人造人間、男装、ボクっ娘、獣人、ありふれた女性がいない手塚漫画の中でも、特別な存在な上に不幸な舞台の降り方をした、【奇子】のお涼と【どろろ】のお米。私は結構好きなんだが。
 ふたりとも話の流れの上であっさり殺されたように見えるが、それでもお涼の2頁半に渡る断末魔は、そこいらのBJのゲストの人死によりも数段印象的。いっけん百鬼丸の反応がドライすぎるお米の死も、最後から3コマ目の百鬼丸の表情が、とても重い。
 しかし興味のない題材でも、テーマ性と演出だけはしっかり盛り込む手塚治虫だけに、だからといって思い入れがあったかどうかはあやしいよね…
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