求める心 P8



孝平はわざと、恭平の一番感じるポイントをずらすようにして動いた。
腰の律動に合わせて恭平が苦しそうに声を上げる。
「あ…あぁっ!!あう…っ!」
焦らされて、恭平が身を捩った。

違う、そこじゃなくて…!もっと…
「もっと…右…っ!」
「右?…ここかな?」
「ひぁ…っ。違う…アァッ、…もっと、上…」
「こっち?」
「んあぁっ!違う、違…ぅあっ、ぁ…っ」

肝心のところはかすめるばかりで、他の場所ばかり突いてくる。
恭平はもどかしさで、無意識の内に腰が動いてしまうのを感じた。
ちゃんと、あそこを、触って……!

何度も焦らして恭平の反応を楽しんでから、孝平は一度だけ大きく、恭平の求めている箇所を押してやった。
「…はっ…ああぁぁーッ!」
欲しかった場所に大きすぎる刺激を得て、恭平の身体が狂ったように大きく跳ねた。

しばらくその余韻を楽しむように静止して、孝平は再び外して動く。
恭平がイきたくてもイききれないもどかしさに鳴き声を上げた。

「いやぁ…っお願い…ッ!」
「…何のお願い?」
「ちゃんと、して…っ!」
「ちゃんと?してるよ。現にお前はイく寸前じゃないか。」
「あ…あ、焦ら、さ、ないで…っ!あう…ッ」

恭平は必死にシーツを掴んで、結合部に意識を集中させた。
擦れる粘着質な音。
孝平の動きに合わせて軋むベッド。
支配された恭平の身体。

でもそれだけじゃイけなかった。

孝平は腰を振りながら恭平の顔を見つめて、耳元で囁いた。
「どうしてほしい…?」
「あ、あふ…っ!そんな…ッ!」
「恥ずかしがらずに言えたら、考えてやらなくもないよ。」

孝平独特の言い回し。
恭平はそれだけで一層興奮して身体を揺らした。
「んっ!んあぁん…」
「言ってごらん…ほら。」
「……ッあ…。イ…イかせて…っ」
恭平が羞恥のために顔を孝平の胸に押しつけた。
だが、その額を押さえて顔を上げさせて、孝平はさらに質問した。
「どうやって?」

「…ッ!」
恭平が困ったように息を止める。
興奮度は限界を越えていたが、理性はまだ残っている。
イく度に散り散りになるのを毎回必死に掻き集めているものだ。

躊躇する恭平を急かすように、孝平が恭平を激しく突き上げた。

「あ、ああッあぁぁーッ!」

「恭平くん、どうやって?」
もう一度聞く。
激しく突き上げられると、感覚が麻痺してくる。

「ひ!あ、はぁんッ!」
「言ってごらん。」

「…………!あ、あそこ…突いてッ!」

「アソコ?」

「……奥……ッ!」

「それだけでいい?」
「……ッッ!」

これ以上何を言えと言うのだ。
恭平は考えようとしたが、孝平が腰の律動を止めてくれないので一向に意見がまとまらない。

「く…っあ、あぁんっ!んあぁ……ッ!!」
これ以上焦らされたら壊れそう。
腰が砕ける。

「いや…いやっ!イきたい!早く…ッ父さん!!」
「もう少し我慢できるよ。」
「ああ…ッ!無理…ッむりぃッ!」
「すごくイきたい?」
「うッ…はぅッ、イ、きたい…ッ!」

恭平にここまで言われるといつも折れてしまう孝平。
さすがにこればかりは仕方がなかった。

何も言わずに孝平がいきなり前立腺刺激を開始した。
恭平が声なき声を上げて痙攣し、腰を浮かせてそれに応えた。

脳まで揺さぶられるような強い刺激。
意識が飛んで感覚が麻痺した。

「んあっ!アアァーー………っ!!」

恭平がやっと、今まで我慢してきた濃厚な体液を放出した。
安心したような溜息をついて、肩で荒い息を繰り返す。
孝平はすぐに、余韻に浸って不規則に痙攣する恭平の中から出て、彼の身体を反転させた。
恭平に構える隙を与えずに、後ろから再び挿入する。
「あ、あぁ……っ」
恭平がもがいて逃げようとした時には既に遅く、孝平は再び律動を開始していた。
ビクンビクンと痙攣し、恭平の腰が自然と浮いた。

「あっ…あう…っ!待っ…て、ぁ、はぅ……ッッ」
今度も前立腺をわざと外して揺すぶったが、イった後すぐに挿入されたためか、全身性感帯となっていた恭平は、すんなりともう一度絶頂へ上り詰めた。

「はぁぁぁぁぁ……っ!」

熱い吐息。

この時の締め付けも耐え抜いた孝平は、恭平のものに手を伸ばしてその付け根をしっかりと押さえた。
「あっ!!なにす…ッ」
「イき過ぎ。今度は私に付き合って。」

言って孝平はもう一方の手で恭平の胸をまさぐった。
ピンと張った突起を探り当てて、こねる。
突然別のところを刺激され、恭平が喉をのけ反らせた。
「ふあぁぁッ!待って…っ」
「気持ちよくしてあげるから。」

恭平の心臓がわしずかみにされたように高鳴った。
こんな言葉にまで興奮しちゃうなんて…。
快楽を求める恭平の身体は、自分でも驚くほど貪欲だった。

「あ…あっ。はぁ…っ。あぁん…。」
孝平の指が恭平の乳首を強弱をつけて揉み込む。
時には速く。時には激しく。
押したりひっぱったり。こねたりつついたり。

その間も腰の動きは上下左右止まらず、しかし射精は止められたまま。
恭平は与えられる感覚の限界を越え、もはや何も考えられなかった。
早くイきたい。
でももっと感じたい。

気持ちがよすぎて涙が溢れた。

「んぁあ…っ。はふ…はぁう…ッ。」

呼吸すらままならない。

このまま死んでしまうかと思った。

「気持ちよさそうだね、恭平くん。」
「……ッ」
こくこくと素直に頷く恭平。
孝平は笑って、乳首を弄んでいた手を止めた。
恍惚とした表情を浮かべていた恭平が切なそうな溜め息を吐く。
孝平は恭平の付け根を押さえていた手を放し、同時に上下に扱き始めた。

じわじわと来る快感から、激しく押し寄せる快感へ。

恭平は枕に頭を押しつけて絶叫した。
シーツを強く握り締めて、下半身を前後から攻められて鳴き叫ぶ。

身体が壊れそう。
でもその代わりに得られるものは限界以上の快感。


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