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 やはり男の主目的はチビ玉の方である。まずベッドに座らせたまま唇をついばんだ。チビ玉が顔をしかめたのは一瞬のことで、すぐに男のまねをして舌を突き出し、男と舌をつきあわせる。
 男はジョージそっちのけでチビ玉をベッドに押し倒した。ジョージはベッドに上がって、男の背後からチビ玉の顔が見える位置に這って移動する。
 濃厚に唇が吸われていた。解放され、男が一枚きりのシャツに両手を差し入れ、首筋を舐めている時、やっと表情がよく見えたが、ひきつって目には涙が浮かんでいた。俺が感じるべきものじゃないと思っても、胸の痛みと罪悪感に、ジョージは責められる。
 シャツが脱がされ、やせてちっぽけなからだが、毛むくじゃらの太い肉の塊に埋もれる。
 男がチビ玉に何か言ったが、チビ玉には聞く余裕もなければ、あっても意味は通じなかったろう。ただ手首を握られて怯えていた。
 男が振り返り、ジョージを見た。額には汗がにじみ、誰かが、青い眼は死んだ魚のようだと言ったが、恐ろしかった。
 乳首を触れと、チビ玉に伝えろと、男は言うのだった。
 「チビ……あのな、この人の乳首、こそばしたりつまんだりするねん。……重いか? 優しくするように言うたろか?」
 「……大丈夫……」
 あまり大丈夫な感じでもないが、この程度で客に余計なことを言ったら、かえって刺激しそうだ。がんばってもらうしかない。
チビ玉はおぼつかない手つきで、男の乳首をまさぐっている。男の口から歯が見えた。笑ったのだろう。

 男は暑くてたまらないとでもいうようにガウンを脱ぎ捨て、チビ玉の下履きをも抜き取った。そしてジョージに裸になるように命じ、二人は全裸でベッドに並ばされ、そして手を繋がされた。
 どういうわけかジョージは股間が反応気味で、いつにない恥ずかしさを味わった。ジョージの、皮かぶりだが大きさは大人に近いそれに比べれば、チビ玉のは小指の先のような幼さだった。

 男は大きな部屋備え付けのバスタオルで全身の汗をぬぐい、一応それを腰に巻くと、カメラを取り出し、並んだ二人を数枚撮影した。
 「撮影は別料金を請求しよう」とジョージは脳内にメモする。
 男はさらに、ジェスチャーで互いのものを触り合うように指示した。
 「チビ玉……」
 「俺?」
 なぜか囁き合うような話し方になる二人。吐息がかかるほど近くに、互いの顔はある。
 「俺のちんちん、触れ」
 「え?」
 やばい。恥ずかしい。
 「俺がお前の触って、お前が俺の触るねん。おっさんがそうせえ言うとんねん」
 「わかった。せんずりやろ? おとんがたまにこっそり……」
 声が大きくなってるってんだよ! とジョージは制したかったが、自分の鼓動をまず抑え、チビ玉のからだの位置を少しずらし、自分は枕に肩を乗せるように動いた。お互い仰向きのまま、手を交差させて、まさぐるようにそれぞれのものに指を絡ませる。
 ジョージは天井を見ていたが、チビ玉はジョージのものを、見ながらつかんでいた。
 「ジョージのん大きなってきたで、どうしたらええのん?」
 「チビ玉、適当でええから黙ってくれ、頼むから……」
 息苦しさを感じるほどの、いつにない恥ずかしさだった。
 チビ玉の手は、五本指でむくむくと硬さを増すジョージのものをつかみ、ジョージは、三本の指で、小さなチビ玉のものをつまむ。

 男はデジカメの動画機能を使って、一、二分は、その光景を歩きながら様々なアングルで撮影していたが、やがてカメラを置き、チビ玉を挟む位置に全裸で横になった。
 先ほどのハイな口調はどこへやら、男から目を反らして、チビ玉はジョージの顔を探す。ジョージのものを握る手の上に、色の薄い毛が甲に生えた男の手がかぶさって、ジョージのものの皮を、小さな指で引き下げさせた。

 酒と煙草と汗と体のにおいで苦しい。チビ玉のものはジョージに揉まれ続けていたが、萎えしぼんでしまった。

 ジョージのものの鈴口の、湧き出してきた液体を男の手で操られるチビ玉の指が、亀頭に塗り拡げる。
 (あ、あ……)
 じんじんとする感覚。逃げ出したいような、そのまま身を委ねてしまいたいような感覚が、ジョージの頭の後ろに、駆けのぼってくる。

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