「はむ……ペチョ……チュル……んむ……」
 三奈子の舌が、淫らなメロディを静かに奏でる。真美は豪華な装飾の施された椅子に悠然と腰掛け、三奈子の奉仕する様を目を細めて眺めていた。三薔薇は、何か支度があると言って部屋を出ていってしまった。今この調教部屋にいるのは、三奈子と真美の二人きり。
 真美の鞭と自ら紡いだ淫猥な言葉、それだけで三奈子ははしたなく汁を吹き零しながら何度も昇りつめた。そのメス奴隷としての姿は真美を十二分に満足させるもので、今はその褒美として三奈子に奉仕を許している所である。
 しかし、今この場にいる二人以外には、それが褒美だとは思えないことだろう。三奈子が口に含み舌を転がしてウットリと舐めしゃぶっているのは、真美の足先なのだから。
「……あむ……真美の……ごしゅじんさまの、あし……はむぅ……」
 三奈子は正座し、両手でラバーに包まれた真美の足を捧げ持ち、舌を這わせている。両手両足にはガッチリと手錠がかけられ、逃げ出すことは容易ではない。もっとも、今さら逃げようなどという意思は三奈子にはこれっぽっちもなかったが。今はただ、こうして主人に奉仕できる事が嬉しい。
「フフ……」
 真美は薄く笑うと、三奈子に奉仕させていた足をわずかに持ち上げ、足裏で三奈子の顔をムギュッと踏みつけた。
「むぐ……はぁ……」
 三奈子の顔全体を嬲る様に、足の裏をゆったりと回す。そんな屈辱的な行為にも三奈子は嫌な顔一つ見せず、むしろ陶酔した表情すら浮かべてされるがままになっている。
「どうです、お姉さま。その小生意気な顔を私に無様に踏みつけられるのは。たまらなく屈辱的でしょう」
 真美は三奈子の少々キツイ顔立ちが好きであったが、あえて三奈子を煽る為に小生意気と評し、土踏まずで三奈子のツンと尖った鼻をグニグニとこね回す。
「そんなこと……私、嬉しいわ……ラバーと真美の足の匂いが、顔中に塗りこめられていく気がして……たまらない……」
 三奈子は言葉通り、スンスンと鼻を鳴らしてその官能的な匂いを堪能する。三奈子の口調は奴隷としては似つかわしくないものだが、真美はあえて責めはしない。それは真美がいまだ三奈子に対し敬語で接する事と同義である。三奈子に奴隷としての誓いをさせる時以外は強要はしない。主と奴隷、立場が変わっても、『姉妹』である事を二人共が望んでいるのだ。
「はああ……もっと……もっと味わいたいの……ご主人様……」
 真美に顔を踏みつけられながら、三奈子はうっとりと呟く。両手はスルスルと股間に差し込まれ、己の肉ヒダと肉真珠を知らぬ間にこねまわしていた。
「いいわ。これはご褒美ですもの。主の足を思う存分味わいなさい」
 主人の許しを得て、三奈子は喜びを顔に浮かべて舌を突き出す。土踏まずを中心に、ベロリベロリとゆっくりした動作で舌全体を押し付けるように舐め上げていく。
 真美はくすぐったさを覚え身をよじったが、姉を跪かせその顔を足蹴にしているという状況では、それすらも優越感と混ざり合い真美に快楽としてもたらされる。三奈子の足裏奉仕に頬の筋肉を緩ませながら、体をピクピク震わせて真美はその愉悦を堪能した。
「フ、フフフ、お姉さまは本当に奉仕が上手ですね。ただのマゾ豚なら恥ずかしくて人前に出せないところだけれど、これだけ上手な奉仕ができるのなら私も主人として鼻が高いわ」
「ピチョッ……ありがとう……ございます……チュッ……」
「そうだわ……んんっ……これだけの奉仕を見せてくれるなら、もっとご褒美をあげなくては。私の体の好きなところに、奉仕していいですよ」
 三奈子の足しゃぶりに性感を刺激されたまらなくなった真美は、あくまで主人としての体面を保ちながら、さらなる奉仕を要求する。
「好きなところ……」
 真美にさらなる奉仕の許しを受けた三奈子は、それでもいきなり秘所にむしゃぶりつくような真似はせず、まずは足からじっくりと奉仕の幅を広げる。ゆっくりとした動きで舌はふくらはぎ、太股へと這い登ってゆく。その間、くるぶしやふくらはぎ、腿の裏に痕がつくほど何度もきつく吸い付くことも忘れない。
「……くっ……んん……」
 許しを与えたことでもっと敏感な部位への奉仕を期待していた真美は、三奈子のじらすような奉仕にもどかしさを覚えながらも、やはり主としての体面もありただされるままに奉仕を受け入れる。
「んっ……あ……」
 腿の付け根まで三奈子の唇が到達し、ようやく秘所への奉仕が始まるかと内心期待した真美だが、そんな彼女をあざ笑うかのように三奈子の唇は真美の腰骨へ向かって這わされる。これではどちらが責めているのかわからない。
「お姉さま……遠慮しなくていいんですよ。もっと奉仕したいところ、あるでしょう」
「ええ……でも、私は真美の全身に奉仕したいの……チュッ……体中余す所なく舐め尽くしたいの……はむっ……だから、一番美味しい所は、まだとっておくわ」
 真美の催促にも、三奈子はマイペースを崩さない。この調子で全身に奉仕を続けられて、快楽にとろけきった自分に主としての姿勢が保てるのだろうか。むず痒い様な快楽に全身を火照らせる真美がそんな事を考えている間も三奈子の唇は休むことはなく、腰骨から脇腹を通り過ぎ、腋へと到達していた。
「んん……真美の腋……このラバースーツの下に、しっとりと汗をかいているのね……」
 三奈子は真美の腋に鼻を擦りつける様にしながら匂いを嗅ぐ。ラバーの匂いに混ざり、仄かに立ち昇ってくる甘酸っぱい体臭に鼻をヒクヒクさせながら、潤いを増した自分の股間をクチュクチュと弄り続ける。
「お姉さま、私の腋が気に入ったんですか」 「ええ。ラバー越しもいいけれど、今度は直接味わいたいわ。汗がたっぷりたまった真美の腋を、ベロベロ舐めて私の唾液塗れにして……混じり合ったエッチな匂いを嗅ぎながら、オマンコいじり回したいの」
「まあ。本当にド変態ですね、お姉さまは。妹の汗の匂いに欲情するなんて」
「そうよ。私はド変態なの。ご主人さまの濃厚なフェロモンが、私を淫らに狂わせるの」
 うっとりと呟きながら、ラバーの上からベロベロ舌を這わせてスーツの下に溜まる汗を吸いだそうとする三奈子。真美は頭の後ろで腕を組み無防備に腋を晒しながら、くすぐったさ混じりの快楽を味わう。
 真美の腋をこってりと舐めしゃぶると、三奈子の唇は再び移動を開始する。柔らかな二の腕をラバーの下にキスマークをつけながら南下し、手のひらや甲に舌を這わせてから、指先を一本一本咥え始めた。
「んはっ……ムチュッ、ジュルッ……チュブブ、ズチュッ……はむ、あむ……」
 真美の手首を捧げ持ち、指を一本ずつしゃぶる三奈子の姿はフェラチオ奴隷そのもの。
「お姉さまったら、そんなにいやらしくジュポジュポ私の指をしゃぶって……男の人のオチンチンにも、そんな風にご奉仕するのかしら」
 真美の言葉に自らの卑しい奉仕姿を想像し、頬を染める三奈子。
「お姉さまの淫らなおしゃぶりを見ていたら、私にオチンチンがついていないのが残念でたまらなくなってしまいました。もし私にオチンチンがついていたら……」
 真美は左手で三奈子の顎を掴み口を開かせると、右手の人差し指・中指・薬指をくっつけて擬似男根を形作り、三奈子の口の中にねじこんだ。
「ぎゅむっ……へふぅ……」
「大きく勃起したオチンチンを、こうして無理やりお口の中にねじこんで……柔らかなお口の粘膜にゾリゾリ擦り付けて……」
 言葉の通り、擬似男根は三奈子の口内を激しく陵辱する。閉じることを禁じられた口からは、はしたなく唾液がポタポタと零れ落ちる。
「ふぐ……あご……ジュジュッ……んむう……」
「喉の奥や舌をこってりと犯しぬいて、匂いが取れなくなる位たっぷりとお口の中に精液を吐き出してさしあげるのに……」
 真美は三奈子の顔を上向かせると三本の指で三奈子の舌を口外に引っ張り出し、精液の代わりに唾液をトロトロと三奈子の舌に垂らした。混ざり合った三奈子と真美の唾液はすぐに口中の容量を超えて溢れ出し、唇をテカテカと濡れ光らせる。
「ああっ、なんてイヤらしい口マンコをお持ちなの、メス豚お姉さまっ。私、もう堪らないっ」
 真美は三奈子の顔を両手でガッチリと掴み、覆いかぶさり強引なキスをする。
「はむっ、ジュッ、ジュルルッ、んぐ、ピチョッ、ネロネロ、チュブブブッ!」
「ふぐっ、むっ、ふはっ、ジュズズッ、あぶ、むぐうっ」
 三奈子の口マンコに舌をねじこみ、唾液でタプタプの口内を泳がせながらベロベロと粘膜を舐め尽くす。口内を味わい尽くすと舌を絡めて三奈子の舌を自らの口内に引きずり込み、歯で三奈子の舌の根を噛み拘束し、舌先を舌でベチベチと嬲る。真美の苛烈な陵辱キスに、三奈子は目を剥きながら喉をピクピク震わせる。
「ぷはっ……さすがマゾ肉玩具ですね、お姉さま……この卑猥すぎる口マンコ、オチンチンでレイプできないのが本当に悔しい……」
 真美は口を離すと、三奈子の舌を指先でギリギリねじりながら本当に悔しそうに呟く。
「……仕方ないわ。オチンチンでレイプできないのなら、オマンコでレイプしてあげます。覚悟してくださいね、お姉さま」
 真美はそう宣言して立ち上がると、三奈子のポニーテールを掴んで下に引っ張り顔をさらに上向かせ、その顔に跨り、ラバーの隙間から卑猥に覗くグッショリと濡れそぼってすっかり綻んでいる股間を三奈子の口に押し付けた。そしてそのまま腰をグラインドさせ、三奈子の唇に己の肉唇を擦り付ける。
「ふああっ、イイッ、気持ちいいわっお姉さまのクチビルッ」
 真美がグイングインと腰を回すたび、唇の周りだけでなく三奈子の顔中が淫汁に塗れベトベトになっていく。三奈子は真美の肉唇により大きく擦れるように唇を突き出した。
「お姉さま、熱い息が私の大事なトコロに当たっているわ。私のオマンコを間近に感じて、興奮しているの? 発情しているのね」
 股の間を見下ろすと、三奈子が股間に顔をうずめさせながら、瞳を潤ませて真美の顔を見上げている。むわりと湧き上がる淫臭に包まれ、ヒクヒクと震える小鼻。おあずけをくらい、ご褒美を心待ちにするメス犬の表情を浮かべながら、真美の問いかけに三奈子はコクコクと首を振って答える。
「ウフ。なんていやらしい顔をしていらっしゃるのかしら。私のオマンコを味わいたくてたまらないって感じですね。食べてもかまいませんよ。私を満足させるおねだりが出来たら、ですけどね」
 真美の提案に、三奈子は一も二もなく飛びつく。目を閉じて淫臭を胸いっぱいに吸い込み、頭に淫らな気持ちを充満させてから、三奈子は口を開いた。
「ご主人様……メス犬三奈子に、ご主人様のおいしいオマンコ肉を、いっぱい味わわせてぇ……ご主人様のあまぁいラブジュース、ゴキュゴキュ飲み干したいの。ウネウネ蠢くピンク色のお肉、むしゃぶり尽くしたいの……はしたないオマンコ狂いのマゾ肉人形三奈子を、真美のオマンコで溺れさせてぇっ」
 淫臭に脳髄までとろかされてしまった様なはしたないメス面を晒しながら、三奈子は大きく口を開けて、溢れる唾液を拭う事もせずに口中で舌をグネグネとくねらせる。その卑猥なうねりと蠕動を見せつけられれば、男なら誰しも肉棒を突きこみたくてたまらなくなるだろう。それは女にとっても同じなようで、その卑猥な肉舌に秘部を嬲りつくされたらと想像すると、真美は下半身に甘い痺れを覚え、立っているのすら困難になってしまった。
「い、いいおねだりでしたわ、お姉さま。ご褒美に、私のオマンコ、味わってもよろしいですよ」
 フラつく下半身をなんとか踏ん張りながら、真美は両手で三奈子の頭を掴み、股の間に固定する。三奈子の顔の上に股座を置き、なんとか体を支えているような姿勢だ。それでも三奈子は嫌がるどころか、手錠をかけられた両手を真美の脚の間を通して腰に回してガッチリと掴み、自分の顔の上から逃れないようにしっかり固定する。
 おもむろに突き出された舌は、真美の桃色の肉粘膜を、ネロリと舐め上げた。
「んふひいぃぃぃっ!」
 湧き上がる爆発的な快楽に思わず暴れる真美の腰。しかし、ガッチリと掴まれた腰は逃げる事を許されない。時には焦らす様にゆっくり、時には貪るように激しく、三奈子の舌は真美の媚肉を嬲りつくしてゆく。
「ジュブッ、チュチュチューッ、ピチャッ、ベロ、ムニュムニュッ、レルレル、ジュチュチュバッ!」
「あっ、はひぃっ! そ、そこダメッ、オマンコ強く吸っちゃ、あはひんっ! お肉ゾリゾリ擦らないでえっ!」
 桃色の肉壁はねぶりあげられ激しく吸引されるたびその朱を濃くしていく。激しい接吻と舐め上げですっかり入り口周辺の淫肉を陥落させた三奈子の舌は、さらに奥を陵辱しようと大きく突き出されニュブニュブと潜り込んでゆく。男を知らぬ狭い肉道はぬめった柔らかな肉塊の侵入に抗おうと道筋を狭めるものの、肉舌に攪拌されては懐柔され奥へ侵入する手助けすらしてしまう。
「ひいいっ、舌、舌が奥にぃっ! 入ってきちゃダメ、あはぁっ、ジュポジュポ抜き差ししないでえぇぇっ! ひゃあっ、クリ、クリは今ダメェッ!」
 三奈子が軽く顔を揺らすと鼻先が真美のすっかり皮が剥きあがった敏感な肉芽をなぞりあげ、真美は背を仰け反らせて快楽に咽びながら身悶える。三奈子の舌嬲りにより真美の肉穴はすっかり綻びくつろげ、悦びの淫汁を三奈子の顔にベチャベチャと溢れさせている。
 もう真美は、奴隷に顔面騎乗する気高い主人には見えなくなっていた。涙と涎を溢れさせ喜悦に緩んだ表情を浮かべる彼女は、快楽の蟻地獄に捕らわれた美しき獲物。三奈子を跨ぐ足先はプルプルと震え、哀れさすら漂わせる。
「あ、んひっ!? お、お姉さま、ソコはダメッ!」
 快楽に脳をとろけさせていた真美が、急に切羽詰った声を上げる。すっかり肉穴を屈服させた舌が次に狙ったのは、その上の小さな小穴。尿道口だった。
「い、いやっ! お姉さま、ソコだけはやめてくださっ、ひゃ、はうぅぅぅっ!」
 血相を変えて暴れる真美。だが、その下半身にはすでに力が入らず、力なく腰を揺するだけ。三奈子の顔を引き剥がそうと両腕に力を入れてみるも、すでに上半身を支えるのがやっとであったその両腕もまた言う事を聞かない。真美の腰を掴む三奈子の両手は、まったく力の緩む事もない。このまま続ければ、何が起こるのかがわからないはずもないのに。
 突如、ゾクリと震え上がる体。ある感覚が、真美の全身を走り抜ける。
「いや……そんな、ダメ……お姉さま、手を離して……」
 考えまいとすればするほど、その感覚は真美の全身を蝕んでいく。真美の主としての仮面はすでに剥がれ落ち、そこには姉への粗相に怯える少女の素顔があるだけ。
「んくうぅぅんっ! ……お、ねえさま……ダメ、です……わたし、ガマンできなく、なっちゃう……うくんっ! は、はやく……そこを、はなれてぇ……」
 湧き上がる抑え切れない感覚……尿意に全身を苛まれ、体を緊張にプルプル震わせながらも、必死に堪えながら助けを求めるように眼下の三奈子へ視線を向ける。しかしそこには、切羽詰った真美とは対称的に、優しい表情を浮かべた三奈子の顔があった。これから起きるであろうことも理解した上で、真美の全てを許してしまうような優しい笑顔。
 その笑顔に、真美の心が温かな何かに包まれ、一瞬緊張が緩む。それと合わせるように、三奈子の舌が小穴をくじるように蠢いた。
「ふんっ? んあ、だ、だめえええぇぇぇーーーっ!」
 ショオオオォォォォォ……。
 真美の鳴き声と共に、股間から黄金色の聖水が溢れ出る。三奈子は頭から聖水を浴びながらも、逃れようと暴れる事もなく、静かに目を閉じて流れるがままになっている。
「いやあっ、ダメッ、止まって、もう止まってようっ」
 一度外れてしまったタガは、元に戻る事はない。真美は必死に力を込めるが、体はまったく言う事を聞かない。いつの間にか溢れ出した涙で頬を濡らしながら、真美は張り裂けそうな心を抱えて眼下の三奈子を見つめる。しかし三奈子は、真美を責めるでも抗うでもなく、聖水を浴び続け、
「あ……そ、そんな……」
 やがて、大きく口を開いて真美の股間にかぶりつくと、いまだ流れの止まらない聖水をそのままゴクゴクと飲み干し始めた。
「ん……ング、グプ……ゲホッ……ゴク、ゴキュ……」
「い……いやだ……お姉さま、ダメです……そんなの、汚いから……ダメですぅ……」
 うっとりとゴクゴク聖水を飲み干す三奈子を、真美は震えながら呆然と見つめる。
 長かった放尿が終わると、三奈子は真美の腰から手を離す。支えを失った真美はフラフラしながら、三奈子の前にペタンと尻餅をついてしゃがみこんだ。三奈子の全身は、一部を胃に収めたとはいえほとんどの聖水を浴びてしまい、ビッショリと濡れそぼっている。
「お……お姉さま……わたし……」
 姉を穢してしまったという罪悪感に苛まれ、ガタガタと震えが止まらない全身を両手できつく抱きしめている真美。そんな真美を見つめながら、三奈子がスッと両手を真美の前に突き出す。思わず真美はギュッと目を瞑る。しかし。
「こら」
 三奈子の両手は真美の頬に添えられていた。
「なんて顔してるの、真美ったら。あなたは私のご主人様なんでしょう。このくらいでビクビクしてちゃ、私のご主人様は務まらないわよ」
 真美の頬をムニムニと指で弄びながら三奈子はニッコリ微笑む。その笑顔は、真美の罪悪感をスゥッと消し去っていく。
「……お……おねえさまぁっ!」
「ひゃっ!」
 真美は弾かれたように三奈子に飛びつき、勢いに任せて二人は背後に倒れこむ。横たわる三奈子の上に覆いかぶさる真美。
「もう、あなたって人はっ! 私がいつもどんな気持ちでいるか、知りもしないでっ!」
「知っているわよ」
「えっ?」
「知っているから、困らせたくなるし。真美がいつも見ていてくれるってわかってるから、私も無茶をできるのよ。だから結局、私には真美がいないと、ダメみたい」
 ニッと笑みを見せる三奈子。その顔が、たまらなく憎らしくて、そしていとおしくて、真美はこみ上がるモノを抑えきれずに三奈子の唇を貪った。
「んぐっ……ふぐ、んむ……」
「あむ……む、んん……」
 お互いの体が聖水に塗れるのも構わず、絡み合い唇を貪りあう二人の少女。
「ぷはっ……私、お姉さまの事で頭を悩ませるの、本当にイヤなんですから。しっかりした姉になってもらえるまで、主人として、厳しく躾けますからね」
「うん。これからもよろしくね、真美」
「はい。お姉さま」
 再び唇を合わせる二人。その顔は、幸福に満ちている。ようやく見つけた二人だけの姉妹の絆の形を、確かめ合うかのように、二人はいつまでもお互いを貪り続けていた。


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