【菊地真の「地」は土へんです!!】 サンプル2
そうやってプロデューサーと昨日のオンエアについて、熱く楽しく、時には演技の指導とかも入ったりしながら談笑していると、飛び込んできたのは元気印のステレオ放送。
「おっはよー」
「おっはよー」
「おはよう、亜美。真美」
そういえば、亜美と真美って特撮好きみたいだったけど、昨日のオンエア見てくれたかな?
そう思いついて質問を投げかけようと亜美と真美の方に向き直ると、なんだか見覚えのあるものが二人の腕に付いているのが分かったんだ。それって……
「あー! まこちん見ーっけ!」
「それではさっそく練習の成果を見せようではないか、真美隊員」
「ラジャー!」
「「変身! ミューチェンジャー!」」
お……? うおおおお……!
そ、それってやっぱり!
一瞬、目の前で起きた光景がなんなのか理解できなかったけど、すぐにそれがミューレンジャーの変身ポーズであることが分かりました。そりゃ、もう何度も練習したんだから!
「すごいや! 亜美! 真美!」
くうーーっ! ボクは今、猛烈に感動しているー!
自分が演じているポーズをこうして真似してもらえるって、こんなにも嬉しいことだったんだ! あんまり嬉しいもんだから、このままそ事務所の外に駆けだして、大声で「みんなありがとうー!」って叫びながら走り回りたいくらいだよ! ……でも、それじゃただの近所迷惑だよね、へへへ。
あ、でも、そのミューチェンジャー、どうしたんだろう? 撮影で使ってるやつなわけはないし……。うーん。
「ねえ、亜美。そのミューチェンジャーどうしたの?」
「これ? 昨日、パパに買ってもらったんだよん」
「え? ってことは、おもちゃがもう発売してるんだ」
そういえば、昨日のオンエアでもおもちゃのCMやってたっけ。ミューレンジャー変身グッズ、って。
でも、発売なんて一か月くらい先の話だと思ってたなあ。
「ねーねー、まこちーん。それよりも、本物見せてよー。亜美達もまだまだ完璧じゃないんだ」
「よし! この園麻潤穂にまかせなさい!」
「おー、なりきってるねー! まこちん」
「なりきってるんじゃなくって、本物なんだってば!」
よーし、もう一度変身プロセスをボクが見せるから、しっかり見てるんだよ! 亜美、真美!
「変身! ミューチェンジャー!」