極東支部内の、とある研究室の一つ。狭い部屋の中に押し込まれた、数々の機材と大量のレポートの数々。室内に反響する、カチャカチャというキーボードを叩く音と、稼動しつづける機器の低い唸り。
 それだけならば普段通りだが、今日はそれに、スピーカーから漏れ聞こえる複数の男の獣声と女の嬌声が混ざり、異様な雰囲気を醸している。普段は冷静に記録を録り続ける研究員の男女も、視線を彷徨わせたり顔を紅潮させたり、どこか集中力を逸しているように見える。
 そんな状況においても、何事もないかのように佇む二人の男。
「少佐……私を異常だと思うかね?」
 椅子に腰掛け、PCのモニターから視線を外さぬまま、背後に立つ男に語りかける初老の男。頭髪は残さず剃り落とされ、室内の明かりを鈍く反射している。研究にのめり込むその姿勢を表すように、必要最低限の肉しかついていない、吹けば倒れそうなその体。が、 その鋭い眼光は、わずかな情報の変化をも逃さぬようにモニターから片時も離れない。
「いえ……」
 初老の男……アヤの父親であり今回の研究の発案者でもあるケンゾウ・コバヤシ博士の問いに、背後に立っていたイングラムは言葉少なに答える。
「アヤは、ただの実験体ではない。確かに現状で弾き出される数値は芳しくはないが、その奥には、何かもっと大きなモノを秘めていると思うのだよ。……親バカだと笑われるかもしれんがね」
「まさか。博士がそういった感情で動く方ではないのは良く存じ上げていますよ」
 真に親バカであるならば、己の娘を淫獄に引きずり込むような実験を提案するはずがない。二人はモニターから視線を外さぬまま、声を出さずに口端を歪めて笑いあった。
「少佐。君の目には、アヤはどう映っているのかな」
「……いずれにしろ、今のままでは役に立ちません。博士のいう可能性というものを、信じてみることにしますよ。私が欲しいのは過程ではない。結果です」
「うむ、そうだな」
 短い会話を終えても、二人の冷徹な視線はモニターに注がれたまま。その中には、様々な数値の羅列やグラフと共に、男達の獣欲に晒されるアヤの姿が映っていた……。



 シュッシュッと衣が肉に擦れる音が響く。そしてそれに混ざる、クチュクチュ という粘液音。ハアハアという獣の荒い息遣いと、悩ましげな牝の熱っぽい吐息 。
 十人の男達の中心で、ギラギラと欲望にまみれた視線に晒されながら、アヤは 両の手でそそり立つ肉棒をシゴキ立てていた。
 髪にも顔にも軍服にも男達の残滓をべったりと張りつけたままだが、気にする 素振りを全く見せず、手の中で暴れる肉棒を陶然と見つめている。肉棒がピクピ クとわずかに反応を示せば、それに合わせて指先がより多くの快楽を導こうと探 るように蠢いた。
「ふへへ、良い眺めだぜ。いつもは俺達整備兵を顎でこき使ってるパイロット様 が、跪いて手コキご奉仕してくれるなんざよ」
「どうだい、お偉い大尉様。下っ端のチンポの感触はよ」
 ニヤついた笑みを浮かべ、本来は触れることすら許されないはずの上官である 美女を見下ろす男達。
「手袋越しなのに、すごく熱いの……この、固くて太いのから、また濃くて臭い のが沢山出ると思うと……んふあぁ……」
 背筋を駆け上がるゾクゾクする感覚に、思わず背筋を震わすアヤ。それは、再 び白濁に染め抜かれる数瞬後の自分の姿に、倒錯した歓喜を見出した牝の感覚だ った。
「ウヒヒ、素っ裸のアンタも早く拝みてえ所だが、それはアンタが俺らの肉奴隷 になってからでも遅くねえ。まずは軍服姿のアンタをグチャグチャに汚してやる のが先だ」
「ああ、まだまだ汚し足りねえぜ。二度とお高く止まった澄まし顔ができねえよ うに、このエロい軍服を徹底的に汚し尽くしてやる。オラッ、もっと手首を効か せてシゴくんだよっ」
「は、はいっ」
 男のドスの効いた声に、アヤは言われるがままにリズミカルに手首を操り、肉 棒から快楽を引き出してゆく。
「ヒヒッ、そうだ、いいぜ、アンタを最高の手コキ奴隷にしてやるからな。この 青い手袋を填めただけで、チンポの感触を思いだしてマンコを濡らす女に仕立て てやる」
「ヒャヒャッ、手コキ奴隷か。そいつはいいな。操縦桿を握っただけでマンコグ チョ濡れになっちまったりしてな」
「しまいには操縦桿をマンコにくわえて機体を動かしたりよ。ギャハハハハッ」
 男達の突拍子もない馬鹿話。普段なら笑い飛ばすどころか余りの低俗さに顔を しかめそうなそんな与太話も、緩みきったアヤの脳はその姿を像を結んでしまう 。コクピットの中で、操縦桿を秘裂にくわえて白痴のような顔で腰を振り立てる 己の姿。ブリッジから投げかけられるであろう、怒声と蔑み。あらぬ妄想に、ア ヤの顔も股の締まりもいっそう緩んでいた。
「くおっ、そろそろ出そうだっ。どこだ、どこにブッかけてほしい?」
 アヤの右手に一物を握られていた男が、抑えが効かなくなったのか感極まった声で尋ねる。
「ああっ、顔、顔にかけてぇっ! 私の顔をあなたのくさぁいチンポ汁で汚してぇっ!」
「おらっ、お望みどおりブッかけてやるっ! 舌ぁ突き出せ、メス豚がっ!」
 男の怒声に反応し、アヤは大きく口を開き、口外に舌を突き出す。はちきれんばかりの怒張から、赤い肉めがけて白い濁液が勢い良く迸った。
「んぷるあぁぁ〜〜〜っ……」
 舌に、そして喉に熱い粘液を浴びせかけられ、アヤの鼻から悩ましい吐息が漏れ出る。休む間もなく、今度は左手の中のモノがビクビクと反応した。
「ヒヒッ、今度は俺の番だ。俺はその鼻にかけてやる。生意気そうにツンと尖りやがって。オスの臭いをたっぷり染み込ませて、男に近寄られただけで小鼻をヒクヒク広げて発情するメスにしてやるぜ」
 己の肉棒をアヤの左手ごと両手で握り、眼前10センチにまで近づける。アヤの視線は、目の前でクパクパと息づく尿道口に釘付けになる。右手に握らされていた一物がすでに別の男のモノへと入れ替わっていることにも気づけないほど、意識は今にも爆発しそうなその一物へと集中していた。
「かけ、かけるのぉ?……わたひの鼻、くしゃいのでドロドロにされちゃうのぉ?……」
精液をべったりとまとわりつかせた舌をいまだ口外に晒したまま、アヤはうっとりと男、というより肉棒に向かって問いかける。
「そりゃっ、鼻穴いっぱいにザーメン詰めて、精液で溺れ死にさせてやるっ!」
 アヤの眼前で、亀頭がブワッと膨らむと、次の瞬間にはポンプのように勢い良く白濁液が噴射された。
「んぁひいぃ〜〜〜っ」
 ドパドパと噴出される白濁が、アヤの形の良い鼻に叩きつけられる、男の言葉通り、その内の何割かは鼻穴に侵入して粘膜を犯し、量としては僅かだが勢いのつきすぎた飛沫に至ってはアヤの目にまで飛び込んだ。
「ふごっ、げへ、かはっ……あぶぅ……くさい、いたいぃ……」
 本来刺激に弱い部位の粘膜を獣欲に汚され、アヤはむせながら痛みを堪える。両手で拭い去ろうにも、すでにアヤの両手はガッチリと肉棒に支配されてしまっていて自由が効かない。
「フヒヒ、ブタ大尉が、良いツラだぜ。そら、もっとザーメンに馴染ませてやるぜぇ」
 一人の男の節くれだった太い指が、アヤの小高い鼻を摘まみ、指を擦り合わせて鼻穴に白濁を染み込ませてゆく。狭くなった鼻腔から溢れた白濁は、一部は無様にアヤの鼻の下に漏れ出、また一部は更に鼻の奥に侵入してアヤを苛んだ。
「いひゃいよぉ……やめてぇ……」
 鼻の奥と目から沸き上がる痛みにポロポロと涙を流すアヤを、男達は無慈悲にもゲラゲラと笑いながら見下ろしていた。
「おいおい、あんまり大尉さんをいじめてやるなよ。ザーメン嫌いになったらどうすんだ。メス大尉さんには心底からザーメン狂いになってもらわなきゃならないんだからよ」
 男の一人が下卑た笑みを浮かべ、ペットにするようにアヤの頭を手でグリグリと撫で付けてから、両手をそれぞれ肉棒から解放してやり、手のひらを上向かせてくっつけ、手で皿を作らせた。
「そうら、これから大好物をたらふく食わせてやるからなぁ」
 いまだ残る痛みに時折顔をしかめながらも、何をされるのかわからず不安げに上目遣いで男達を見つめるアヤ。その鼻先に、二本の肉棒がニュッと突きつけられる。至近距離で湧き上がった雄臭に、さんざん雄汁で嬲られた鼻粘膜がジンと痺れた。
「さて、アンタの大好物をこれからその皿にたっぷり注いでやる。早く欲しけりゃ、とびきりのエロい面で物乞いするんだな」
 二本の肉棒がブルンと揺れ、アヤの鼻面をピタピタと叩く。あれだけ苦痛を与えられた憎むべき臭い雄汁であるのに、いざそれを与えられると誘惑を受ければ、瞳は潤み、喉が渇きを訴える。それに、霞みがかった頭ではすでに目的がなんなのかは薄らいでしまっているものの、なぜだかアヤは射精を急がせなければならないという強迫観念に追われていた。
「んはぁ……チンポ、チンポ汁出してぇ……私の手袋に、ベチョベチョに染み込ませてぇ……」
 自ら意識するまでもなく、アヤの顔はすでに白痴丸出しの発情面になっており、それに加えて背筋まで擽るような甘いメス声を投げかければ、自らのモノをシゴキたてていた男達の昂ぶりもあっという間に頂点を達した。
「オラッ、くれてやるぜメス犬がっ」
「たっぷり味わいやがれっ」
 男達は肉棒をアヤの手のひらに擦り付け、敏感な亀頭を柔らかな布地に刺激させると、そのまま一気に手皿の上に白濁を撒き散らした。
「ぁ……ぁぁ…………」
 青い器の上に、白く濁った半固形の液体がこんもりと盛り上がる。ゼリーのようにフルフルと揺れるそれを、アヤはうっとりと眺めていた。
「おっと、そいつぁまだだぜ」
 知らず知らずに手皿に顔を近づけ舌を突き出していたアヤの手首を、背後から男が掴む。振動でゆらりと波立つ白濁を、アヤは呆然と見つめた。
「へへ、まずはそのエロ乳にたっぷりご馳走してやるか」
 男はアヤの手を取り、左右の乳房にそれぞれ白濁の乗った手を重ねさせた。ねちゃり、と粘着質な音が鳴る。そのままアヤの小さな手のひらに己のゴツイ手を重ね、豊かな乳房を揉みしだく。軍服の上からとはいえ、柔らかな乳房は踊るようにグネグネと形を変える。乳房周りの布地は、他の部分よりいっそう青が濃くなっていく。
「アンタのオッパイ、ザーメンの臭いが染み付いて取れなくなっちまうかもなぁ」
「ひゃひゃ、そしたら娘を産めばいいさ。産まれたときからザーメンミルクで育った娘だ。さぞ男好きのする良いオンナに育つだろうぜ」
「産まれながらの精液便所ってか。この親にしてその子ありってな」
「安心しなよ。そしたら二台並べて使ってやるからよ」
 ギャハハハハッ。
 男達の嘲笑に晒されながらも、アヤはいつしか自ら進んで乳房を揉みたてていた。乳首を刺激するように、そして粘液を塗すように、クリクリと指先で爪弾いている。
「おっと、乳首弄りはそこで終わりだぜ、大尉さん。まだまだ味わい足りないだろうからな」
「アンッ……」
 胸をまさぐっていた両手を引き剥がされ、再び皿を作らされる。男の欲情に晒されるのと自ら快楽を貪るのでは羞恥の度合いが違うのか、一人遊びを見咎められたアヤは頬を赤らめて恥ずかしそうに俯いた。
 が、俯いた先に待っていたのは、また別の肉棒。射精を控え、ビクビクとそそり立っている。再び眼前で見せつけられる手淫に、アヤはまた発情させられていく。そして起こる射精。白濁のたっぷり乗った手のひらを、今度は己の顔に押し付けられる。毛穴一つ一つを塞いでいくように、ゆっくりと塗りたくられる精液。猛烈な精臭が、アヤの脳裏をさらに炙る。
「クヘヘ、こりゃあいよいよ便器って感じだなぁ」
 重力に負けて垂れ下がった白濁のつららを何本もぶら下げながら呆けるアヤを、男達は好奇の視線で見つめる。すでに美しさなどどこかへ忘れてきてしまったような惨状だが、それでも男達の欲望の炎は消えるどころかますます燃え盛る。
 次の射精液は、今度は手袋、ひいてはその下の白魚のような手に塗りこめるように、重ね合わせた左右の手を擦り合わせてねっとりと馴染ませる。目に鮮やかな青はもう見る影もなく、アヤの理性のように暗い紺に指先まで染め抜かれる。
 すっかり汚液に染め抜かれた器に、再び白濁が注がれる。そこでやっと、アヤは口内で味わうことを許された。
「んへぁ……はぶ、クチュルッ……チュチュ、むはぁ……んえぁぁ……」
 精液の池に舌をピチャピチャと泳がせ遊ばせる。口に含んだそれを、舌の裏から歯の奥まで隅々に行き渡され、臭いと味を覚えこませる。器に盛り付けられた液体を全て胃に収めた頃には、吐く息すら精液の臭いの染み付いた、文字通り男の肉欲を解消する為だけに存在する肉便器と化していた。
「くひひ、どうだい、大尉さん。ザーメン好きになったかい?」
「ふぁい……ザーメン、だいすきですぅ……こうしてただ座っているだけなのに、体中いたるところからザーメンの臭いがただよってきてぇ……」
 残滓でヌチャヌチャと糸を引く、手袋を嵌めた己の両手を顔に近づけると、鼻が勝手にヒクヒクと震える。その顔は、まだ緩む余地があったのかと思えるほど、理性ある人間とは思えない壊れた笑顔を浮かべていた。
「ヒヒ……便器だ……便器があるぜ……臭ぇ精液臭がこびりついた、肉便器がよ……」
 男の一人がボソリと呟く。その視線もまた、すでに理性を保ってはいない獣の視線と化している。
「ああ……便器があるって事は、ここは便所だよな……便所ってのは、排泄する場所だよなぁ……」
 狂気は次々に伝染し、男達は次々に獣欲に支配されてゆく。
「へ、へへ……なんか俺、催して来ちゃったぜ……は、早く、出すモン出さねえと……」
 いつの間にか再び硬度を取り戻した一物に、一人の男が手をかける。
「お、俺もだ……漏れちまう前に、便器にブチ撒けてやらなくちゃ……」
 己の一物を握り締めたまま、十人の男達が虚ろな目をして一歩、また一歩と近づいてくる。
「あ、ああ……みんな、もうガマンできないのね……? 使って、この便器を使って排泄して……」
 アヤは染みだらけのミニスカートをたくし上げ、淫液でべっとりと張り付いたパンティを膝まで下ろすと、両手を後ろについて体を支え、露になった剥き出しの股間を見せつけるように腰を前にグイッと突き出した。
「口も顔も手も、お乳もオマンコもお尻の穴も……私の体の全てが、精液を注がれるために存在する便器なの……もっと、もっと注いで……私の全ての穴を、肉を! ザーメン漬けにして! 臭くて白いので全てを染め抜いてええぇぇぇっ!!」
『ウオオオオオォォォォォッッッ!!』
 理性を失った獣の群れが、一匹の淫らにも美しいメスに飛び掛かる。メスの汚れきった、しかしそれでもなお美しさを失わぬその肢体は、あっという間に獣欲に埋め尽くされて見えなくなってしまった。


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