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 ジョージが自分の手業を、だいたい理解したのを見届けると、男は狭い、チビ玉とベッドの背の間に膝を押し込み、チビ玉の顔を、やや強引に自分の方に向かせた。もう一方の足も邪魔だったが、少し考え、チビ玉の小さな背中をまたがせて、股間を彼に近づけていった。
 この間の動きに、ジョージは気づいていなかった。
 「……ジョージ……帰りたい……」
 べそをかくようなチビ玉の声で、やっとそれに気づいたのである。男はチビ玉に自分のものを舐めさせようとしている。
 ジョージの頭はいつもなら忙しく回転するはずが、だめだった。
 「……舐めるねん。それせな、帰られへんわ……」
 「……ジョージ……」
 (ごめん……)
 それは今は、チビ玉にきかせるわけにいかないセリフだった。やるしかないと思わせないと、だめだからだ。本当は何とかして、「逃げ」の手を考えてやりたかったけど、今はダメみたいだ。ごめん、チビ玉。

 押しつけられたものに、チビ玉は抵抗せず舌を出した。彼は勘がよかった。拒否反応で頑強に口を閉じてしまうのも、自然な反応だろうが、そうしない方が結局いいと、チビ玉は思考でなく勘で判断する。怯えきっているのでもない。
 ちろちろと舌を使い、しょっぱ苦い液体を吸い取り、男がモノを押し込めば口を開く。ジョージのモノとは勝手が違うが、あごが外れそうなほど口を開き、口いっぱいのモノに舌を絡ませた。

 ジョージはそれを見るのをやめ、アナルに差し入れた中指をスライドさせはじめた。ゆっくりだ。男の手が伸び、そのジョージの肩を触り、チビ玉の仕事を見たくないがために男からもそらされていた彼の顔を自分の方に向かせ、毛深い手の中指を、指の腹を下に向けきゅっと曲げてみせる。曲げた先が小さな円を描く。ジョージはその指示に従う。指を回転させ指の腹を下に。指を曲げ腸壁をくすぐる。ただ指の曲げ方は男がして見せたより控え目に、だが。

 男が、動きの小さいピストン運動のあとチビ玉の口から一度ペニスを抜くと、たくさんの唾液がぼとぼとチビ玉の口からこぼれシーツを汚した。チビ玉の顔は涙と唾液まみれになっている。ただし、今は男の膝が邪魔で、ジョージからはのぞき見ようとしない限りそれは見えない。
 「くぅ、ん……あ、ァ!」
 排泄の欲求とは異なる、しかしよく似た、いても立ってもいられない感覚に、チビ玉は高い子犬の鳴き声のような声を漏らした。男の亀頭が、またその口を塞いだ。
 「ぶ、え……」
 男はチビ玉の口に指をも押し込み、唾液を自分の肉棒に塗り伸ばし、自ら激しくしごく。チビ玉には亀頭に舌を使うように言外に命じていた。

 ちろちろと動く舌と、自らの手の刺激で、男は絶頂を迎え、青臭い液体をたっぷりとチビ玉の口内に注ぐ。

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