佐久間良平と杉野拓巳 P3
「先生、大丈夫かなぁ。」
宿題の数学をやる手を止めて良平が呟いた。
ここは良平と聡平の家。そこに何故かいる杉野がテレビから顔を上げて良平を見た。
「なんだ、アイツの味方するのか?それだからやられちゃうんだぞ。」
「ち、違うよっ。」
「平気だよ。奴は俺に殴られたくらいじゃヘコたれない頑固な野郎だ。」
「うーん、まぁそれは確かに。」
「そういや聡平は?」
「あぁ、今日からバイトだって。小学生の塾講始めたんだって。」
「へぇ…そりゃまたモテるだろうね。」
「そうか?」
「頭良さそうだ。」
「あぁ…あいつの数学はすげぇよ、マジで。」
「うん、いや今のは良平がね。」
「え?俺?」
「眼鏡って、なんか色気あるよね。」
「はぁ?!」
良平は今勉強のために縁のない軽く度の入った眼鏡をしていた。
思わずそれに手をかける。
「あぁっと、外さないで。」
「な、何だよ。」
「…聡平帰ってくるの、何時?」
「えっと…十一時だとか言ってたけど。」
「今七時だから、あと四時間。」
良平は嫌な予感がした。
杉野が良平の手を取って、自分の方に引き寄せる。
「宿題は、聡平が帰ってきてから教えてもらいなサイ。」
「ちょ…っ」
そう言うなり良平は唇を塞がれた。
杉野の大きな口が、良平の口を斜めから吸い取る。
抱かれた肩が気持ち良い。
良平は杉野の首に腕を回した。
「ん…はっ…」
二宮とは違う、少し不器用な口付け。しかし良平にはこちらのほうが心地よい。
「んふ…」
良平の顎を押さえていた杉野の右手が首を伝って胸まで下りてきた。
そのまま服の上から右の平たい乳房を揉み解す。
その刺激に良平の肩がピクリと震え、お互いの唇が離れた。
「ぁっ…ぁは…」
服の上からの突起への刺激は、直接よりももどかしく、しかし緊張を解すには十分過ぎた。
次第に呼吸の速さを増して、ついに良平は快感に仰け反った。
「ぁっあぁんっ…くはぁっ…」
それに満足した杉野は、良平の口が溢れ出た唾液をペロリと舐めとってそのままキスを首筋に落としていく。
良平の意識が胸からそちらに移動したのを見計らって、ワイシャツのボタンを次々と外していく。
完全に開くと、肩を全部見えるように剥いで止め、首元を舐めるようにキスしていた唇をそのまま降下させ、先程刺激を与えた右の赤い蕾の周りに何度も当てがった。
良平の体がまたもや快感に震える。
「あ。ふ…っ、やめっ杉…」
「やめないよ?」
フフと笑うと、杉野は良平の右乳首を噛み付くように口に含んだ。
熱い舌の触感。
「ん…っあぁっ…ぁぁっ。」
余りの突然の快感に杉野を退けようと抵抗するが、その手は彼の手によって押さえられ、逆に指を絡め取られてしまった。
「ぃやぁぁっ!あ…杉野っ」
「良平…くす…いいよ、もっと。鳴いて。」
鳴いてと言われても…っ
良平はイヤイヤと首を横に振った。
「じゃあ、こっちも舐めて上げるよ。」
「あっ!…っはぅん…!」
杉野は右から左に移動して、先程から刺激されるのを待っているかの如くぷっくりと膨らんでいたもう一つの果実を、器用に舌で舐めとり、すぐに口に含んだ。
その痺れるような刺激に良平はまたもや体を仰け反らせ、色っぽい反応を返す。
その反応が杉野を更に熱くさせた。
「あぁ…っく…ふぅ…」
十分にその乳首を堪能したあと、杉野は良平の顔をのぞき見た。
快感に流されぬように顔をしかめた良平の妖艶さは、杉野しかしらない。
「はぁっはぁっ」
彼は余程敏感らしく、胸の刺激だけで顔を真っ赤にして呼吸を荒げ、縋るように杉野を見つめた。
「ん…な、に…?」
いつもならここから一気に事に及んでしまうのに、突然その手を止めてこちらを見つめてきた杉野に良平はゆっくりと問うた。
潤んだ瞳が羞恥に揺れる。
「あいつとのキス、どうだった?」
「え…?」
良平が少し目を見張った。
「咲斗とのキス、どうだった?感じた?」
「…。何、言って」
「気持ちかった?」
「…そうだな…」
良平が息を整えて、小さく深い溜息をついた。
「お前ほどじゃ、なかったよ。」
「…」
「本当だって。もう一回したいとか、思わなかったし。」
良平が杉野の頬に手を当てて微笑んだ。
その手が杉野の唇を優しく撫でる。
「俺はお前のもんだぜ。」
その良平の言葉に、杉野は悪戯に微笑んで唇に当てられた良平の指を舐めた。
柔らかいその感触が病み付きになりそうだ。