ぎゅうづめ列車
 たどり着いた「ます」は大きな駅。発車のベルに急いで乗車。
 ところが、いかめしいヒゲの車掌の登場に大あわて。
 「切符を拝見!切符を拝見!」
 「切符なんてもってないわ。」
 車掌はアリスを信用せず、あちこちじろじろ見てくる。
 「ここに隠してるんじゃないのか?」
 車掌はスカートをめくりあげると頭を突っ込んで探し始めた。切符切りをかちかちならしながら、拡大鏡を押しつけてのぞき込む。
 「どうやらホントに持ってないようだ。次の駅で買っときなさい。」
 じっくりたっぷり眺めた車掌は、信用できない、といったおももちで、アリスをボックス席に押し込むと、ぎゅうづめの客をかき分け去っていった。
 ところがボックス席には座るところなんてありゃしない。老紳士然としたヤギを始め、かぶとむしやら紙人間やら馬やらが、これまたぎゅうづめで立っているありさま。
 その真ん中に、天井からつり革がひとつだけ、ぶらさがっている。
 「子どもはちゃんとつり革をもたにゃあいかんぞ。」
 「私、子どもじゃないわ。」
 「どっちにしても、つり革を持ちなさい。」
 自称大人のヤギやかぶとむしたちは、つり革を持っているせいで手が塞がっているのを良いことに、アリスの全身をまさぐる。
 特にかぶとむしは、4本もある手を一度にスカートにすべりこませてきた。
 「おっと、横揺れだ。」
 かぶとむしはしらじらしくそう言うと、4本の腕でアリスを抱え上げ、一物を後ろに突っ込む。
 「こんどは縦揺れだ。」
 それをみた紙人間も、まけじと前へ、堅絞りの新聞紙みたいな一物を突っ込んだ。一方、ヤギも老紳士然としたふるまいのまま、
 「右手はこっちを掴むんじゃ。」
とコートをはだけ、取り出した一物をアリスに握らせる。
 ひとしきり3人は代わる代わる楽しむと、いそいそと自分の駅で降りていった。
 ぐったりしているアリスに、今度は、奥の方でもそもそ何か言っていた馬が近づいてきた。
 「・・・今度はわしの番・・・」
 そういうと馬はコートを脱ぎ、信じられないくらい長い逸物をとりだすと、アリスのおしりをわしづかみにして後ろから突き入れた。
 馬はローテンションのおしゃべりとは裏腹に、もの凄い勢いで下から突き上げる。
 アリスはつま先立ちになり、必死でつり革につかまる。
 激しい責めにアリスは失神。
 気が付くとすでに次の「ます」。ちっちゃな家の前で目が覚めた。
つづく
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