
孝平はさらに奥へ指を探りいれた。
「あっ。はぁ…!」
恭平が熱い吐息を吐く。

前のものが孝平の腹のあたりでまたもや反応を示した。
もしかしたら、穴に指を入れただけでイくかもしれない。
考え始めたら、孝平は実行したくなった。

恭平の身体には汗や湯に紛れて石鹸の泡が四方に付着しているのでキスを落とすことができない。
仕方なく孝平は膝に置いたタオルからまた泡を拭って、今度は前から股の間に手を入れた。

前後から股間を探られて、恭平が驚いて肩を震わせる。
「あ。」
前から差し入れた手が、穴に触れた。
恭平の反応は一目瞭然だった。

すぐに挿入せずに、入口を探るように前後から指を動かす。
「は、はぁ…っ!」
恭平がうわずった声を上げ、無意識の内に足を開いていった。
狭かった空間が広がってゆく。
恭平の呼吸が速まる。

「ん。ぁんん…っ」
相当興奮してる。そしてそれを隠そうと我慢してる。
孝平は恭平のよがる顔を眺めながらほくそ笑んだ。

この表情が、二番目に好き。

「あ…!」
孝平の指が入口にかかった。
恭平の身体が期待と興奮で跳ね上がる。

一度引いて焦らしてやると、恭平は鼻をくふんと鳴らし、物足りなそうに息を吐いた。

そろそろいいかな。

孝平は、前から差し入れた手の人差し指と中指を同時に穴の入口へ差し込み、前立腺目掛けて一気に挿入した。

「はあぁぁっ、くぅ…………ッ!!」

恭平が孝平の膝に手を付いて、押し寄せる波に耐えようとした。
でもダイレクト過ぎる。
まっすぐに強く前立腺を押されて、恭平の頭は真っ白になった。

すっごい……気持ちいいかも…っ!


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