「ングッ……ジュブル……ヂュヂュッ、ジュボズボッ」
 私は一心不乱に、二本の男根(女性についていてもそう言うのかしら?)を口に頬張っていた。私の身体は、あの淫靡な時間を忘れてはいなかったようで、顔に突きつけられた二本の肉棒を見ると途端に甘い疼きを感じ、すがりついてしまった。

 闇の力の一つなのか、ブラックビューティシスターズがしっぽの先のマイクを股間に当てて力を加えると、そこから何やら妖しい光が放たれ、次の瞬間には息を飲むほどに立派な肉棒がそれぞれレオタードとショートパンツを突き破ってそこにそそり立っていた。
 もちろん他の男根なんて見たことはなかったから比べる対象もないんだけれど、噂好きのマーメイド達から聞かされていた一般的なサイズとは全く比べ物にならず、初めて口に咥えさせられた時にはアゴがはずれるかと思ったほどだ。
 あの頃の私はずっと人魚の姿でいたものだから、当然二人の責めは上半身に集中する。中でも口は、その逞しいモノで徹底的に嬲られた。何度も何度も、舐め、咥え、しごきあげ、溺れてしまうかと思うほどの大量の精液をぶちまけられ、飲み込まされたものだった。

 再びかしずいた私に求められたのは、以前と変わらぬ忠誠を示すこと。洞窟内に引き込まれ、二人の欲望の証を見せつけられた私は、言われるまでもなく自分から、突き出された懐かしい肉棒に今までに培ったテクニックを存分に披露した。
「ンフフフ。本当に、アナタのお口は絶品ね。……アンッ……今にも抑えが効かなくなってしまいそう」
「ホント、だよね〜っ、アクッ……やん、もう出ちゃいそうになってる……たまってたのかな」
 二人に褒められ、私はますます奉仕にのめりこんでゆく。
「アアン、そんなふうに、手でシコシコされながら、敏感な先っぽペロペロされるとっ……亀頭、パクパクしちゃうぅっ」
 ミミのかわいい悲鳴を聞いて、私はさらに勢いよく肉棒をシゴきあげる。
「ハァァッ……手袋のスベスベした感触がきもちいいっ、シュリシュリッて、優しく包まれてるみたいで……ダメェッ、そのもどかしさが、たまんないよぉっ」
 手袋をはめての手コキがお気に召したのか、ミミが背筋を反らせて身体をピクピク震わせている。いつも小生意気な少女を自分の手の中で自在に喘がせるのが楽しくて、私はより敏感な部分へ指を滑らせた。
「アヒィィッ……亀頭のウラ、カリ首のトコ、ダメェッ。そんな、親指でクリクリしないでぇっ。手袋の縫い目の部分が当たってぇ……やはぁんっ、刺激、強すぎるよぉっ」
 一気にミミを追い込もうかというところで、シェシェが顔の前で見せつけるようにその長大な肉棒をブルブルと揺すった。
「ダメよココ。私にもしてくれなくては。さあ、また口をあけて」
 ミミへの手コキ責めはゆるめずに、エサを求めるヒナのように、私はパックリと口をあけた。シェシェが口元に肉棒を突き出すと、間を置かず私はパックリとそれを咥えこむ。
 口の中にむわりと広がるこの臭気。最初はすぐにむせて吐き出してしまっていたけれど、今ではとても心地良く感じる。口から鼻腔へ抜けるたまらない匂い。
 唾液がどんどん湧き出て、ただでさえ隙間のない口腔と肉棒の間をジャプジャプに満たす。当然それだけでは収まりきらず、溢れた大部分は唇からこぼれ、胸元に垂れ落ちる。唾液のあとがコスチュームに濃い黄色の染みをつくった。
「まったく、なんてイヤらしい顔をしているの? プリンセスのくせに。発情した牝そのもの、ってかんじよ。そんなにチンポ咥えるのが好きなのかしら」
 シェシェが言葉で私を嬲る。そうやって罵ることが私の背徳感を煽り、より体を燃え上がらせることを彼女は知っている。ンフンフと熱い息を鼻から漏らしながら、情欲にとろけた瞳でシェシェを仰ぎ見る私。その視線が、彼女の嗜虐欲、征服欲を満たすことを、私もまた知っていた。
「とろけきった視線を私に向けて、いったい何を期待しているのかしらね、この発情牝は。言いたいことがあるなら言ってごらんなさい。ただし、おクチは放してはダメよ」
 命じられるまま、口いっぱいに肉棒を頬張りながら不明瞭な声を出す。
「ふぁい。ふぁふぁひふぁ、ひんほ、ふぁいふひへふ。ふぁーへん、ひっふぁいふあひゃい」
「クスッ。とうとう言葉すら忘れてしまったのね、このメス豚め。プリンセスが聞いて呆れるわ。アナタにはプリンセスなんて過ぎた身分ね。
 ……そうね。便器ね。アナタにはそうやってだらしなく口をあけて、吐き出される汁という汁を全てゴキュゴキュ飲み込むザーメン便器がお似合いだわ」
 目もくらむほどの侮蔑の言葉。でも、快楽信号を大きく書き換えられた私の体は、それすらも快楽として受け取ってしまう。身体の奥も頭の奥も、ジンジンと熱く痺れている。
 ふと視線をやると、私に肉棒をシゴかれながらミミが陶酔した表情でシェシェの横顔を見つめていた。吐く息はネットリと熱く、頬を真っ赤に染めている。私に自分を重ね合わせ、投げつけられる侮蔑の言葉に酔いしれているのだろう。
「さあ、まずは一度、流し込んであげる。便器の試運転ね。つまらせたりしないで全て飲み干すのよ。わかった?」
 私は肉棒を咥えたまま、コクコクと首を縦に振る。口元からあふれ出ていた唾液がビュルビュルとはじけ、コスチュームに新たな染みを作った。
「あぁ、シスターシェシェ、アタシもっ。アタシもイキたいよっ」
「ダメよシスターミミ。アナタはまだイッてはダメ。我慢しなさい」
「そんな、ヒドイよシスターシェシェ。すごくイキたいのに、ザーメンビュルビュル吹き出したくてたまらないのにぃっ」
 涙目になり嗚咽交じりの切ない声を上げながらも、ミミは懸命に絶頂をこらえている。亀頭の先からは透明な汁をドクドク垂れ流し、私の手袋をネトネトと汚す。
「フフフ、イイ顔ねシスターミミ。そのままもう少し我慢しているのよ。後でおもいっきりぶちまけさせてあげ、くふぅっ」
 二人のやりとりにあてられたのか、私はいつのまにか口内にねじ込まれた肉棒を強く吸引していた。ズビズビッと卑猥極まりない音が響く。不意をつかれて抑えが効かなくなったのか、シェシェの亀頭がひときわ膨らんだ。
「くああっ、でる、でるわっ、ザーメンでるぅっ! 全部受け取りなさい、ザーメンプリンセスッ、くひゃあぁぁっっ」
 ボビュウッ、ドグッ、ドバッ、ブビュウーー!!
「フギュ、ムゴ、ング、ンム〜〜〜ッ」
 喉を突き破ろうかという勢いで、大量の熱い塊がドクドクと吐き出される。むせながらも、咥えた肉棒は放さずにジュルジュルと吸い上げた。
「ウグ……ング…………ンフ〜、フヒュ〜……ゴキュッ」
 嚥下した白濁の液は、食道を、胃を焼き、体中を燃え上がらせる。口の中にあふれる濃縮された精液の味に、頭がクラクラした。それでも放出された精液の半分も飲み込めなかっただろうか、大半は口からこぼれ、張り出した胸元にドバドバと垂れ落ちてコスチュームをさらに濃い色に変色させた。
「アヒ〜〜〜ッ、ハヒ〜〜〜ッ」
 激しい放出にシェシェの視界は宙をさまよい、口からは空気の漏れる音が不明瞭な言葉と共に吐き出される。
「アッ、ンアァァッ!」
 感極まった声を上げ、シェシェが身体をガクガク震わせると、それだけでも常人の射精一回分はありそうなほどの精液が、最後にドブッと吐き出された。
「んぶっ! ……ゲフッ、ケフヘフッ」
 すでに一度に飲み込める許容量を超えていた私は、最後の放出に耐えられずに肉棒を咥えたまま咳き込んだ。一部の精液は鼻にも流れ込み、鼻の奥をツンと刺激する。鼻腔一杯に広がる強烈な精臭。
 全てを吐き出し終えて満足したのか、巨大な肉棒は私の口内粘膜を亀頭のエラでゾリゾリ削りながらゆっくり抜け出てゆく。飲み込むことも吐き出すこともできずに口内にたまっていた精液も、一緒に掻き出されて唇からブチャブチャとあふれ出た。
「ハァ……ハァ……しょうがない娘ね……こんなに吐き出して」
 シェシェがブルンと肉棒を揺すると、唇と肉棒の間にかかっていたアーチがプツリと切れ、肉棒に付着していた精液と私の唾液がピピッと飛び散り、私の顔に降りかかった。
「……私は全て飲み込みなさいって言ったわよね。口の周りも胸元もベチャベチャになるほど大量に吐き出すなんて、いったいどういうつもり? 私のザーメンは、高貴なプリンセス様のお口には合わないってことなのかしら」
「ご、ごめんなさいっ。あまりにも量が多くて……」
「言い訳はいいわ。壊れた便器に用はないの」
 先程までの激しい射精の余韻を微塵も感じさせない冷たい表情で私を見据えるシェシェ。私は心臓をわしづかみにされたような心地がした。
(せっかく、せっかくまた会えたのに、捨てられるなんて絶対イヤッ!)
 恐怖に駆られた私の唇は次の瞬間、自分でも思いもよらない言葉を紡いでいた。
「く、くちだけじゃないの……」
「…………どういう事かしら?」
「私はっ、口だけじゃなくて、顔も、胸も、体全てがザーメンを受け止める便器だからっ。飲み込めなかった分は、いっぱい体に浴びせて処理してくださいっ」
 咄嗟に思いついた言い訳は、さらに自らを貶める言葉。そしてそれは、自らの被虐欲をさらに炙っていった。


前のページへ戻る 次のページへ戻る 小説TOPへ戻る  TOPへ戻る