潜入・地下病棟
 前回逃したシュジュツキシンを捕らえるべく、ゾーマたちに乗っ取られた病院に潜入したダイシャーク。しかし患者に化けたゴズズたちに取り押さえられてしまう。

 分娩台に縛り付けられ、シュジュツキシンにいたずらされるシャークの後ろから、怪しい気配が近づく。エマンやエバーッダにも似た圧倒感。
 「お嬢さん、お初にお目にかかる、」
 僧衣を着た老人のゾーマがシャークの顔を覗き込む。
 「わしの名前はアングル。おぬしの睨んだ、前帝王と王妃の復活の儀式、その全てをとりしきっておる。」
 シャークの体を下から上まで値踏みするように見ながら老ゾーマ、アングルが言う。
 「や…っぱり…ど…どうして、そんなことを…」
 シュジュツキシンの陵辱に耐えながら詳しく聞こうとするシャーク。
 だがそれにアングルは答えず、ニヤリと笑う。
 「そんなことを聞いてどうする? それに時間稼ぎをしても無駄じゃぞ?」
 はっとするシャーク。
 その瞬間、病院の壁を破って現れた巨大な顎が、ゴズズたちを飲み込んでいく。シャークが密かに呼んでいた守護獣神ギガシャークが助けに来たのだ。
 ゴズズを蹴散らし、シュジュツキシンを弾き飛ばし、アングルに迫るギガシャーク。
 だが。
 「けだものめ。」
 「うそッ!?」
 わが目を疑うダイシャーク。
 アングルはギガシャークの突進を片手で止めると、そのまま押し返してしまったのだ!!
 瓦礫とゴズズの群れを噴煙で巻き上げながらもんどり打って倒れるギガシャーク。アングルは倒れているシュジュツキシンの胸に手を当て、呟く。
 「あとはまかせたぞ?」
 途端に、ダブルゾーマ並みの巨体に膨れあがるシュジュツキシン。その光景に、戒めを解く手を思わず止めたダイシャーク、助けに来たホークとタイガーもわが目を疑った。
 シュジュツキシンは病院の地下室の天井を打ち破り、地上に出ようとしている。
 「ギガシャーク!」
 我に返ったシャークが叫ぶ。その声を聞いて、ホークとタイガーも自分たちの守護獣神を呼ぶ。
 ふと気がついたシャークが辺りを見回すが、その時にはアングルはすでにいなかった。
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