新進気鋭のキャンペーンガール・吉乃ひとみと、人気絶頂、業界トップのキャンペーンガール・永瀬麗子が世間から姿を消してから、一ヶ月。
とはいえ、彼女たちが失踪したイベントがその季節における最大最後のイベントであり、所属事務所からも彼女達は長期休暇を取ったというアナウンスが流れていたため、その消息について追求しようという者はなく。
この一ヶ月で、吉乃ひとみがスポーティで快活な美少女からその内面が大きく変貌を遂げた事など、世間では知る由もなかった。
(……気持ちいい……)
体から全ての力を抜き脱力しきった状態で、ひとみは目を閉じていた。頭から足の先まで、トロトロの粘液でいっぱいのプールに浸かっているかのような感覚。
(……体が、蕩けそう……なにも、考えられない……)
そのまま自分自身も粘液となり、溶けてなくなってしまいそうな錯覚に陥りながら、しかしひとみはそれでも良いと感じていた。この心地良い感覚に包まれていられるのならば、もう何もいらないと、そう思えた。しかし、微かに耳に届いた爽やかな響きが、彼女の意識に覚醒を促す。
『…………ひとみちゃん…………起きて…………』
それは、ひとみが一番好きな音。憧れのヒトの、涼やかな声。
(……わたし……行かなきゃ……)
ひとみはその声を頼りに、粘液のプールを泳ぐ。指一本動かすだけで蕩けそうなほどそのプールは心地良かったが、それでもここを出た先にある、あのヒトの声が聞きたくて、笑顔が見たくて。ひとみはその身体を蕩かせながら、少しずつ少しずつ、そのヒトの下へと近づいていった……。
「ん、んん……」
瞳を開くと、広がったのは真っ白な空間であった。天井も壁も一面真っ白であったが、目を凝らすと天井に裸電球が一つぶら下がっているのが見える。
(……ここ、どこ……わたし、いったい……)
ひとみは自分の置かれた状況を考えてみようとしたが、頭に靄がかかった様に、何も考える事ができなかった。まるで、思考能力が奪われてしまったかのようだ。体にも、ほとんど力が入らない。起き上がる事も出来ず、いや、起き上がろうという気持ちすら湧いてこないひとみは、それでもコテンと首を左に倒す。目に映るのは、頭の下にある白い枕の一部と、自分が横たわっていると思われるパイプベッドの白い鉄製部分、そして白いシーツだけであった。
「おはよう、ひとみちゃん」
ふと、自身の右側から声を掛けられ、ひとみはゆっくりと首を動かし、声のする方へ向いてみる。
「……あ…………」
そこには、ひとみが憧れて止まない、永瀬麗子の姿があった。麗子は彼女にとって代表的なコスチュームである、白いボディコンワンピースを身につけ、その手には白いロンググローブを填めている。ここからでは見えないが、おそらく膝下までの白いロングブーツも履いている事だろう。
「ひとみちゃん、気分はどう。具合は悪くない?」
なぜ麗子がここにいるのだろう。不思議ではあったが、深く追求できるほどにはやはり頭が回らない。まずは麗子の質問に答えようと、ひとみはコクンと小さく首を縦に動かした。
「そう。良かったわ」
麗子は安堵の表情を浮かべ、そしてにっこりとひとみに笑って見せた。その女神の微笑みに、瞳の胸は温かさと幸福感でいっぱいになる。
「それじゃ、ひとみちゃん。体を起こしてみて」
ひとみはまた、深くは考えずに、コクンと頷く。そして、ゆっくりと上半身を起こしていく。視線の先で、ツンと突き出たひとみの形良いお椀型の乳房がプルンと揺れる。そう。ひとみは全裸だったのだ。
「……やぁ……」
普段なら、慌てて体を隠す所だろう。しかし、今のひとみは、羞恥という感情が湧き上がって来るのもゆっくりとしたスピードであった。徐々に、頬が赤く染まってゆく。しかし、乳房も、その先にある無毛の股間も、隠す事はできなかった。恥ずかしいという感情は確かにあるが、しかし、だからそれを手で隠す、というごく当たり前の動作にどういう訳か繋がらないのだ。
漠然とした羞恥心に苛まれながら呆然としているひとみに、麗子がさらに声を掛ける。
「ひとみちゃん。これを、着てくれるかしら。貴方のコスチュームよ」
麗子はベッドの下に手を伸ばすと、何枚かの布地を手にとって、ひとみの傍らに置いた。それは、黒いシルクサテンの二の腕まであるロンググローブと、黒いオーバーニーソックス、そして蛍光グリーンと黒のボディコンワンピースであった。
「……わたひの、ふく……」
起き抜けだからであろうか。上手くろれつが回らない。ひとみはまず、ロンググローブに手を伸ばす。指先に布地が触れた瞬間、ピクンッと体が震えた。スベスベと滑らかな布地の感触が心地良い。いつの間にか、動悸が激しくなってゆく。
ひとみはペタンと尻餅を突き膝から下をそれぞれ外側に折り曲げる、いわゆる女の子座りになると、両手で手袋の口の両端を掴み、ゆっくりと開く。黒い布地の中に広がった、黒く深淵の空間。それを見ていると、中に吸い込まれそうな気分になる。
「さあ、ひとみちゃん。手袋を、填めるのよ」
「……ふぁい」
ひとみがその鈴の音のような声で『手袋』という単語を口にした時、トクンとひとみの心臓が震えた。ひとみは麗子に命ぜられるまま、左手で口を開いて、右手をゆっくりと穴の中に差し込んでゆく。
「……んっ……くふっ……」
肌に布地が擦れるたび、ゾクゾクッと体中を刺激が駆け抜ける。ひとみは少女である為経験した事はもちろんないが、それは肉棒が膣襞を割り裂いていく際の感触に近い物であった。
布地に擦れながらスルスルと穴を押し広げ進んでゆく右腕。いつの間にか乳首はツンと立ち上がり、乳輪はぷっくりと膨らみ、秘裂は緩やかに綻んで膣穴からはトロトロと愛蜜が流れ出し始める。
中指が小さな穴に触れた時、ひとみは不安になって傍らの麗子を見つめた。胸のドキドキが止まらない。スベスベのシルクサテンにキュッと包まれた右腕が、熱く火照ってたまらない。
「だいじょうぶよ、ひとみちゃん。穴の一つ一つに、貴方の細くてしなやかな指を入れてあげて。ロンググローブを、右腕全体にピッタリとフィットさせるの。それは、とっても素敵なことよ。貴方はもう、知っているわよね」
麗子の言葉は、疑う余地の無い真実に聞こえた。ひとみは頷くと、左手を右手首に添えて布地を摘まみながら、5つの穴にそれぞれの指をあてがい、少しずつ穴の中へと指を挿入してゆく。
「んっ……んひっ……くひゅっ……」
指の一本一本が、キュッと布地に包まれ、柔らかく締め付けられてゆく。剥き身になったクリトリス全体を布で磨かれてゆく感覚、それをさらに5倍したもの、とでも言えば良いであろうか。もっとも、やはりひとみはこれまでにそのような経験をした記憶は無いのだが。
湧き上がる快感に唇を噛み締めて懸命に耐えながら、ひとみは指先まで手袋を填め終える。ツンと指の先端に布地が触れた時、ひとみはビクビクッと体を震わせた。
「……は……填め……まひゅ、た……」
ひとみは震える声で、そう麗子に告げる。麗子はコクリと頷くと、微笑みを浮かべながらも、さらに非情な命令をした。
「それでは、最後の仕上げよ。左手で布地を引いてたるみを伸ばしながら、手のひらをキュパキュパ閉じたり開いたりして、ひとみちゃんの右腕をロンググローブに完全にフィットさせなさい。ひとみちゃんの右腕を、ロンググローブと同化させるのよ」
「……あ……れ、れも……ひょんな、こと、ひたら……」
自分の右腕がこれまでとは別の存在になってしまっていることに、ひとみは気づいていた。麗子の言う動作を行えば、自分がどうなってしまうかは想像に難くない。
快楽と常識外の恐怖に震えるひとみ。しかし、麗子はそんなひとみに優しく微笑みかける。
「いいのよ。ひとみちゃん。私に、貴方の素直な姿を見せて。手袋を填めて味わう、素直な反応を」
麗子の後押しに、ひとみはコクンと頷く。そして震える左手を右手に添えると、布地をそっと引き上げながら、右手の指と手のひら、手の甲の隅々まで布地をぴっとりと密着させる。そして、その瞬間、
「あひぃっ! きも、きもひいぃっ! わたひ、イクッ! てぶくろ、はめて、イッひゃうのぉーっ!」
ひとみは、絶頂を迎えた。手袋を填め、手にピッタリと馴染ませる。たったそれだけの事で、ひとみは快活な顔を欲情に蕩けさせ、瞳を裏返らせ、唇をしどけなく歪ませ、舌を垂らし唾液すら口端から流しながら、淫らなアクメ面を晒したのだ。
「りゃめぇっ、てぶくりょ、きもひいぃっ! おててが、ゆびがっ、シュベシュベのぬのに、キュキュゥッってこしゅられてぇっ! イキュッ、イクイクゥッ! おてて、キュパキュパッてしゅるとっ、てぶくりょが、しゅにしゅにってしてへぇっ! おててとゆびを、きゅむきゅむってちゅちゅんでぇっ! イキュイキュッ、イキまくひゃうろぉおーーーっ!」
ひとみは右手をキュパキュパと閉じたり開いたりしながら、顎を反らし背筋を仰け反らせてビクンビクンと絶頂を迎える。すっかりくつろいだ秘裂からは、プシャプシャと愛液が何度も飛沫を上げた。
そして、ひとみはパタンと仰向けに倒れこんだ。荒い息を吐きながら、絶頂の余韻に浸る。手袋を填める。たったそれだけの事で訪れた、想像を絶する絶頂。ひとみは舌を垂らしながら、呆然と黒手袋に包まれた自身の右手のひらを見つめる。彼女の右手は今、確かに、膣襞以上の快楽器官となっていた。
麗子はひとみの顔をそっと覗き込むと、嬉しそうに微笑む。
「素敵よ、ひとみちゃん。これで、貴方は完全な手袋フェチね。初めての手袋アクメ、素敵だったでしょう」
「ひゃ、ひゃい……てぶくりょあくめ、きもひいぃ、れしゅ……」
ひとみは瞳を蕩けさせながら、麗子に向かってコクンと頷き、ろれつの回らぬ舌で答えた。
「ウフフ。これで貴方も私と同じ、手袋フェチ、ううん、手袋マゾになってくれたのね。嬉しい……」
「……れいこひゃんと……おなひ……?」
「ええ、そうよ。私と同じ。私も、貴方と同じ、手袋マゾなのよ」
「……うれひぃ……れぃこひゃんと……おんにゃじ……えへへ……」
麗子と同じ。そう本人の口から告げられて、ひとみは子供の様な純真で無垢な笑顔を浮かべる。その笑顔に、麗子の胸がキュンと震える。
「ハァンッ。……ね、ねえ、ひとみちゃん。貴方はまだ、右手にしか手袋を填めていないわよね。手袋は両手で填める物よ。……私に、見せて欲しいの。貴方が、両腕をロンググローブに包まれて、イキまくるところを」
ひとみはゆっくりゆっくりと体を起こすと、今度は右手で残された手袋を持って口を開き、左手をシュルシュルとその穴の中に填めてゆく。
「きゅひぃっ! ひだりても、ひらりてもてびゅくりょぉっ! みぎてでぬのじ、ちゅまんでると、ゆびがしゅべしゅべしてきもちいひろぉっ!」
全身をビクビクと震わせ、絶頂を味わいながら、左手もロンググローブに包んでゆくひとみ。やがて、ピッチリと指先まで収めると、黒いシルクサテンに包まれた十本の指と手のひらを見つめる。
「さあ、ひとみちゃん。イキなさい。手袋に包まれた二つの手、十本の指をワキワキさせながら、はしたない手袋アクメを晒すのよ」
「ひゃ、ひゃい……イキまひゅ……てぶくりょアクメ、しゃらしましゅ……」
ひとみはゴクンと唾を飲み込むと、シュニシュニッと音が鳴るほど、十本の指をワキワキと蠢かせた。
「ひゃひぃっ! くりゅっ、くりゅぅーっ! てぶくりょゆび、キュパキュパしゃしぇてぇっ、オマンコプチュプチュしゃしぇながりゃ、てぶくっりょアクメ、イッキュウゥウーーーーンッ!!」
ひとみは手袋に包まれた指を卑猥にワキワキ蠕動させながら、背骨が折れんばかりに反り返り、絶頂を迎えた。秘裂からはブチャブチャとアクメ汁が飛び散る。
そして、再びベッドにうつぶせに倒れこむ。舌はデロリと口からはみ出、タラタラと唾液を零しながら、瞳をグルンと裏返らせて、壮絶な手袋アクメの末に失神していた。
「ひとみちゃん……素敵よ……」
麗子は体をヒクヒク痙攣させながら気を失っているひとみの頬にそっと口づけると、ひとみの体を再びベッドに仰向けに寝かせる。そして、小さな薬瓶とハンカチを取り出すと、少しだけ布地に染み込ませ、ひとみの鼻先に寄せた。
ひとみの鼻がヒクッと反応し、その液体から立ち昇る匂いを少しだけする。すると、徐々にではあるが、壮絶な失神アクメ面が本来の愛らしい寝顔へと戻っていった。
麗子は瞳の隣に寝そべると、穏やかな微笑みを浮かべながら、その髪を優しく撫でてやる。
「これで、ひとみちゃんの体と心に、手袋填めアクメが刻み込まれたわ。あの強烈な快感は、一生忘れる事が出来ない……。貴方はもう、手袋の虜よ。……もっとも、あのままでは刺激が強すぎて御奉仕できなくなっちゃうから、あの方の開発したお薬で快楽を抑える必要があるんだけれど……」
麗子はひとみの頬を両手でそっと包む。スベスベと心地良い柔らかな肌。ひとみも手袋を填めた手に包まれる感触が心地良いのか、意識は無いながらも、その顔がうっとりと幸せそうにほころんでいる。
「次に目を覚ました時には、私がじっくりと手袋プレイを教え込んであげる。手袋で触れる快感、触れられる快感、蕩けるほどその体に刻み込んであげるわね。そして早く、私の体を、ひとみちゃんの手袋で蕩けさせられるようになって。早く貴方と一緒に、皆様に手袋奉仕出来る様になりたいわ……」
麗子はこれからのひとみとの甘い情事に思いを馳せながら、ヒトミのプリプリと弾力のある唇に、そっと口付けを交わしたのだった。
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