初めての。
・・・baseよしもとから一番近い居酒屋。須っちゃんを誘ったものの、どう持って行けばいいのか
分からない。とりあえず、何となく話を合わすが・・・どうしたらいいのか。須っちゃんは酔っ払って
きたのか、顔を赤くして、俺に寄り添う。『あれ?・・・木部ちゃん、まだなん?』、今日、ランディーズ
の中川に素でそう言われた。最初っから堂々とああいう事をできる方が可笑しいんじゃ、阿呆。
須っちゃんが、俺の右腕に絡んでくる。・・・あー可愛いっっ。・・・ほんまに可愛い・・・。
「・・・木部・・・」
告って、くっついたまでは良かった。が、やっぱりくっついたからには、キスをしたからには、
もちろんその後の行為、それまでの過程もついてくる。俺等は、まだそこまでいけてない。
「・・・んー?」
頬をすり寄せてくる須っちゃん。・・・畜生、俺だって男だ。興奮する時は興奮する。
「・・・眠い・・・木部の家、行っていい?」
多分、須っちゃんはキス以上の事なんて思ってない。今のままがいい、・・・俺が誘った後、
須っちゃんがそう言う可能性もあるだろう。でも、言わない可能性もある。俺だってしたい。
須っちゃんは可愛いし、もう告る前に須っちゃんには夢中になっていた。・・・もう限界が近い。
・・・言うなら、今日言いたい。
「・・・うん、ええよ・・・」
須っちゃんが、嬉しそうに顔を緩ませる。そして、キスをした。そのまま倒れこみ、俺は慌てて
須っちゃんを抱きしめる。柔らかい身体。・・・可愛い須っちゃん。
・・・須っちゃんを抱き起こし、キスを軽く返した。
須っちゃんの片腕に自分の片腕を絡ませながら、ゆっくりと歩いていく。須っちゃんは酔ってしまい、
足元がおぼつかない。そんな須っちゃんを可愛く思ってしまう自分を、馬鹿だと思う。須っちゃんも、
多分そんな俺を馬鹿にするだろう。でもいいんだ、そんなに好きになれる相手が居る事は、幸せだ。
「・・・須っちゃ―――ん!?・・・ほらー、着いたよー?・・・起きぃって!」
須っちゃんはそんなに重い方じゃないが、さすがにずっと寝られていると、こっちが参ってしまう。
襲ってしまいたい。喰べてしまいたい。・・・自らの汚さに気付く。・・・何て淫猥な奴だろうか。
「ん―――・・・?・・・嫌やぁ、連れてってぇ・・・」
眠くてたまらない、と言った須っちゃんの顔。とろんとした眼。・・・可愛いっ。思わず、
須っちゃんを抱きしめる。須っちゃんの、心配そうに慌てた声。頼りない手の感触。何時も、
ファンの子に飴を配っている須っちゃんの手。・・・どうにかして、手に入れてしまいたい。
須っちゃんの手を握り、唇を近づけて。
「・・・んっ、ふっ、・・・ぁっ、・・・ん・・・・・・木部・・・?」
可愛い。もう、たまらない。・・・細くて、小さくて、強い愛情のあまり強く抱きしめる。
須っちゃんは少し痛がるが、またキスをすると、大人しくなってしまう。玄関。もう少し奥に
行けばリビングで、本当は向こうで休めばいい。でも須っちゃんを抱きしめてしまったまま、
向こうに行くのが何か嫌で。・・・須っちゃんを、無理に襲おうと思えば襲えただろう。
だが、それはできない。だって、それが原因で須っちゃんを失う事になったとしたら、
俺はきっと自己嫌悪に落ちるだろうから。
「・・・なぁ、・・・須っちゃん」
セックスがしたい。セックスがしたい。セックスがしたい。
「・・・・・・うん?」
ただ率直に、相方の身体が欲しいんだ。
「・・・しよ?」
須っちゃんの顔が、固まる。・・・ああもう、嫌悪するならさっさとしてくれ!
「・・・・・・しよって・・・セックス、って事?・・・俺と?」
須っちゃんが、俺の顔をじっと見つめる。眼をそらしたい、・・・でも、そらしたらあかん。
もう覚悟はできてる。須っちゃんと、お互いの顔を見つめあう。とにかく、セックスがしたいんだ。
「・・・そっか・・・・・・いいよ?」
思わずこけてしまう。そんな・・・「いいよ」とか・・・軽く言われても・・・でも、須っちゃんも悩んで
いたのかもしれない、何だかんだ言ったって、俺と須っちゃんの関係はかれこれ三ヶ月程、
キスから進展していなかったんだ。俺だけが悩んだんじゃないだろう、・・・もう我慢できないんだ。
「・・・じゃあ・・・風呂でも・・・入る?」
何か・・・OKを出されると、逆にどんどん緊張してくる。
「・・・ううん」
須っちゃんが、俺に抱きつく。
「・・・今すぐ・・・・・・したい」
木部の家の、ベットの上。・・・シャワーを浴びている木部の帰りを待ちながら、先刻の事を反芻する。
あの後、木部は俺を抱きかかえこのベットに連れて行き、キスをしながら服を脱がせていき、
突起物を中心に愛撫を重ねていき、絶頂に達した。・・・気持ちよかったのがしゃくだ。下手糞な奴と
やるよりはマシなんだろうが、何かむかつく。相手が相方なだけに。する前に、木部は風呂に
入らないかと言った。俺は断った。・・・木部は気付いていない。・・・俺は風呂に入る度、
厭らしい妄想をしてしまい、結局身体の隅々まで洗ってしまっているのだ。
「・・・須っちゃ―んvv」
木部と、キスをする。俺は木部の方を振り返り、また唇を重ねる。木部の腰に足を絡ませ、
抱きしめられる。・・・木部は、俺のアソコを綺麗だと言った。・・・まぁ綺麗かもしれない、
自分で指を入れて、外側だけでなく、中まで綺麗に洗うのを、毎晩繰りかえしている俺のアソコは。
「・・・んっ、・・・木部・・・」
また、キスをする。・・・木部に、舐められた身体が疼く。・・・もっと求めているのか?
「・・・・・・須っちゃん・・・」
もっと、もっと頂戴。まだこんなんじゃ足りない、もっと挿入して、めちゃくちゃにして。
明日になっても忘れられないくらい、激しいセックスがしたい。だから、もっと欲しがって。
きっと彼は、またしてくれるから。・・・身体が求める。・・・わざと我慢を強いて、興奮させる。
「・・・寝よ―――・・・、俺、・・・眠い・・・」
木部に抱きしめられたまま、ベットに沈んでいく。またキスをする、・・・ああ幸せ。身体は木部を
求めてまた疼き始めるけど、今はもう、する気にはならない。・・・木部の、間抜け面。
この顔を、今、俺だけが独り占めしている。・・・何て嬉しい事か。もう離さない、・・・離さないでね。
END
おまけ。(木須) ★