ゆるされたら 1
お金持ちそうな、僕のお父さんよりも年上のおじさん。とても優しそうに、僕に話しかけました。お父さんとお母さんはもう帰らないから、私と一緒に来なさいって。 おじさんを僕は、「施設」の人だろうと思っていたけど、違いました。おじさんは僕を、自分の家に連れて帰ったのです。びっくりして、息が詰まるくらいの、大きなお屋敷に。 そしておじさんは僕に、お父さんから僕を買ったと言いました。 親が子どもを売れるなんて僕は知りませんでした。でも買ったのだから、おじさんは僕を好きなように使う、って、普通の、静かな調子で言いました。 よく意味がわからなくて、僕はただうなずいていました。 そして、僕の部屋だという、地下の薄暗い部屋に連れて行かれました。まるで牢屋みたいな、部屋。 その時になって、はじめて僕は、ちょっとまずいかも、と思いました。服を全部脱ぎなさいって、静かに言われて、こわくなりました。すごく。 おじさんを突き飛ばすようにして、おじさんの後ろの扉に手をかけたら、殴られました。殴られるのは慣れっこだったけど、知らない人はどのくらいのことをするのかわからなくて……。 蹴倒されて、胸を踏まれながら僕は、「何でもするからやめて!」と叫びました。そしたらまた、服を脱げ、って、ちょっと息を荒くしながらも、相変わらず怒鳴らないで、おじさんは静かに言うのです。 パンツだけ残して、手を止めても、おじさんは黙って、腕を組んで僕をじっと見ています。にらんでる感じでもないけど、こわい目……。仕方なく僕はパンツも、靴下も、全部脱いで、真っ裸になりました。よく知らない人の前で、おちんちん丸出しは、恥ずかしかったです。あとで、恥ずかしいとかもう、どうでもよくなったけど……。 それから僕は鎖で繋がれ、暗い地下の牢屋で暮らすことになりました。
|