もう何度昇りつめただろうか。溢れ出た淫水は染み込む事無く硬質の床に大きな水溜りを作り、絶頂の深さと回数を如実に示す。それでもなお、少女の指はせわしなく動き回り、快楽の沼へ自らを静めていく。少女の眼前で今も繰り広げられている淫らな宴、そこから発せられる濃密な淫気が、少女の理性をドロドロに溶かし快楽の色にすっかり染め上げてしまっていた。
 少女の視線の先、淫らな宴の会場では、今も陰惨な光景が繰り広げられている。首と両手首を一本の銀の棒に戒められた美女が、ただそこにあるモノのように無造作に扱われていた。顔に、髪に、流れ落ちぬ大量の濃い白濁がべったりと張り付き、純白だった両手袋とボディコンワンピースの特に上半身は、すっかり濁った白に汚されてしまっている。男は美女の後頭部を両手で押さえ、ただ自ら快楽を貪るために乱雑に腰を振る。だが、そのような扱いを受けながらも美女はうっとりと目を細め、喉奥を乱暴に突かれる刺激すらも快楽として受け止めているようであった。
 ズボッ、ジュポッ、グプグポッ。
荒い吐息と淫らな水音がしばらく響き渡り、室内をよりいっそう濃い淫気が満たす。やがて、腰を振っていた男がブルブルと体を震わせる。
「くっ、出すぞ、麗子。精液便所にたっぷり排泄してやる。嬉しいか」
「ふぁい」
 激しくなった男の抽送にも抗う事無く、むしろ愛しそうに男の顔を上目遣いに見上げながら、麗子は塞がれた口から不明瞭な返事をする。その視線と言葉に男の欲望は頂点に達した。
「くおっ」
 ドビュッ、ブビュッ、ブビュビュッ!
(はあぁっ、麗子さんが、お口をレイプされて射精されてるぅっ)
 男は麗子の後頭部に添えた両手をグイと引き寄せ、長い肉棒を麗子の口内に無理矢理全て押し込んで、喉奥に熱い射精液をビュクビュクとぶち撒ける。
「んっ、ふぐ、グプッ……くうっ、えほっ……ん、んん……」
 麗子は時折えずきながらも、それすらも快楽として受け入れるかのように瞳を潤ませてされるがままになっている。それを盗み見ながら自慰に耽る少女、ひとみもまた、左手指を肉壷に突き込みながら右手の人差し指と中指を口の奥まで突っ込んだ。
(うぐっ……く、くるひぃ……こんなのが気持ち良いの、麗子さん)
 加減がわからず奥まで突っ込んでしまい涙目になりながらも、扉の向こうに気取られないように必死でえずきを抑えるひとみ。幸い、男達の視線は中の『精液便所』に釘付けになっており、ひとみの痴態に気付く者はいない。
「ふう。たっぷりと便器に出してやったぜ」
 射精を終え、男が麗子の口から肉棒を引き抜く。麗子は唇を窄め、肉幹にまとわりついた大量の白濁を口内に引き止める。チュポンと音がして肉棒が引き抜かれると、麗子は命ぜられるまでもなく射精を終えたばかりの亀頭に吸い付き、尿道口に残った残滓までも口内に収めた。
「ひひっ、薄汚え精液便所め。どれだけ好物のザーメンを出してもらったんだ。見せてみろ」
 取り囲んでいた男の一人が欲情に血走った目で麗子に命じる。麗子は零さないようにわずかに顎を上げ、口をぽっかりと開く。男の大量の精液が桃色の口肉の中にたっぷりと溜め込まれていた。
(ああ……麗子さんのお口に、臭くて汚いのがあんなに……)
「たっぷり出してもらって嬉しいだろう、麗子ちゃん。好きなだけ味わっていいぜ。ただし、飲み込むなよ」
 別の男の言葉に、麗子は目と口を閉じる。悩ましい吐息を漏らしながら、グチュグチュと口をゆすぎ、口内全体に精液を馴染ませ、再び口を開く。ブクブクと泡だった精液に満たされた口内は、まさに汚れのこびりついた場末の公衆便所と言った様相だった。
「このエロ便器め。もっと汚して、二度と人気のキャンギャルだなんて生意気なツラができないようにしてやるっ」
 麗子の浅ましい姿に触発されたのか、男の一人が歩み出て精液塗れの麗子の口内に肉棒を突きこんだ。
「おいおい、麗子ちゃん前のザーメンまだ飲み込んでねえんだぜ。汚くねえか」
「くひひ、何言ってやがる。こいつの便器口マンコはとっくにザーメンの臭いが染み込んでるんだぜ。だったら今さら関係ねえ。もっともっと、気が狂うほどぶち撒けて、うがいしようが歯ぁ磨こうが臭いが取れないくらい臭い肉穴にしてやるぜ」
 ケダモノの様に激しく腰を振りながら、血走った目で周囲の男達を見渡す男。飲み込むことを禁止された麗子は、口端から溢れ出た唾液と精液の混じった淫らな汁をブチュブチュと垂れ零しながら、男の口虐を陶酔した表情で受け止めている。
「……確かにな。どうせ抜いた後はこの口便器に一滴残らず啜らせるんだ。途中でちょっと汚れようが関係ねえか」
「よし。麗子、これから全員射精するまでザーメン飲み込むんじゃねえぞ。その口マンコを臭えザーメン壷にしてやるからな」
「はぷ、じゅぷ……ふぁい……」
 男の狂気が感染したのか、周囲の男達も皆一様に目を血走らせ口虐にさらされる麗子を蔑んだ瞳で見つめる。麗子はザーメンの掃き溜めとされた己の惨めな姿を想像しながら、どこか焦点の合わない瞳で口虐に晒され続けていた。


「薄汚いザーメン便器麗子に、沢山射精していただいてありがとうございました……んくっ……浅ましい便器娘麗子は、ご褒美のザーメンを飲み干して、アクメさせていただきますぅ……」
 射精され、そのたびに口中で攪拌させられ、再び口虐。人数分その浅ましい行為を繰り返した麗子の口の中は、すでにグチャグチャである。それ以上に、許容量を超え口端から大量にこぼれた白濁は、コスチュームの胸元に大量に流れ落ち、豊かな胸の上に濁った湖を作っていた。
「はむっ……グチュ、ブチュ……ん、もご……ヌチュ、クチュチュ……」
 麗子は白濁の池にたゆたう舌をくねらせ、溢れるほど注ぎ込まれた精液を心行くまで味わう。同時に、手のひらを握ったり擦り合わせたりしながら両手に染み込んだ粘液の感触も堪能した。そして。
「ゴクッ、ングッ……ン、フウゥゥーッ! ……ング、コク……ん、ふひゅぅ……んふぅ、ん〜……」
 全身を精液に包まれ、口内と両手の粘ついた感触を感じながら、体をガクガクと震わせて麗子は絶頂を迎えた。
「く、ふはははっ。イッてる、イッてるぞコイツ。ザーメン飲んだだけで本当にアクメしてやがる」
「このザーメン狂いのド変態マゾめ。いっその事ザーメンのキャンペーンガールにでもなったらどうだ」
「そりゃいいぜ。アンタみたいな美人が精液便所だってカミングアウトすれば、世の女共もザーメンマゾの変態性癖を隠さずにさらけ出すようになるかもしれねえしな」
 男達の嘲笑に晒されながら、麗子は恍惚の表情で白濁を飲み、口内に溜まった残滓を舌でこそぎとり、そして腰を淫らに揺する。
(ああ……麗子さん……)
 男達の与太話も、この凄艶な光景を目の当たりにして自慰に狂うひとみには冗談に聞こえなかった。どんな身持ちの固い女性でも、目の前で麗子さんのこの浅ましくも艶やかな姿を見せ付けられては、胸に秘めた欲望を解き放てずにはいられないのではないか。
「おい、そろそろ時間だぜ」
 男の一人が壁の時計を見ながら言う。
「ちっ、もうかよ。俺はまだやりたりねえぞ」
「贅沢言うなよ。俺らにあの永瀬麗子が回ってくるだけでもありがたいってもんだろ。下手なことしたら、クビが飛ぶどころか海の藻屑になっちまうぞ」
「しょうがねえか。よし、麗子ちゃん。今日もいつもので締めにするぜ」
 男達の口にした物騒な会話が気にはなりつつも、麗子の更なる痴態への興味が上回ってしまうひとみ。首と両手首の枷を外され床に仰向けに横たえられた麗子がこれからどんな風に扱われるのかと思うと、男達の会話の事などは頭の片隅に追いやられてしまった。
「さあ、それじゃ始めるか。麗子、これからお前はどうされたいんだ」
 これからどうするのかは決まっているはずなのに、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながらあえて問う男。周囲の男達も同様に笑みを浮かべている。そして麗子もまた、求められる言葉を正しく理解していた。
「はい。今日はザーメン狂いのマゾメス麗子にたくさんザーメンをかけて、飲ませていただいてありがとうございました。でも、麗子はまだまだかけられ足りません。次に皆さんにぶっかけ輪姦されるまで、皆さんのザーメンの味と匂いを忘れてしまわないように、全員のザーメンを同時にかけて麗子をザーメンで溺れさせてください」
 麗子は淫らに宣言すると、大きく口を開け男達の欲情を煽るように舌を突き出し蠢かせた。一人の男が誘われるように、麗子の顔に跨り肉棒を淫口に突き刺す。上から下へ無造作にズボズボとピストンを繰り返し、今にも射精を迎えそうなほど肉棒がパンパンに張り詰めたところで男は肉棒を引き抜き、また別の男が突き入れる。
(ああ、ひどい……麗子さん、まるでただの穴ぼこみたいに、あんなに無造作に扱われてる……)
 ただ男の肉棒をしごく為に作られたオナホールのように、次々に肉棒を飲み込み屹立させるだけの存在となった麗子。やがて全員の男達の肉棒が、今にも爆ぜそうなほどビキビキと青筋を立てて勃起する。
「これで皆準備できたな。さあ、お望みどおりザーメンで溺れさせてやるぞ、ザーメン便器のマゾキャンギャルめ」
「はいっ、ザーメンください、麗子をザーメン漬けの肉穴にしてください、ザーメンレイプで変態マゾアクメさせてくださいっ」
「いくぞ、うおおっ」
 ドプッ、ブピュッ、ブシャッ、ブチャッ、ビュクビュクッ、ブビュビュッ、バチャバチャッ、ドビュルビュルゥッ!
「ひゃ、はひ、あ、はへ、んひいぃぃぃーーーんっ!」
 左右に並んだ十数人の男達に一斉に大量の白濁液を浴びせかけられ、麗子は空腰を振りながら絶頂を迎える。ブーツの中で足の指を突っ張らせ、精液の染み込んだ手袋の指先で床をカリカリと擦りながら、何度目かの射精かもわからないというのに呆れるほどの大量の精液に肌を焼かれ、アクメに狂う麗子。男達の精液の最後の一滴が体に垂れ落ちると、麗子は腰をガクガクと揺すり、秘所から勢いよく潮を吹く。薄布の許容量を超え床に大きな水たまりを作るほどの激しい絶頂の後、持ち上がっていた腰は力なく落ち、糸の切れた人形のように無残に転がった。
「……ふう。楽しめたぜ麗子ちゃん。ありがとうよ。……て、聞こえてねえか」
 憑き物が落ちたようにすっきりとした顔をした男が麗子に言葉をかけるも、当の麗子は白濁の海の中で気を失っていた。他の男達も、麗子を辱めていた最中の凶悪な表情はどこへやら、一様にすっきりした表情を浮かべている。
「さて、仕事に戻るか。麗子ちゃんはたっぷり余韻に浸っててくれよ」
「あー、今日も最高だったぜ。まさにこの瞬間の為にこの仕事をやってるようなもんだよな」
「よし、次に麗子にぶっかける時まで俺はたっぷり溜めておくぜ」
 白濁に塗れた麗子を打ち捨てたまま、男達は談笑しながら部屋を出ようとする。
(わっ、大変っ)
 覗きオナニーで何度も昇りつめ言う事の聞かなくなった足腰に何とか喝を入れ、ひとみは扉から這いずる様に離れて通路の植え込みの陰に隠れる。
「うわっ」
 扉を開け出てきた先頭の男が、床の水たまりに足をとられ滑って転んだ。
「おいおい、出しすぎで腰が抜けたか」
「違うっての。……ん、なんだ、床が濡れてるぞ。ちゃんと掃除しろよな」
「おい、なんかこの辺メス臭くねえか」
「麗子ちゃんの臭いが漏れてきたんだろ。そら、急がないとまたどやされるぜ」
 物陰で自らの淫水の臭いを嗅がれて真っ赤になるひとみに気付く事なく、男達はひとみの来た方へ歩いていってしまった。
「…………行っちゃった」
 すっかり熱気が冷め、静かになった通路の影で、ひとみはペタンと座り込む。あまりの静けさに今まで目にしていたものは淫らな白昼夢だったのではないかとさえ思えたが、冷たい床に熱気を吸われ、ひんやりと張り付いたパンティの感触がそれが現実である事を物語る。
 一つ大きく深呼吸をしてから、両足に力を入れる。落ち着いて動けば、ちゃんと立ち上がる事ができた。周囲には物音一つない。その静寂を壊さないよう、静かに一歩ずつ、先程まで狂宴が繰り広げられていた部屋に向かい歩みを進める。
 閉じられていた扉をそっと開くと、生臭い空気がむわりと通路に流れ出し、落ち着きを取り戻したひとみの体を再びとろ火で炙る。一瞬怯んだものの、意を決して扉の隙間から体を滑り込ませ、後ろ手で静かに閉める。チャッという小さな音の後、その一室は無音に包まれた。
 部屋の中心では、女性が死んだように身じろぎ一つせず眠っていた。上半身はほとんど濁った白い液体に覆われていて、部屋の入り口からでは顔の判別もできない。ドキドキと鼓動の高鳴る胸を右手で押さえ、ひとみは一歩一歩女性に近づいていき、傍らでしゃがんでその顔を覗き込む。
「……麗子さん……」
 人気キャンペーンガールとしての美貌は見る影もなく打ち壊され、髪も、眉も、顔中に男達の汚液を幾層にも塗り込められている。そんな有様だというのに、ひとみの小さな呼びかけにも反応はなく、静かに規則正しい寝息を立てていた。
「ひどい……麗子さんをこんな……こんなにドロドロしちゃうなんて……」
 震える指先で麗子の頬をそっと撫でると、白く濁った液体がこんもりと積もる。ジクジクと指先に染み込んでくる感触。そのままにしていれば、いずれ全身をこの汚液に侵食されてしまいそう。麗子の顔と己の汚れた指先を交互に見つめながらそんな恐怖に襲われ、思わず指先を口に含んでしまう。
「……ふあ……んぷ……ネバネバして……ちゅぷっ……臭いよう……はぅむ……」
 飲み込みづらい粘ついた液体を、唾液を作り中和する事でなんとか飲み下す。しかしその行為により、汚液は食道を通り胃に辿り着き、ひとみに体の内から侵食されていくような錯覚をもたらす。
「はあぁ……んふぅ……どうしよう……こんな状態じゃ、麗子さんこの部屋から出られないよ……」
 中に入ってからわかったが、この部屋は本来は空き部屋なのだろう。室内には壁掛け時計しかなく、調度品は一切置かれていない。ただ、白い壁と硬質な床だけだ。当然、タオルやボックスティッシュなども存在しない。
 持っていたハンカチで麗子の目元を拭ってみるも、その一拭きでハンカチはドロドロに汚れてしまい、用を為さなくなってしまった。たった一拭きであまりに大量にこびりついた汚液に驚き、思わず汚れたハンカチを顔に近づけ臭いを嗅いでしまう。ひとみの形良い小鼻から男共の欲情が大量に流れ込み、鼻の奥、そして頭の中、脳髄までもジュクジュクと侵していく。
「ふぁひぃっ……くさい、くさいよ……頭がクラクラするぅ……」
 あまりの臭気にハンカチを慌てて放し、目尻にうっすらと涙を浮かべるひとみ。しかし、その一嗅ぎはすでにひとみの理性も常識も狂わせていた。滲んだ視界の中、白い汚濁に包まれた麗子を捉えると、ひとみの脳裏に通常ではありえない思考が浮かぶ。
「この白いのをどうにかしないと、麗子さんがおかしくなっちゃうかもしれないから……だから……」
 ひとみは麗子の顔に触れる寸前まで己の顔を近づけ、
「麗子さん……今、助けてあげますからね……」
 朱唇に積もっていた白濁を、唇を重ねて吸い取ったのだった。

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