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「う゛ぅ〜、ん゛ん〜」
‘兄’は‘ボク’に何かを言おうとしているけど、ガムテープで塞がれてるからうなり声しか出せない。でもきっと、‘兄’は‘言葉’を言おうとしてるんじゃない。最初は驚いて、怒って……それが‘なぜ?’に変わって、もう今はきっと、これから起こることが怖くて、おびえているだけ。たくましくて、頼れて、優しかった‘兄’が、ただおびえているだけなんだ。
おちんちんを隠すことも忘れて、足を開いて座っている兄の、そのおちんちんは、首をふって涙目でうめく‘兄’の意志とは関係なく、少しふくらんでいる。お尻の穴にはバイブレーターを根本まで入れて、ガムテープで貼ってあるから、そのお尻の穴も、こっちに向けざるを得ないんだ。
‘ボク’が近づくと、開いていた両足を閉じようとしたから、‘ボク’は、スニーカーを履いた足を‘兄’の両足の間に入れて、蹴飛ばして開かせた。
バイブのリモコンは太股の内側に貼り付けてある。‘ボク’はバイブとスイングのスライダーをいっぱいまで上げた。モーターのうなる音がして、うめいていた兄の喉から、高い「ヒッ」というような声が漏れ、顔が歪んだ。
また、足を閉じようとするので、ボクは兄の横腹を蹴って、コンクリートの床に転がすと、背中で手錠をされている手首を踏みつけ、もう一度仰向けにさせ、体や足を蹴って、仰向けで足を大股開きにした姿勢にさせ、懐中電灯の光を浴びせた。おちんちんはびんびんに勃ってる。‘ボク’は、少しだけ先っちょを出していたおちんちんの皮を剥いて、靴でぐりぐりと踏みつけた。もちろん加減はしてる。‘兄’のうめき声にすすり泣きが混じったように感じた。
少し離れて、また懐中電灯で顔を照らす。‘元気な頃’から見れば、やつれてるし、死んだ目から涙を流している‘兄’は惨めだけれど、でもまだ、カッコよさの面影は残ってた。‘母’の自慢の息子だったもんな。
‘ボク’は固定用のガムテープの上から呻り声を上げるバイブを靴で押して、さらに‘兄’のおしりを虐めて見る。ギンギンに勃った‘兄’のおちんちんの先はすっかり濡れていた。
「イキたいんじゃないの?」
‘兄’の目は何も答えない。やっぱり‘ボク’に‘どうして?’と訊いている気がする。まともな言葉じゃ何も伝えていない。わかるかと思ったけど、‘兄’には言葉で説明しなきゃ、‘ボク’の気持ちはわからないのかもしれない。
‘ボク’の気持ち……? それって、‘ボク’自身、わかってるのかな? ちょっとそう考えた。
バイブのスライダーをいろいろいじって‘兄’の反応を見た。苦しそうな顔をしている。また立ち上がって、肛門から少しだけ出たバイブを、足で軽く蹴ったり押したりする。
「む、う゛っ……ふぅッ」
‘兄’がきゅっと目をつぶって大きくうめいたかと思うと、手も触れていない‘兄’のおちんちんから、精液がびゅっびゅって吹き出して、‘兄’自身の腹と、頬と、コンクリートの床を汚した。
脱力して、がっくりと首をうなだれている‘兄’。その呼吸ともすすり泣きともわからない息づかいと、低いバイブのうなりだけが、‘ボク’の耳に聞こえていた。
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