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 チビ玉の手を解放した男は、口でチビ玉のものを刺激するようにジェスチャーで指示した。
 こうした流れになってくれば、もう何も考えない方がよかった。先ほどの恥辱感にも、慣れつつある。
 それに、チビ玉に触られているよりは、こちらから動く方がいくらかましだ。からだの向きを変えて、チビ玉のものをつまみ、口に含んだ。
 「!……ジョージ!」
 怯えから声は震えていた。
 「痛いことないから黙ってじっとしとき」
 一度口を離したジョージは、それだけ短く、優しく言ってまたチビ玉の小さな突起をくわえる。

 ストレートを自認しているジョージは、バックはもちろんだがフェラを要求されても、一応は嫌がってみせ、やる場合も客にゴムを被させて、ということが多いが、金払いがよく押しが強い客相手や、客が少なく何としても繋ぎとめたい時期などは、結局生でもやることになる。少年同士でやらされたことも初めてではない。しかしこんな小さな子で、相手自身に全く経験がないというのは、初めてだ。

 見えないが、また男はチビ玉にジョージのものを握らせ、上からチビ玉の手を握って、ジョージのペニスに絞るような刺激を加えていた。
 そしてチビ玉は、ほっぺたをつつかれて、男の顔と、手の動きを見せられる。ジョージのしていることを、お前もジョージにしろ、と指示しているのが、チビ玉にも理解できた。

 他人のちんちんをくわえるなんて、という抵抗感はもちろんある。けどジョージはやっている。お金ももらえる。

 突如訪れた温もりは、経験のないものではなかった。しかし、ちらっと枕側に目線をやって、チビ玉がそれをしているとわかると、全身が燃えるような恥辱感が再びジョージを襲い、刺激する舌先は拙いはずなのに、一気に昇り詰めそうなほどの快感が、彼を身もだえさせた。
 「く……」
 「Are you feelin' happy?」
 揶揄するような(そう受け取れた)男の口調が腹の底に重いしこりをつくる。男の手が尻をまさぐり、こまごまと指示されるままに性器をチビ玉が舐めている。

 やがて男は、二人にシックスナインを継続させ、自分は一度立って写真を撮り、鞄から小瓶を出して、ベッドに戻った。
 ちょうどチビ玉の股間をはさみジョージの顔の前に膝をついてベッドにヘコミを作ると、ジョージに口淫をやめさせ、やんわりとしかし強要する手つきでチビ玉の膝を立てさせ、少し開く。
 そしてジョージにプラスチックの小瓶を手渡した。ローションの小瓶だ。

 男が、チビ玉のぴょこんと勃った性器の下から、縫い目のような線を中指でたどり、皺の部分をくいと押した。
 「あ……」
 チビ玉はその一声の後、何も言葉が出ない。
 ローションの小瓶と、指で押さえたアナルを往復し指し示す男のもう一方の手の動きは、ジョージにチビ玉のアナルを慣らすようにと指示している。

 膝立ちの男の股間にあるものは微妙に垂れるような中途半端な勃起をしていて、色の薄い毛に覆われているが、ジョージですら一度も受け入れたことのない、受け入れられるとは思えない、日本人にはなかなか見られないサイズの濃密な匂い漂うイチモツだった。

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