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あとがき
まずは一年間以上に渡る連載におつき合いいただき、時にご感想を、草稿へのご意見をいただいた皆様に、お礼申し上げます。
本作は昨年、筆者が急病で正月早々入院するはめになったとき、構想がスタートしました。
ベッドから離れられないながら、苦痛もなくなった状態での、手近なおもちゃと言えば携帯です。まずはほとんど毎日ネットに出ていた筆者が、突然消えると病床でなく塀の中と思われかねないので(笑)、ブログ更新で生存証明をしました。
ブログ小説がすでに流行していた折でもあり、次の段階としてぽつぽつ出てくる妄想を試作品としてブログにアップしていきました。それが「子ども部屋」と「少年の街」です。
しかしながら、携帯、かつブログへの投稿では、改行や行間、漢字遣いなど意図するようにならず、また致命的なのは、携帯ブログでは検索ができないので小説を順番に読むのが難しい。やはり僕はそのまま、ブログ連載を続ける気にはならず、一ヶ月ほどで退院できて以降は、二つの作品を携帯版とPC版に分けて、連載を開始しました。
「子ども部屋」の構想の端緒は、僕のごひいきの某子役君です。ずっと昔のTV番組ですが。彼をイメージし、今自分の部屋に監禁するとしたら、という危険極まりない(笑)妄想を、とくに初期はほとんどそのまま文章化していきました。
伸介少年の外見描写が僕の小説としては妙に細かく、作中のマンションの部屋の作りが僕が今住んでるマンションによく似ているのはそのためです。
実際には様々な意味でやれないことを文章にぶつけていく、ある意味僕自身の自慰的作品だったわけですね、有り体に言えば。まあどの作品もそういう要素はありますが。
連載が長期化していく中で、少し不安になってきました。
僕自身はノリノリで、身近に顔を合わせたりチャットで話す方の評価は、おおむね好評。しかしながら、奥ゆかしくも毎日のように当店に通ってくれているお客様の反応は、いったい。
「夜想」「土曜」「御堂」あたりは、終結後時間が経っても、時々長文のありがたい感想がいただけます。しかし、そうでない、連載中もほとんどスルーされたかのような作品も、実はけっこう、直接聞くと好きな作品三本指に入っていたりもするんですよね。
奥ゆかしくもシャイなお客様が、ゴテゴテに濃い、残酷で反社会的なムード炸裂の作品に感想を書くのは、僕が想像しても無理がありますし、絵のように、「萌えた!」「甘すぎる!」みたいなたった一言をメールフォームで送るなんて、ハードルが高すぎます。
そこでWEB拍手を導入しました。
ところが公式のWEB拍手は、一登録で一ヶ所、仮に数ヶ所に置いても、カウントは一種でしかない。トップに置いてみても、いったい何を評価していただいたのかわからないし、コメントもほとんどありませんでした。
そこで、公式でない、複数ページに貼って個別に集計できるCGI版を拾ってきて、順次貼りました。
これの反響は絶大で、特に本作には、新章アップのたびにたくさんの拍手とコメントが入り、僕にとっては強力な意欲の源泉となり、終盤は異常ともいえるハイペースでの更新となりました。
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