注意事項:特になし
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注文した品が届いた。
急いで梱包を開け、その中身を確かめる。
薄暗い部屋の中でもそれは異様な存在感を示し、鈍く光っていた。
まるで捧げ持つようにそれを両手に取り、目を細めて笑う。
これでまた一つの『駒』がぼくの手元に届いた。
次はどうしようか。
あの馬鹿をまた利用しようか。
いや、それとも別の手でいくか。
たった一つの目的に向かってこうして色々と思考を巡らすのは本当に楽しい。
腕に届いたそれを抱きかかえ、ぼくは、くるくると部屋の中を踊るように回る。
あぁ、早くその時がくればいいのに。
希望に、期待に打ち震える胸はまるで恋をしているようだった。
但し、この熱病のように浮き立つ気持ちは恋愛感情とは真逆のベクトルを向いていたけど。
覚えていろよ。
そう心の中で呟く。
ぼくを馬鹿にした罪は重い。
あいつらまとめてこれで。
くすくすくす。
ぼくの口から軽やかな笑い声が漏れた。
『その日』が来るのが酷く待ち遠しい。
湧き立つ気持ちを宥めるようにぼくは、うっとりと手の中にある『それ』を撫でた。
ひんやりとするその冷たさと、そしてその重さにぼくは気持ちを落ち着け、そして、壁に掛けてある他のコレクションの一部にそれを加える。
数歩後ろに下がって壁一面にあるそれらを眺めると、ぼくは本当に満たされた気持ちになった。
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