B氏の海辺のふたりがかわいかったので。
「なんとかの節句働きだね」
「節句はあっくせっく働かねーとな!」
そんな頭悪いことを爽やかに言うもんじゃないよ韋護君。
まあみんなが休んでるときに僕の仕事を手伝ってくれるのは助かるけどね。
いや、うれしくなんかないよ、うん。
普段怠けてるんだから、こういう時くらい働いてもらわなくちゃ。
決済に処分に審査にまだまだたくさん仕事はあるんだから。
「ところで楊ゼン、いつ頃休みが取れそうなんだ?」
「教主に休みはないんだよ」
「じゃあ今週の日曜ってことで」
「なんで君が勝手に決めるの」
「休みがないってのはいつ休んでもいいってことだろ。な?」
「どういう理屈なんだい、それは」
「海な、海。決定!」
「だから勝手に決めないでってば。お茶」
「はいはいただいま」
僕がデスクにドンと置いた湯飲みを持って、韋護君は給湯室に消えた。
師叔といい韋護君といい、どうして僕の周りはゴーイングマイウェイな人ばかりなんだろう。
仙道なんてそんなものだと、言ってしまえばそれだけだけど。
海か……悪くないな。
日曜日には海に行こう。
哮天犬を連れて、韋護君といっしょに。
いいですよね、玉師匠?