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└4:解ってるくせに…
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4:解ってるくせに… / 岡田瑞樹
俺には親友がいる。
中学からつるんできた、馬鹿で鈍感な親友がいる。
そいつは双子で、初めて会った時はただ珍しいとしか思わなかった。
偶然同じクラスに片方がいた。
話しかけたら、こいつがすげぇ悪ガキで。
俺も人のこと言えた方じゃねぇけど、そんな俺でも思うくらい心の拗ねた奴だった。
自分以外は敵だと思ってる。何がそう思わせてるのか、わからなかった。
時を重ねると、徐々に心を開いてくるようになった。
笑うようになった。
馬鹿な話をするようになった。
自分のことはほとんど話さないくせに、不思議と、兄貴の名前はよく出てくることに気付いた。
本人も自覚していないくらい。
自然に、ぽろりと。
「兄貴に起こされた」「…って兄貴が言うから、」「ほんとどんくさい、兄貴。」etc、etc...
誰にも甘えない男だと思ってたけど、あー、こいつ、本当は兄ちゃん子なんだ。
って、悟った。
それがわかるとこいつの行動は結構かわいい。
朝、兄貴が起こしにくるまでは頑として寝てるだとか、兄貴の言うことには散々文句たれながら結局従うとか、現に煙草は一本でやめたし、何より、ぼけ・とろい・弱いの三拍子揃った兄貴が風邪を引いたっていう口実で何回学校休んだことか。
ただの口実ってだけじゃないだろう。
好きなんだ。ブラコンなんだ。
直接聞くと、「はあ?ぶっ殺すよ。」って言うけど。
絶対そうなんだって。好きなんだよ。
認めろよ。