「どう、三奈子さん。気持ちよかったかしら?」
 マスクの下でクスンクスンとすすり泣き続ける三奈子に、蓉子が優しく問いかける。
「…………」
 なんと答えてよいのかわからず、三奈子は口を開かずに、ただ鼻をすすっている。
「気持ちよかったに決まってるよね。なんせ、オシッコもらしちゃうくらい派手にイッちゃったんだから」
 聖がからかうように言うと、三奈子は下を向いて俯いてしまう。コラ、と小さく聖をたしなめると、蓉子は再び優しく語りかける。
「ね、教えて、三奈子さん。気持ち……良かった?」
 甘く優しい声。こんな声で語りかけられては、例え妹でなくても年下ならばたちまち蕩けてしまうだろう。
 三奈子は裸身を桜色に染めながら、聞き取れないくらい小さく「……はい」と答えた。
「そう、良かったわ」
 ニッコリと華のように微笑む前ロサ・キネンシス。視界が塞がれていても、三奈子の脳裏はその笑顔をクッキリと思い描くことできた。
「そうね。本当に良かったわ。三奈子ちゃんがお尻でイクことができて」
 ポソッと呟く江利子。その言葉に、三奈子の背筋がピクリと震える。
「そういえばそうだよね。イク瞬間、私は指先を放していたもの。三奈子ちゃんはお尻と鞭打ちでイッちゃったってことになるね」
「ち、ちがうんですっ……あれは、直前までアソコをいじられていたから……」
「うん。直前までオマンコとクリトリスいじられてたから、最後はお尻と鞭でイッちゃったんだよね」
 三奈子の言い訳は何の役にも立たず、ただ『最後はお尻と鞭でイッた』という事実を際立たせただけだった。
 その事実に打ちのめされそうになる三奈子の髪を、蓉子があやすように優しく撫でる。
「別に責めているわけではないのよ。お尻でも、鞭打たれても絶頂を迎えられるなんて、すばらしいことじゃない」
「そんな……」
「あら、本当よ。気持ちよくなれる手段が沢山あるというのはいいことだわ。ねえ?」
「そうね。その方が、どんな変態の金持ちに売られていっても幸せに生きていけそう」
「ひいいっ」
 またも聖が脅かすような事を言い、それを聞いた三奈子が縮み上がる。本当にこの二人は、三奈子を虐めるのが楽しくて楽しくて仕方が無いのだろう。本当は自分もそうしてみたいのに、この二人と一緒に動くとどうしても抑え役になってしまうことが蓉子はつまらない。
「だから、ね、三奈子さん。自分の口で言ってみて。お尻と鞭でイキました、って」
「そ、そんな……」
 蓉子の手が、三奈子の柔らかな乳房に添えられる。触れるか触れないかの微妙なタッチで撫で回される乳房は、指でつつかれた皿の上のゼリーのようにふるると微かに揺れる。
「さあ。言うのよ三奈子さん。『私はお尻と鞭でイキました』」
「い……いやあ……」
「言いなさい」
 蓉子は声を荒げることはなく、けれどその響きに冷たいものを含ませて、三奈子の両乳首を親指と人差し指に挟んでそれぞれギュウッと握り潰しながら命じた。
「ギヒイィィッ! い、いたあぁいっ」
「言いたくなったかしら」
 思い切り潰されて赤くなりながらも少し大きくなったように見える乳首を、今度は人差し指で優しく転がしながら、蓉子はなおも三奈子に迫る。
「……ねえ。蓉子、急にどうしたの」
「さあ……たまってたんじゃない」
 急に豹変したように三奈子を責め始めた蓉子を見て、江利子と聖がボソボソと言葉を交わす。普段は一歩引いた形で三人のまとめ役をこなす蓉子だが、本気で迫られれば、さしもの聖や江利子も抗うことが出来ない、そんなある種女王めいた本質を蓉子は持っていた。
 蓉子の豹変は、三奈子に大きな動揺を与える。先走りがちな聖と江利子を抑えてくれていたのが蓉子である。その蓉子に責め手に回られては、三奈子を守ってくれるものはもう何も無いに等しい。
「わ……わたしは……」
 三奈子にはもう、素直に隷属するしか道は無かった。
「私は……おしりと、ムチで……イキました……」
「………………」
 羞恥をこらえ、己の変態性を宣言する三奈子。が、その言葉を聞いた蓉子は、つまらなさそうな表情を浮かべながら、再び三奈子の乳首を捻り潰した。
「んぎいぃぃっ! そ、そんなっ……蓉子さまっ……」
「……私が教えた通りに言ったって、つまらないでしょう。もっと頭を使いなさい。あなたにはできるはずよ」
 手の力を抜いてゆるやかに乳首を弄びながら、蓉子は三奈子にさらなる羞恥を促す。ここは蓉子に任せた方が面白そう、と判断した聖と江利子は、左右に分かれて三奈子の尻たぶに吸い付き、尻肉を撫で回し始めた。
「わ、私……築山三奈子は……お尻の穴に指を入れられ、ムチで叩かれて……イッてしまいました……」
「……まだまだね」
 三奈子が身を切るようにして搾り出した言葉は蓉子にあっさり一蹴され、両乳首、そして左右の尻たぶにも鋭い痛みが加えられる。
「ひぐうぅっ! 私、築山三奈子はっ……ムチ打たれながらお尻の穴をズボズボ責められて、はしたなくイッてしまいましたっ」
「少しはマシになったわ。でもまだダメ」
「あぐうぅぅっ!」
 蓉子の求めるハードルは、三奈子がそれをこなせると思うが故にどこまでも高い。何度も何度も自ら淫らな言葉を捻り出しては却下され、次第に三奈子の頭の中から羞恥は薄れていき、それにとって変わるように淫らな言葉でいっぱいになっていく。
 何度も潰された乳首がブドウの粒ほどの大きさに膨れ上がり、左右の真っ赤に染まった尻肉にいくつもの歯形や抓り痕が刻まれた頃には、三奈子の口からは普段なら耳を塞ぎたくなるようなはしたない宣言が口をついていた。
「クヒイィィッ……私、変態マゾ奴隷、築山三奈子はっ、背中やお尻を真っ赤になるほど鞭打たれながらオマンコをビチョビチョに濡らしてっ、ケツ穴を指先でズボズボ犯されて、メス豚アクメを迎えてしまいましたっ!」
「ウフフ……いい、いいわ……もう少しよ……」
 蓉子の顔に倒錯した悦びが浮かぶ。しかし、それでもまだ満足しきれないのか、三奈子の体にさらなる激痛が加えられる。
「あぐううううっ! へ、変態メス豚マゾ奴隷、築山三奈子はぁっ、ビシバシと体中を鞭で虐め抜かれながら、はしたないメスマンコをグチョグチョに濡らしていましたっ……いやらしくクパクパ広がるケツ穴を、お美しい指でズボズボほじり犯していただいてぇっ……二つのメス穴を汁まみれにしてメス豚アクメで気をやった、どうしようもないド変態のマゾ肉玩具ですうぅーーっぅぎいいいいぃぃーーっっっ!!」
 三奈子の最低の変態マゾ宣言が終わるか終わらないかのタイミングで、蓉子・聖・江利子は目の前の三奈子の肉に思い切り苛虐を加え、さらにその背中に思い切り鞭が振り下ろされた。
 プシュゥッッ!
 三奈子は自らの変態宣言に恥じることなく、羞恥の極みの中で最大限の被虐を与えられ、肉唇から潮を吹きながらガクガクと絶頂を迎えた。
「ウフフ……最高よ、三奈子さん。あなたは本当に、『ド変態のマゾ肉玩具』ね」
 三奈子が自ら用いた言葉でその変態性を賞賛しながら、蓉子は三奈子の顔を抱き寄せてその唇を獣のように貪る。三奈子はマスクの中で白目を剥きながら、蓉子の口虐より絡めとられた舌を震わせていた。
「んぶっんぐ……ジュプッ、ん、じゅろっ、ジュブブッ……ブチュ、ズチュチュッ、んむんくっ、ベロッ、ズロッ……んぷはぁっ」
 三奈子の口内をこってりとねぶりまわした蓉子が、ようやく口を解放する。離れたお互いの唇からは混ざり合った大量の唾液がドプリと溢れ出し、お互いの顎先をベチョベチョに濡らしながら、冷たい石床にビチャビチャと垂れ落ちた。
「あふ……ふああ……」
 三奈子はだらしなく口を開け放ったまま、甘い喘ぎを漏らし続けている。
「さて……お姉さまの変態宣言を聞いて、どうだった?」
 蓉子が誰かに話しかけながら、三奈子の全頭マスクの紐をゆっくりと解いてゆく。マスクを外され久々に戻った視界は、初めは明るさに圧倒されてぼやけていたものの、その部屋がわずかばかりの蝋燭による光量でしか満たされていないこともあり、次第に三奈子の前に悠然と立つその姿の像を結んでゆく。
「あ………………ま……み……?」
 そこには、局部丸出しのラバースーツにいまだ身を包んではいるものの、戒めを解かれた真美が右手で握った鞭を左手のひらにピシピシと軽く打ちつけながら、三奈子を見下ろしていた。
「お姉さま……あなたはオシオキを受けていたのではなかったんですか? それなのに、穴という穴からメス汁をはしたなく撒き散らして、『変態メス豚マゾ奴隷』だなんて、破廉恥な宣言をして……」
 真美は三奈子のポニーテールを掴むと、グイッと引っ張り顔を引き寄せた。
「あぐっ……ち、ちがうの、真美……」
「何が違うと言うんです。あなたは『ド変態のマゾ肉玩具』、なんでしょう、お姉さま。まったく、こんな人間以下のメス豚が私のお姉さまだったなんて、恥ずかしくてたまらないわ」
 真美は三奈子の顔にペッと唾を吐きかける。吐き出された唾液は三奈子の眉間にピチャリと着弾した。
「ま、そうは言っても、あなたが私のお姉さまであることには変わりありませんもの。私が責任を持って、お姉さまを躾け直してあげます。よろしいですね」
 真美のラバーに包まれた手が、吐き出された唾液を塗り広げながら三奈子の顔を愛撫していく。ゴムのツンとする刺激臭と真美の唾液が醸す甘い匂いに、三奈子の脳髄は痺れ、意識せぬままに首が縦にコクンと振られる。
「フフ……ではまず、舌を出してください」
 三奈子が自発的に行動するよりも早く、真美の指先は三奈子の口内にねじこまれ、唾液をすくい取ったり口内粘膜を撫で擦ったりとたっぷり寄り道をした後、三奈子の舌をつまんで引っ張り出す。真美は艶然と微笑んで、口外に引きずり出された三奈子の赤い軟体の肉にむしゃぶりついた。


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