注意事項:特になし
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想定外、って言うのはこういう事を言うんだろうか。
まさかこんなことになるなんて。
確かにきっかけを作ったのはぼくだ。
だけど、まさかここまで予想もしていない展開になるなんて思いもしなかった。
薄暗い部屋で今まで手に入れた手駒を見つめながら物思いに耽る。
最初の頃に感じていたワクワク感は今は随分と萎んでいた。
かわりに思い通りにならないこの展開にギリギリと歯軋りをしてしまう。
でもこのまま指を咥えていても事態は好転しないだろう。
いい加減この馴れ合いを止めるべきか。
それとも、これを加速してまた糸口を見つけるべきか。
そんな事を思いながら目の前に広げている手駒の一つを手に取る。
頭上にかざして瞳を細めてそれを見た。
ぼくの手の中にあるそれはキラキラと輝き、まるで宝石みたいだった。
その輝きに導かれるように、一つの道筋がぼくの頭の中に閃く。
あぁ、そうだね。
ぼくがそうすれば良かっただけの話だね。
なんて下らない回り道をしてしまったのだろうか。
ぼくがただ一言、そう言えばよかったんだ。
あいつらはぼくのお人形。
ぼくの手のひらで踊るしかない、お人形。
だから、ちょっとだけぼくが道しるべを囁けばいい。
そしてこの手の中にある宝石を、隠しておけばいい。
決定的な打開策でもある一つの方法を見出し、ぼくは勝利の笑みを浮かべた。
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