ジュルル、ベチャ、ネロ、ピチャピチャ、ネチョ、ジュビュルルルッ……。
 貪るように激しく、祐巳は窄まりに吸いついていた。肛門にベチョリと舌を押し当て、全面を使ってベロリベロリと舐め上げる。
「あひぃっ、ひっ、いやぁんっ」
 お姉さまが甘い悲鳴を漏らしているが、お構いなし。尻穴周辺を唾液でベチョベチョにすると、大きく口を開けてかぶりつき、自らの唾液ごとおもいきり吸い上げる。ブチュルルルッとはしたない音が響く。
 つい夢中になってねぶりまわしていたけれど、お姉さまの堤防はまだ強固なようだ。ただ、確実にヒビが入り始めているのはわかる。もっと強い衝撃を加えれば、必ず決壊するはず。すっかりこの雰囲気に酔ってしまっている祐巳は、イケイケGOGO由乃さん状態。お姉さまを追いつめる為に、どんな事だってしちゃえるのだ。
 お尻にかぶりついたまま、窄まりにグリグリと舌を押しつける。散々ねぶりまわされて柔らかく綻び始めたソコは、舌の進攻にじわじわと門をこじ開けられていく。
「だ、ダメよ、祐巳っ……ひっ、そ、そんなところに舌を入れては、アッ、ダメェッ」
 お姉さまのカン高い悲鳴が心地良く感じる。お姉さまをいぢめるのが楽しく思えるだなんて、そんな一面が自分にもあったのかと、ちょっとビックリ。
「ん〜〜っ」
 祐巳の舌はドリルのようにお姉さまのお尻に穴を穿ち、舌が半分ほど体内に潜り込んだ。舌先を上下に動かして肛内の壁面をなぞりあげる。敏感な粘膜への刺激に、お姉さまは体を何度もビクビクと震わせる。上半身を支えきれなくなったのか、膝に置かれていたお姉さまの手はずり下がっていつの間にか足首を掴んでいた。
 体を二つに折り曲げて尻をねぶられている美少女の姿は、何とも言えない背徳的ないやらしさを醸し出していたが、残念ながら祐巳の意識は目の前の窄まりに集中していたため、客観的に全身を眺める余裕はないのだった。
「あっ……はあぅっ!?」
 お姉さまの体に、一際大きな震えが走る。同時に、祐巳の舌先に何かが触れた。生温かい何か。それは……。
 思わず祐巳は舌先を引っこめて、すでに唾液でまみれてヌチョヌチョになっている朱色に染まった窄まりを見つめた。
 堤防の決壊はもう間もなくだろう。あとは自分が最後の一押しをするだけ。そしてその先に来るものは。
 しばしぼうっと物思いにふけっていると、視線を感じた。お姉さまが首をめぐらせ、不安げな瞳で祐巳の顔を見つめている。
(……そうよ。お姉さまの全てを受け入れるって、決めたんだもの。もう、迷わない)
 祐巳は意を決すと、お姉さまの肛門に口をつけ、おもいきり吸い上げた。
 ブジューーーーーッ、ジュルルルル〜ッ。
「ひっ、はおォォォォ〜ッ」
 獣のような雄叫びを上げると、体がバラバラに砕けるのではないかというほど大きく体を震わせるお姉さま。次の瞬間、朱肉の門を押し広げて茶褐色の奔流がすさまじい勢いで噴き出した。
 ドバッ、ビチュッ、ドバブシャアッ!
「あぶ、うぶ〜〜〜〜っ」
「ほひ、ふぎひぃーーーーーっ!」
 濁流は祐巳の顔を飲み込み、むき出しの胸や尻に容赦なく叩きつけられる。視界は塞がれ、半開きの唇にも大量に押し入ってきた。
「あへ、あへぇ〜〜〜……」
 ブビュッブリュッという耳を塞ぎたくなるような卑猥な音と、気でもふれてしまったかのようなお姉さまのだらしない声が耳に入るが、意識までも濁流に流されてしまった祐巳には、どこか遠くの物音のように感じられた。

「あふっ、うぎぃっ、ほひいぃ〜〜〜んっっっ!」
 断末魔のような絶叫をほとばしらせ、ビクンビクンと体が痙攣すると、ビュバッ、ブビュルバッ、と破裂音を響かせながら体内に溜めこまれていた全てがひり出された。
 排泄物だけでなく、内臓から何から体内にあるもの全てが流れ出てしまったようで、全身の力が抜けきってしまい、体勢を維持する事が出来ず祥子はドサリと倒れこんでしまった。
 うつ伏せになり、顔と尻を床について尻だけを掲げた格好は、まるで尺取虫のようだ。
「……あひ〜〜〜っ……はひ〜〜〜〜っ……」
 便と一緒に脳みそも流れていってしまったかのようで、何も考える事が出来ない。荒い息を吐きながら、力の入らない体をただビクンビクンと痙攣させるだけ。肛門括約筋も、まるで役目は終わったとばかりに手綱を締めるのを忘れ、ポッカリ開いた肛穴からは薄桃色をした腸の粘膜がヌラヌラと濡れ光っているのが丸見えになっていた。
 肛門括約筋が自らの役割を思い出し肛穴をゆっくり閉じ始めた頃、ようやく祥子の脳みそも活動を再会した。まだ体はうまく動かないが、意識はしっかりしだす。
「…………そうだわ。祐巳は……」
 なんとか両手で体を起こし、後ろを振り向くと、そこには。
人、らしきものが、正座をしたままじっとしていた。
 顔であるはずの場所には茶色い物体が暑い層を作っており、表情はおろか輪郭さえわからない。双乳の上にも茶色がこんもりと盛り上がり、両腿の間のデルタも茶色でびっしりとうめつくされている。
「……ゆ……み……?」
 そこにいるのは、たしかに祐巳のはず。だが、祥子は確かめずにはいられなかった。オブジェのように固まったその人の形をしたものは、ピクリとも動かず。吐息さえ……聞こえない。
「祐巳っ!!」
 もう二度と動かないのではないか。そう思い、知らず迸った祥子の叫びに、最愛の妹はビクリと反応を示した。
「あ……ああ……」
 安堵のため息を漏らす祥子の前で、祐巳の喉がピクッと動く。
 グビッ、ゴキュリッ。
 口から溢れんばかりに注がれた大量の排泄物を、ゆっくりと胃の中へ流し込んでゆく祐巳。口内のものがようやく収めきれるか、というところで、
「うぶっ」
 一瞬むせて咳込んだかと思うと、
「グゲ、グブエェ〜〜! オゲェ、ウグェ〜、オボゥェ〜〜」
 胃液と共に、大量の茶色の物体が胃から逆流し始めた。
「ゆ、祐巳ぃっ」
 口から吐瀉物を撒き散らしながら床をのたうちまわる祐巳を、祥子は慌てて抱き締めた。
 顔面を覆う茶色いパックを手でこそげ取り床へ打ち捨てると、視界と呼吸穴を覆うそれに口で吸いつき、横に吐き捨てる。自分の排泄物だとか、汚いとか、そんな事を考えている余裕はなかった。ただ、早く祐巳を救い出さなければならない。それだけを考え、体が勝手に動いていた。
 一通り祐巳を覆うものを取り除くと、その体を抱き締め、背中をさすってやる。
 自分のワガママで祐巳を死にそうな目に合わせてしまった。そう思うと怖くてたまらなくて。えづき続ける祐巳を固く抱きしめ、血の気の引いた真っ青な顔で見つめる事しかできなかった。
ゲホッ、ゲヘガホッ……グエッ、ウエェッ」
 ひとしきり吐き続け、胃の中の物を全て吐き出した祐巳は、何度も咳込み、ようやく落ち着いたようだった。だが、冗談ではなく窒息しかけたのだろう。真っ青な顔をし、目尻からはとめどなく涙が溢れている。
「ああっ、祐巳……」
 恐怖と後悔でバラバラになりそうな心を静めるために、祥子は祐巳の頭を胸にかき抱いた。いつのまにか、自らの双眸からも次から次へと涙が溢れ出している。
「……ごめんなさい、お姉さま……」
 かすれて消えてしまいそうなほど小さな声で、祐巳が呟いた。驚いて、弾かれたように頭を上げて祐巳の顔を覗きこむと、祐巳は力弱いながらも祥子に微笑んで見せた。
「わたし、全て受け入れられるって、思ったのに……苦しくて……」
「バカッ! いいの……もういいのよ……」
 こんな目に合わされたのに、この子は、自分が喜んでくれるかどうか、それしか考えていなかったなんて。
「わたしも……お姉さまへの想いの深さ……お見せできると思ったのに……」
 悲し気に微笑を見せる妹の頭を、さっきより固くかき抱く。今は、何よりも、祐巳を安心させてあげるべきだと思ったから。
「とても、嬉しかったわ……祐巳の想い、確かに受け取ったから……」
 その言葉を聞き、祐巳は本当に嬉しそうな微笑みを浮かべ。微笑んだまま、すぅっとその体から力が抜けていった。
「ゆっ! …………」
 祐巳が気絶している事を確かめると、そっとその顔を覗きこむ。安らかな笑顔を浮かべて寝息を立てだした祐巳に心底安堵し、そして、祐巳の唇にそっと己の唇を重ねた。
 糞便や汚物にまみれていても、それは、祥子にとって、とても神聖な口づけだった。


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