*ちょっとパラレル*




〜Feelings6〜


イングラムはそれまできていた衣服を豪快に脱ぎ、
改めて圧し掛かってきた。
同時にオレの腕の縛めも解かれ、オレ達は貪るようにお互いを求め合う。

キスをし強く抱きしめられる。
オレも強く抱きしめ返す。
身体の奥を抉られ苦しさに背中に爪を立てれば、
イングラムは低い呻き声を上げ、
お返しのように首や耳に歯を立ててきた。
そして胸の飾りを指の腹で加減なしに転がされ、感じて彼の雄を締め付ければ、
お返しのように・・・今度は体勢を変えられ彼の足の上に座らさせられる。
そして尻タブを大きな手で軽く叩かれ動くように眼で訴えられる。

「んん・・・む・・むり・・だ・・・」

無理と言いつつ、イングラムに抱きつきながら腰を動かす。
イングラムは吐息で笑いながらオレに合わせて腰を突き上げてきてくれた。
圧し掛かられているときとは違う場所に彼の雄に抉られ、
意識が遠のいていく。
いや・・正確にはイングラムのことしか考えられなくなっていったんだ。

その時、オレは分かってしまった。

イングラムが女性を連れてきてその人が帰った後、何故か見つめてしまっていた理由に。
その理由はイングラムがオレにさっき行ってくれた言葉が答えなのだろう。
だからイングラムもオレが友人を連れてきて、彼らが帰った後にオレを見つめていたんだ。
お互いにお互いの相手に無意識に嫉妬していたんだろう。

そしてだからこそ『賃貸情報』を見つけて怒ったんだ。
特定の相手が出来たと思ったんだろう。

思い返せば人と距離を置いているはずの彼がオレにだけは違っていた。
彼は無言ながらもずっとオレに訴えてきていたんだ。
イングラムは何故かオレにだけは距離を置いていなかった。
分かりづらいが、あの戦争でオレを助けたり、
その後も一緒に住んでいたのは義務ではなくおそらく・・・。


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