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 少年の口から喘ぎがかすかに漏れ、彼はこぶしをきゅっと握りしめている。ペニスをしごく指先の動きが激しくなり、舌先が暴れて濡れそぼった先端を蹂躙する。
 「イキそう……」
 にやりと笑った男が体を起こし、いきり立った幼いペニスをさらに激しくしごいた。ベッドを這う少年の手に力がこもり、きゅっとシーツをつかむと、皮のめくれあがったペニスの先から、熱く白い液体が、どくっどくっとあふれ出た。
 脱力した少年の体を、寸刻も惜しむように愛撫しながら、男は荒い息のたび上下する腹の上の精液をティッシュで拭き取った。
 「今度はこっちの番だぜ。お前のここを確かめてやる」
 少年の太股をがっちりとつかみ、上半身に押しつけるようにして少年の体を二つに折る。股の間からのぞき見ると、こちらを見つめる少年の上気した表情には不安が読みとれるように思えた。少年のその不安げな目が男の攻撃性に火をつける。唾液で濡らした二本の指を、意識的に乱暴に、蠢く穴にねじ込む。左右にグラインドさせる。奥を突く。粘膜をまさぐり、快感のツボを探索する。少年の額には汗が滲む。
 いったん抜き去った指に、たっぷりとローションを馴染ませ、再び肛門への侵入が試みられた。指を激しく動かすたび、歯を食いしばった少年の顔が微妙に歪む。男はその表情を味わいながら、指の遊技をじっくりと楽しんだ。
 もはや準備の整った、黒々とした自分のペニスに、男はローションをなじませた。少年の青い肉茎も、再び硬さを得て、先走りに濡れている。
 (感じてやがるな、コイツ)
 「さあ、本番だぜ」
 黒々としたペニスの先が入り口で暴れる。思いがけないほどたやすく、少年の肛門は男の肉茎を受け入れた。蠢く少年の内壁が、男のイチモツを温かく包み、撫でさする。男は思わず体が宙に浮くような感覚を味わった。
 (くう、いい具合に締め付けてきやがるじゃねえか)
 「いいぜ、お前の中……くう、たまんねえ」
 男は腰を揺する。唇を噛んでいた少年の口から荒い息と、小さな、こらえた喘ぎが漏れる。腰の動きが大きく激しくなる。ベッドがきしみ、少年の体が大きく揺れる。
 「あっ、アァッ……」
 「お前の中、熱いぜ……これはどうだ? 痛えか? ええ?」
 涙をにじませたような少年の表情が、男をさらに欲情させた。腰と腰が当たる音が聞こえるほどに、男は激しく腰を使う。
 「ああッ……」
 「イクぜ……」
 痣の残るほど強く太股をつかみ、ペニスを一杯にまで押し込んだ男が、少年の体内で果てる。腸内に、熱い液体が注がれている。
 やがて急速な弛緩が、二人の間に訪れる。
 大きく息を吐いた男は、少年を解放し、体を這わせて少年の横に体を投げ出す。汗みどろの体を密着させる。息が整ってくると、男は少し穏やかな調子で、寝息を立てそうな様子の少年に声をかけた。
 「たいしたガキだぜ……お前」
 「ヨカッた? おじさん」
 「最高だ……参ったぜ」
 男は笑って少年の頬をちょっとなでる。少年はなぜか少し顔を背けた。
 「僕もヨカッたよ……これでお別れなんて、ちょっと寂しいぐらい」
 「まだいいじゃねえか……お前の体が大丈夫なら、もう一回ぐらい楽しませてくれよ」
 「ダメ……そろそろ時間だから……この次に会うのは……地獄、かな?」
 「?」
 「僕もいつかは行くらしいよ。だいぶ先だとは思うけどね」
 少年の顔が男の方に向き直ると、凄みのある美しい笑みが男の視野に飛び込んできた。少年の腕がしなやかな曲線を描き、手のひらが男の首に吸い付く。握られていたカプセルは、男の頸部にごく自然に押しつけられ、親指がカプセルの片端を押すと、内部から針が飛び出し、男の静脈を捕らえた。生分解性の毒物が、今まさに男の体を駆けめぐるのだ。
 「う……な、何だ」
 男が首筋を押さえて体を起こすと、少年は跳ねるようにベッドを離れ、男から数メートルの間を取った。
 「く、苦しい……」
 体を二つに折って悶える巨体の男を、裸の少年は冷徹に見下ろす。
 男が泡を吹いて動かなくなるのを見届けると、少年の口元にかすかな笑みが浮かび、口笛が漏れる。少年は髪をさっと掻き上げると、脱ぎ散らかしてあった自分の衣類を、悠然と集めはじめた。
 

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