「はぁ〜〜〜」
 人の出入りのほとんどない売店。その裏側、まず誰も人の訪れないであろう場所で、少年たちは円を描いてしゃがみこみ、煙草をふかしていた。
「……なんだったんだろうな、あの姉ちゃん」
「言うなよ。……考えたくねえ」
 トロそうなバスガイドを襲い、たっぷりと精液をブチ撒けてやった。そこまではいい。が、脅しの為の写真を撮る前に女が暴れだし、あまつさえ目の前で変身し、羽根が生えた。目の前で見た自分たちでも信じられないのに、人に話したとして誰が信じるだろう。
「あいつ、大丈夫かな」
「さあ……喰われちまってるかもな」
「………………」
 バスの中に置き去りにしてきた、華奢な少年。小心者の彼が誰かに秘密を漏らすとは思えないものの、ただ単に、少年のが無事に生きているかどうかが不安だった。
 ……と。
「ん?」
「なんか、聴こえねえか?」
「なんだ?」
 どこからともなく聴こえる、笛や太鼓の音。キョロキョロと辺りを見回すと、小さな女の子たちが、楽器を奏でながら少年たちの前に現れた。
「なんだコイツら?」
「おう、見世物じゃねえぞ!」
 すごんで見せるものの、女の子たちはケタケタと笑いながらも楽器の演奏をやめようとしない。
『そんな風に踊りながらすごまれても、恐くないよ〜』
『キャハハ、かっこわる〜い』
『全然イケてな〜い』
 バカにしたように笑う女の子たちに、少年たちの怒りが頂点に達する。
「テメエら、ナメてっとガキでもぶっ飛ばすぞ!」
 が。
「おい……お前、何踊ってんだよ」
「ああ? 何言ってんだ、お前こそ……ん?」
「お、おい、なんだよ、体、とまんねえぞ」
「な、なんだこりゃ、どうなってんだオイ!」
 思い通りに動かない体に、少年たちは苛立ち紛れに怒声を飛ばす。が、それでも体は言う事をきかず、踊り続ける。
 女の子たちが奏でる曲が終わった頃には、踊り疲れた少年たちはぐったりと地面にへたりこんでしまっていた。
「はぁ……はぁ……やっと、止まった……」
「なんなんだ、いったい……」
 少年たちは、へたりこんだまま荒い息をなんとか整える。が、体はまったく言う事をきかず、指先一つ動かすことができない。
 と、そこに、カツカツと足音が響いてきた。なんとか視線だけを動かした少年たちは、思わず感嘆の声を上げる。
 バスガイドの格好をした小柄な美少女が、そこに立っていた。他のクラスの担当だろうか。美少女はニコリと微笑んで、少年たちの傍らにしゃがみこむ。そして。
「おわっ」
「お、おい、なんだ?」
 驚きながらも、少年たちの顔は一様ににやけてしまう。美少女は、少年たちの学生ズボンに手をかけると、そのほっそりした指でチャックを下ろし始めたのだ。
 股間から、驚きのせいかまだ中途半端な大きさの肉棒を取り出すと、右手に一本、左手に一本、そして口にも一本咥え込む。そして、何も言わずにそれらをシゴきたて始めた。
「う、おおっ」
「くあっ」
 少年たちの体がビクビク震える。それは男のツボを知り尽くした動きだった。たちまちの内に硬度を増していく少年たちの肉棒。そして、
「ん、くぅぅっ」
「で、でるっ」
 あっという間に、少年たちの股間から白い液体が噴き上げる。口内に出された、そして白手袋に降りかかった精液を、おいしそうにチュルルッと啜ると、少女は再び微笑を浮かべる。少年たちは言葉を失って彼女を見つめた。
 パシャッ。
 急に、光が辺りを満たす。一瞬目の眩んだ少年たちの視線が、いっせいに光の方に向けられる。そこには、二度と会いたくないと思っていた人影が、悠然と立っていた。
「はぁ〜い、アンタ達、ずいぶんイケてない格好してるわねぇ」
「お、おまえは……」
 スタイル抜群の肢体を真紅のチャイナドレスに包み込み、背中にはサファイアの如く輝く大きなアゲハ蝶の羽根。少年達は一様に、青ざめた顔でその姿を見上げた。
「あらら、なんて顔してるのかしら。別に、今すぐ殺しちゃう、なんてつもりはないんだけど」
 その言葉に、少年達は震え上がる。艶然と微笑みながら、蘭花は手の中のカメラを弄び言った。
「ま、アンタ達のイケてない姿はバッチリこのカメラに撮らせてもらったし。一つ、私の言う事を聞いてもらおうかしら」
「な、なんだよ……」
 少年達は怯えながらも、蘭花に尋ねる。蘭花はバスガイド姿の美少女を呼び寄せると、その顎を掴んで上向かせる。
「ウフフ、どうだった? アイツらの精液の味は」
「すご〜く臭くて、美味しくないですぅ」
「あらそう。でも、そんな臭いのを飲み込まされるのが、たまらないんじゃないの?」
「アアン、蘭花さまぁ」
 甘えて蘭花にしなだれかかる美少女を、呆然と見上げる少年達。
「あら、どうしたのよ、ボケッとした顔しちゃって。せっかくお友達がご奉仕してくれたっていうのに。気持ちよかったんでしょ?」
「友達……?」
 怪訝な顔をする少年達。そこで、一人の少年が大声を上げた。
「ああっ! お、おまえ……」
「あら、やっと気づいたの? にぶいわねぇ、お友達なんでしょ」
 バスガイド姿の美少女が、ゆっくりと帽子を頭からはずす。少年達の視線が、美少女の顔に集中し、そして、いっせいに凍りついた。
「ウフフ、この子は私の僕になったの。この子に何かしたらどうなるか、わかるわよねぇ」
 手に持ったカメラをプラプラと揺らす蘭花。少年達はガクガクと首を縦に振る。
「そう。ものわかりがよくて助かるわぁ。じゃあ、後は君の好きにしていいわよ」
「え……ちょ、ちょっと、まっ……」
 美少女が、ニッコリと微笑みながら少年達に再び近づいてくる。
「今までこの子、アンタ達に散々お世話になったそうじゃない。た〜っぷりお礼がしたいそうよ。思う存分、味わって頂戴」
「お、オイ……く、くるなよ、来るなって……や、やめ、うわぁぁぁっ!」
 少年達の叫びは、蘭花の胸に心地よくすうっと響き渡った。

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