るりみ、あらたなる戦い
 るりみはずっと考えていた。
 つい昨日のこと。潮の突然の提案に、るりみも晶もわが耳を疑った。
 「もしかするとゾーマには私たち人間のような感情があるのかも知れない。少なくともそういうゾーマがいくらかはいて、自分たちの行為が決して上手い方法ではないと気づいているかも知れない。なんとか上手になだめることができれば今の対立関係を友好的なものに変えることが出来るのではないか。」と。
 今までゾーマがしてきたことからするととんでもない話だと思ったし、晶など憤慨して大荒れに荒れたくらいだ。おかげでるりみは今日のグラビア撮影が全く上手くいかなかった。

 「ふー、だめだめ。頭を切り換えよう…」
 撮影のためにほぼ貸し切りとなった広い露天風呂に頭まで浸かるるりみ。
 「問題ぜぇ〜んぶ解決できるくらい頭が良くなるお湯だったらいいのに…」
 なんとも気弱なセリフをはくるりみ。その時…
 「そんなお湯はないよ!」
 突然子供の声がして溺れかかるるりみ。いつの間に入ってきたのか、あるいは以前からいたのか、少し離れた場所に男の子が浸かっている。
 「見たわね〜」
 「全然!でっかいオッパイなんか見てないよ」
 しかし今はこんな軽口が気休めになる。
 てきとーに話をしてなんだかほんわかした気分になってきたるりみだが、どうやら気分だけではなく本当に体もふにゃふにゃになってきていることに気づく。
 「さっき、ここのお湯の効能のこと、言ってたよね」
 ゆっくりと近づいてくる男の子の声のトーンが低くなっているのに気づき、身構えようとするるりみ。だが力が入らない。
 「のぼせているのは血行に良いからさ。あとはうちみ、腰痛、筋肉痛を通り越して…」
 「あ、あなたは…」
 「筋弛緩の効果もあるのさ」
 男の子の体から怪しげな液体が入浴剤のようにしみ出しているのに気づいたときには、すでにろれつも回らなくなっていた。
 「まんまと騙されたな、ダイホーク。」
 男の子がニヤリと笑う。
 「今まで子供だとバカにされてきたが、これで一手柄だ。」
 男の子がゾーマキシンだと気づき、ブレスを取ろうと力の入らぬ手足を何とか動かして湯殿から這い出するりみ。傍目からみれば多分かなり不細工な格好なんだろうと恥ずかしく思いながらも、手足に力を入れる。
 それをゆっくりと追いながら、男の子は自分の下腹と股間に指をぐっと差し入れる。
 「ボクの名はテルメキシン。温泉の水質を自由に変えることも出来れば、秘密のツボを押してこんなことも、」
 逃げながら目の端で男の子の性器が成人以上の大きさに膨張していくのを捕らえたるりみは、手足の動きをどうにか早めようとする。
 「それに、こんなこともできるのさ。」
 四つん這いになった尻に男の子…テルメキシンの指がめり込む。続いて両肩にも。
 「え!?」
 その瞬間、まるでテルメキシンの一物を待ち受けるかのように、尻を高く掲げた格好で体が固まってしまうるりみ。剥き出しになった性器に、巨大な一物があてがわれる。
 激しく突かれそのあまりの大きさに腰が抜けそうになるるりみ。だが固められた体は逃げることも倒れることも叶わない。
 「さて、今回のお目当てであるその“爆乳”をいただくよ〜!」
 テルメキシンは一物を入れたまま、今度は体の下に潜り込み、垂れ下がっている爆乳にしゃぶりついてきた。今のるりみにはこれだけでも充分刺激的なのにテルメキシンはまだ何かやらかすつもりらしい。
 「とっておきのツボを押してあげるよ。」
 爆乳全体をゆっくりとなぞりながらいくつかのツボを押していくテルメキシン。何とも言えないむずがゆさがじんわりわき上がってきて驚くるりみ。その表情を確認したテルメキシンは爆乳をこねるような動作を始めた。すると…
 突然のことに頭が真っ白になるるりみ。そのほとばしりさえもが快感に変わってゆく。そして、
 「いただきま〜す」
 むしゃぶりつくテルメキシン。激しく乳を吸う音が辺りに響く。
 さらなる快感に身をよじ…いや身をよじることも許されず、もう頭がおかしくなりそうになったとき、るりみはふと気が付いた。
 「…あなた…」
 すでにテルメキシンの一物は子供のサイズに戻り、攻撃的な腰の動きも止んでしまっている。そこにはただただ乳を吸うだけの小さな子供がいるだけだった。
 「そっか。潮ちゃん、こういうことかあ。」
 手足の戒めもゆるんできている。
 「あのエマンも、こんな感じだったのかなあ…」
 るりみはそっとテルメキシンの頭をなでる。
 「デカチンサディストのあいつがこんなわけないわね。」
 寝息すら立てそうなテルメキシンの頭を、るりみはもう一度抱きしめた。
 「なぁ、ね、ねえちゃん…」
 浴衣を着込んだ二人。別れ際、テルメキシンは気恥ずかしそうにるりみを見上げた。
 「人間にはもう手を出さないから、また会ってくれるか?」
 勝手なことを。るりみのあきれ顔に気づき、一瞬、表情を曇らせるテルメキシン。
 「もうこんなのはごめんね。」
 るりみはテルメキシンの頭を軽くこづくと、にっこり笑って言い放つのだった。
このお話はジャスタウェイさんからの投稿を基にしています。
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