注意事項:特になし
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暗い部屋でぼくはパソコンの画面を見ながらずっと考えている。
カタカタとキーボードを叩いて検索をすれば、幾つもサイトがずらりと検索結果に反映された。
その文字の羅列を見ながらぼくは、改めて決心をする。
今夜も母はまだ帰って来ない。
明け方に帰ってくるのか、それとも、数日後に帰ってくるのか。
帰って来た所で、あの人はもうぼくになんの興味も持っていないから、ぼくの部屋を覗くことさえしないだろうけど。
一つ一つブラウザに反映されている文字を目で追いながら、どれにしようか、そればかりを考える。
沢山あるサイトの一つに目を留め、ぼくはそれをクリックした。
文字だけの画面から、一気に画像などが沢山並ぶページへと移動する。
その中をじっくりと見て、ぼくは何個かを購入することを決めると『カートへ入れる』ボタンを押した。
少し前に母親の財布から抜き出したクレジットカードの番号や住所などを決済画面で打ち込み、ぼくはそれらを『購入』した。
パソコンの画面には、でかでかと『お買い上げありがとうございます』の文字。
これが届くのが本当に楽しみで、ぼくは一人部屋の中で笑う。
ここだけが、この部屋だけが、本当のぼくの世界だった。
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