ピシーッ!
「んぎいいいっ!」
バシーーッ!
「ひぐうううっ!」
薄暗い部屋の中、鞭が柔肌を切り裂く鋭い音と女の悲鳴が響き渡る。
「ま、真美っ、もう許してぇっ!」
体中を走る激痛にボロボロと涙を零しながら、築山三奈子は一つ年下の少女に懇願した。
「ダメです。それでなくてもお姉さまは自制が利かないんですから、この痛みをちゃんと体に刻み込んでおかないと」
三奈子の『妹』、山口真美はどこか楽しそうな表情すら浮かべながらなおも鞭を振るう。
「そ、そんな、はぐぅっ、ぎひいぃーっ!」
再び襲い掛かる激痛に三奈子の体が跳ね、目尻に溜まった滴が弾けてキラキラと宙を舞った。
「うわ……過激だねえ」
その凄惨な光景に、思わず聖がボソリと呟く。三奈子の躾を真美に任せた前三薔薇は、壁に寄りかかりながら成り行きを眺めていた。
「ねえ、あのままやらせておいて大丈夫?」
真美の容赦ない鞭捌きを目の当たりにして少し不安に駆られたのか、江利子がボソボソと蓉子に尋ねる。
「大丈夫よ。真美ちゃんも三奈子さんのことを憎んでいるわけじゃないんだから。加減は自分で承知しているでしょう」
「だといいんだけど」
喜々として三奈子に鞭を振るい続ける真美を見ていると、江利子にはそうは思えないのであった。
「ねえお姉さま。イヤイヤ言っていらっしゃるけれど、やっぱり本当は気持ち良いのでしょう」
鞭打つ手を休め、その柄に舌を伸ばしてベロリと舐め上げながら真美が問う。
「そ、そんなこと……」
「あら、だってさっき宣言していらしたじゃないですか。『変態メス豚マゾ奴隷』だって。私はともかく、まさか薔薇様方にまでウソを吐かれた、なんてことはありませんよね」
「そ、それは……その……」
真美の意地悪い物言いに、三奈子は言葉を濁す。
「それに、体はホラ、こんなに正直」
「アンッ」
真美が指先で三奈子の乳首をピンと弾くと、反射的にかわいらしい悲鳴が漏れた。
「ねえお姉さま。気づいていらっしゃいます? さっきから私、お姉さまの体を鞭打っているだけなんですよ。普通の女の子なら、あまりの痛みに失神してもおかしくないかもしれないほど。でもお姉さまは、口では嫌がっていらっしゃるけれど、乳首はこんなにピンピンで、内股もほら、こんなにヌルヌル……」
真美の手が、自由にならない三奈子の脚の間に滑り込む。ゆっくりと撫で上げただけで、その指先に透明な粘液がネットリと絡み付いていた。
「うふふ……」
真美は三奈子に見せ付けるように指先をゆっくりと自分の口元に運び、付着した粘液をチュルチュルとねぶりとる。
「あ……」
三奈子の視線は思わずその淫靡な仕草に釘付けになった。
「ふあ……イヤらしいお姉さまの味と、ラバーの刺激的な臭いが口の中に広がっていくわ……」
真美はその一口ですっかり酔わされたか、熱っぽい吐息を漏らした。
「鞭打ちだけでこんなにイヤらしくオマンコを濡らすなんて、本当にお姉さまは困ったメス豚ですね」
すっかり三奈子の愛液をねぶりつくし、逆に自らの唾液にまみれてしまった指先で、真美は三奈子の鼻の稜線をツツツとなぞる。
「こんな困ったメス豚には、ちょっとやそっとの躾ではダメ。常に傍で導いてあげることのできるご主人様が必要。そうは思いません? お姉さま」
鼻筋を通り抜けた真美の指先は、プリプリと弾力のある三奈子の唇の上をなぞってゆく。真美の唾液により濡れた三奈子の唇が、蝋燭の灯りを受けオレンジ色にテカる。
「ご主人さまって……まさか……」
真美の言葉に困惑する三奈子。
「だって、私はあなたの姉なのよ。それなのに、そんな、妹のことをご主人さまと呼べなんて」
「そのお姉さまがしっかりして下さらないからこんなことになっているんじゃないですか」
「う……それはそうかもしれないけれど……」
たしかに真美はしっかりしている出来た妹だが、三奈子にも姉としてのプライドというものがある。妹に奴隷になれと言われて、はいそうですかと頷けるわけもなかった。
「まあ、私が主人となる事が不満だと言われるのでしたら仕方ありません」
真美が壁の方を見やる。追いかけるように動いた三奈子の視線の先には、満面の笑みを浮かべた聖と江利子がいた。
「じゃあ私が探しておくとしますか。女の子を虐めるのが三度の飯より大好きなサディストがいいかな」
「スカトロ趣味の変態の金持ちに飼われるのもいいかも」
「まままま待ってくださいっ!」
代替案があまりにあまりなので、三奈子は慌てて大声で話題を打ち切った。相変わらずの二人に、蓉子がその隣で肩をすくめる。
「ま、真美でいいわ。いいから」
「あら。私で妥協しなくても、お姉さまならステキなご主人様が見つかると思いますよ。ねえ、聖さ」
「ち、ちがうっ! 真美がいい、真美がいいのよっ!」
三奈子の必死の訴えに、真美はニコリと笑って振り返る。
「そうですか。お姉さまにそこまで言っていただけるなんて、私嬉しいです」
真美は笑顔を浮かべながら、三奈子の顎に指をかけた。
「でも、お姉さま。これからご主人様になっていただく人に、その言い方はないんじゃないですか」
顎にかかった指により三奈子の顔がわずかに起こされる。真美はまっすぐ、三奈子の瞳を覗き込んでいた。
「あ…………」
視線が絡み合った瞬間、真美が何を求めているのか、三奈子には伝わってきた。けれど、それに応えることは、今までの姉妹としての二人の関係を完全に失ってしまう事になる気がして、三奈子は押し黙ってしまう。
「お姉さま」
真美は視線を外さずに、まっすぐ三奈子を見つめている。彼女はすでにその覚悟はできているようだった。
三奈子は自分の心を確認するように、静かに目を閉じる。すでに、答えは決まっていた。
「ご主人さま……」
閉じた瞳をゆっくりと開き、三奈子が真美を見つめ返す。
「どうか、私を、立派な奴隷になれるよう、躾けて下さい」
その言葉に真美は一瞬、パッと花開いたような幸せそうな笑顔を浮かべる。が、次の瞬間には、自分が主となったことを自覚したのか笑顔を押し込め努めて冷静な顔を作った。
「わかりました。お姉さまのお願いですもの。私が主として、責任を持ってお姉さまを立派なメス奴隷に調教いたします」
真美は、三奈子の前にスッと手の甲を差し出す。求められているのは、誓いのキス。全てを分かった上で、三奈子は何も尋ねずに、その手に口付けをした。
「ではお姉さま。主として命じます。『変態メス豚マゾ奴隷』にふさわしい言葉で、奴隷としての誓いをやり直しなさい」
真美はあくまで三奈子を『お姉さま』のまま奴隷に堕とすつもりのようだ。主の初めての命に、三奈子はわずかに思案した後、改めて誓いを紡ぎ直す。
「ご主人様。さもしいメス豚の三奈子を、鞭だけでイク事のできる立派なマゾ奴隷に躾けてください」
真美はニコリと笑みを浮かべる。次の瞬間、閃光が空間を切り裂いた。
ビシイィィィッ!
「ひぎゃあああっ!」
三奈子の口から、獣のような咆哮が漏れる。
「まったく、お姉さまは本当に困ったメス豚だわ。こうして鞭打たれるのがわかっていて、わざと中途半端な誓いをするんだもの」
真美は三奈子の柔肌に鞭の柄を押し付け、肉を巻き込むようにグリグリと回す。被虐の対象となった三奈子は、苦痛の呻きを上げながらも瞳をわずかに潤ませていた。
「さあ、もう一度。今度はどんな浅ましい誓いを聞かせてくださるんです?」
鞭の柄を三奈子の体から放し、しならせながら真美が再び促す。
「ご主人様、ケツ穴でアクメを迎えるさもしいメス豚の三奈子を、鞭打ちでイキまくる変態マゾ奴隷に教育してくださはぎいぃぃっ!」
三奈子が言い終わるより早く、鞭がその体を打ちすえる。
「ウフフッ、その程度で私が満足するなんて思っていないでしょう、お姉さま。ほらっ、もっと良い声を聞かせてくださいっ」
「んひいいいっ! ケツあなジュポジュポほじりまくられて、ブヒブヒ豚アクメする人間以下のクソ豚三奈子を、おぐうううっ! 体をズタズタにされてもマン汁ドパドパ溢れさせる、ド変態の気狂い肉穴奴隷にいぐうぅぅぅっっ!」
真美は高らかに笑いながら鞭を舞い躍らせ、三奈子は壊れたオルゴールのように淫猥なメロディを零し続ける。蓉子の責めとは違い、与えられるのは極限の被虐と羞恥のみ。それでも三奈子は、主である『妹』の望むがままに、肉奴への階段を一歩ずつ上ってゆくのだった。
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