女王様の薔薇園とゲーム場
 いつのまにやら薔薇園に迷い込んだアリス。その前を、トランプのガラを模した仮面を被った従者が、あわてふためきながら行き来する。

 「赤い花びらは 大丈夫 白い花びらは 赤く塗れ!
  見つかりゃ アソコを ちょん切られるぞ!」

 どうやら白いバラを見つけて、赤く塗っている様子。茨の中まで分け入って、血だらけになってる従者もちらほら。
 そのうち一人がやってきて、やにわにアリスの足下にしゃがみ込んだ。
 「ここにも花びらがあるぞ!」
 失礼な従者はみんなでのぞきに来る。
 するとそのとき、一人が叫んだ!
 「女王様のおなり〜〜!」
 慌てて逃げ去る従者共。逃げ去りざまに一人が言った。
 「あんたが今日のお相手だ!」
 「お相手って?」
 「こいつさ!」
 スペードの2が手渡したのは、毒々しいピンクのスティック。握り手に「よく跳ぶフラミンゴ印」と彫ってある。
 卑猥なスティックをどうしたものかと思案している間に、大きな門から女王様が現れた。大きくハートをあしらった礼服を着て、ずらずら従者を従えて入ってくる。
 めざとくアリスを見つけた女王は、大声でアリスを呼び止める。
 「そなたの名は?」
 「アリスです、陛下。」
 それを聞くか聞かないかの内に、女王は股間に構えたぶっといスティックをぶるん!とふるって言葉を続けた。
 「苦労毛(クローケ)だのマラーだの、名前からしてどうやらクローケーみたいなものらしいわ。だったら、なんとかプレイできそうだわ。」
 開き直ったアリスは、さっそくマレーならぬマラーの準備を始める。ところがアリスのマラーは、女王様のそれみたいに堅くない。これでは玉なんてとても打てそうにない。
 しなしなのマラーの扱いに困っていると、耳元で、聞き覚えのある声がささやいた。
 「マラーなんて擦ればすぐにカチコチさ。それこそマラのようにね。」
 アリスがマラーの準備をしている間に、女王様はさっさとプレイを始めてしまった。
 「順番もないなんて、どうやって点を付けるのかしら。」
 いそいでマラーを構えるアリス。足下には、柔らかくて打ちにくそうな球。
 「これは、球と言うより玉ね。」
 これがどんな球なのか、悩みながら第1打にチャレンジしているアリスに耳に、はるか先まで行ってしまった女王様の金切り声が聞こえた。
 「アウトボールじゃ。球を準備せよ! なければ、そのもののチンコを刎ねよ!」
つづく
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