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古森歌

「あなたにはわからないのだわ。親も兄弟もいないあなたには」
「そうだね、わからないよ」
「あなたは死んだりしないからわからないわ。
 わたしをわかってほしくないわ」
「そうだね、わたしはあなたがわからないよ。
 でもわたしはあなたが生きてるのがうれしいよ」
「……」
「さあ、おいで。今日はどこへ行こう。いろんなものが見れるよ。
 見たくないものや聞きたくないこともたくさんあるだろうけど、わたしがいるから大丈夫。おやすみ、邑姜」

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 ブロッケンの妖怪の亜子さんに捧げます。