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「隊長殿っ。真田と藤原、参上しましたっ」
 威勢の良い声が扉の前から響く。私は霧子君に視線をやると、一つ頷いて霧子君は立ち上がり、扉を開けた。
「藤原、入りまーすっ」
 これまた元気の良い声と共に、藤原が真田と共に部屋に飛び込んできた。
「それで隊長。なんですか、話って」
「うむ。実はな」
 私はデスクの上に両肘を突いて手を組み、節目がちに言った。
「君達二人は……破門だ」
 一瞬の沈黙。
『えええええええっっっ!?』
 そして、鼓膜が破れんばかりの怒号が部屋中を駆け巡った。
「そ、そんなあっ。隊長、どうしてですかっ。私の正義の心が足りなかったというんですかっ」
「隊長殿、自分はそんなに力不足だったのでしょうかっ。地元の山で修行して自分を見つめ直してきますから、どうか、どうかもう一度チャンスをっ」
 どアップで迫ってくる二人に圧倒され、私は思わず怯んでしまった。
「社長、人が悪いですよ」
 霧子君にたしなめられ、私は思わず頭を掻く。
「あ、ああ、スマン。言い方が悪かったな。実は、君達には軍団を抜けて、本隊に戻って欲しいんだ」
「えっ」
「本隊に、でありますか」
「ああ。現在我が団体はTWWAと抗争中だが、どうにも人手が足りなくてな。軍団の方にはローズ嬢が補充要員を手配してくれる事になったので、君達には本隊に戻ってそちらの戦いに集中してほしいんだ」
 クビを言い渡されたのではないと分かり二人はいくらか安堵したようだが、それでも複雑な表情を浮かべていた。
「でも隊長。もうすぐ世界最強の軍団を決める大会が開かれるんでしょう。そんな時に私たちが抜けちゃっていいんですか」
「そうっス。これまでの野試合と違い、その時こそが天下分け目の決戦の時。そこに馳せ参じられないなんて、これまでの戦いの意味がっ」
「気持ちはわかる。ウチの軍団を引っ張ってきてくれたのは紛れも無い君達だからな。だが、それで本隊が手薄になっては元も子もないし、補充要員を手配してくれたローズ嬢の顔をつぶす訳にもいかん。ここは、堪えてくれないか」
 私が頭を下げると、二人は顔を見合わせ沈黙した。そして。
「わかりました。本丸は、自分に任せてください。必ずや守り通してご覧に入れますっ」
「私も。この正義の力で、悪の手から私達のリングを守って見せますっ。だから、信じていてください、隊長っ」
 二人はビシッと敬礼して、私の顔を真っ直ぐに見つめた。
「あ、ああ。よろしく頼むよ」
「よしっ。それじゃ行くっスよ和美っ」
「リングの平和は、私達が守ーるっ」
 二人は頷き合うと、入って来た時以上に元気に部屋を飛び出していった。
「……これで良いのかな、霧子君」
「ええ。あの二人にはああ言ってあげるのが一番良いと思います」
「そうか」

 こうして軍団立ち上げから我が団体を引っ張ってくれた藤原、真田の両名が本隊へ戻り、 新たなメンバーを加えることになったのだった。

※脱退時の能力

 藤原風美

評価値HPシングルタッグ
163340050勝62敗2勝6敗
攻撃
防御
投げ技関節技パワー技打撃技飛び技
ボディスラム 2コブラツイスト 4ショルダータックル 2 エルボー 2ギロチンドロップ 3
ボディスラム 3パイルドライバー 4 踵落とし 4フライングニールキック 4
ボディスラム 4パワーボム 5 ミサイルキック 5
ブレーンバスター 5パワースラム 7 フェイスクラッシャー 7
キャプチュード 7 (必)ムーンサルトプレス 8
タイガースープレックス 8

 真田万由美

評価値HPシングルタッグ
168040074勝38敗2勝6敗
攻撃
防御
投げ技関節技パワー技打撃技飛び技
ボディスラム 2コブラツイスト 3ヘッドバット 2 裏拳 3ローリングソバット 3
ノーザンLスープレックス 4STF 7ラリアット 4 ステップキック 4ドロップキック 4
裏投げ 6パイルドライバー 5 延髄斬り 6フライングニールキック 5
ラリアット 7 (必)ハイキック 7
タイガードライバー 8 シャイニングウィザード 8


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