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NOVEL

Un tournesol 〜深き悩み、加えて、新たなる波乱?〜
16

注意) 女装エッチ/鏡/陰語/伏字なしの男性器名称連呼/女性器の名称/場面転換

 蒼衣の色っぽいその声と、言われた言葉に直輝の中にあった理性が音を立てて崩壊していった。
 僕を直輝くんのオンナにして。
 その言葉に含まれる意味に、蒼衣の決心に、そして、今まで以上の欲情に直輝は我慢など出来ない。もう一度大きく口の中に溜まった唾液を直輝は音を立てて嚥下すると、そのまま、横抱きにしていた蒼衣の体をぐいっと持ち上げる。そのまま、蒼衣の力の入っていない体を鏡へと押し付けた。

「ぅ、ん……っ。」

 強く体を押し付けられた衝撃に蒼衣の喉が少しだけ苦しそうな声を出した。
 だが、それ以上は音は漏らさず、蒼衣はその手を直輝に命じられる前に鏡の脇へと置くと、先ほどまでしていたように自分の体を支えるようにする。そして、後ろに居る直輝に向って尻を突きだした。

「ん……っ、直輝、くん……っ。」

 期待を込めて直輝の名を呟くと、ワンピースに包まれた腰をくねらせる。
 そんな蒼衣を見ながら直輝はごくりと生唾を飲み込むと、ぎらぎらと血走った眼を蒼衣の尻に向け、手をそのワンピースへと伸ばしていく。そのままその布地を荒々しく掴むと、勢いよく持ち上げ、蒼衣の白い尻を外気へと晒す。
 白い肌は薄っすらと欲情でピンク色に染まり、直輝を誘うように揺れている。

「蒼衣。」
「は、ゃ、くぅ……、直輝、くん……っ。」

 男の癖に妙に肉付きのいい、いやらしい尻を直輝が蒼衣の名を呟きながらその手のひらで撫でると、我慢できないように蒼衣が声を上げた。
 たっぷりと欲情が絡んでいる声に直輝は口角を釣り上げると、自分の肉棒を蒼衣の尻の割れ目へと押し当てる。
 それだけで、蒼衣の喉から堪え切れないような溜息が洩れ、早く、早くと急かすようにその腰が更に突きだされて、いやらしくくねった。
 持ち上げているワンピースがその動きに直輝の手から離れ、ふわふわと揺れながら蒼衣の割れ目に押し当てている直輝の肉棒を隠す。その布地を直輝はまた乱暴に持ち上げ、蒼衣の尻を露出させると、ぐいっと蒼衣の割れ目に向けて腰を突きだした。

「っ、はぁっ……っ、ああぁああ……っんっふぁああ……っ!」

 ずずず……っ、と直輝の性器が蒼衣の尻の中へと埋まっていく。その感触と、湧き上がる耐えがたい快感に蒼衣の喉から堪え切れないようないやらしい叫び声が漏れた。
 その叫び声に直輝は自身の興奮と快感を煽られ、一気に蒼衣のアナルの奥へとペニスを突きたてた後、勢いよく腰を前後に動かし始める。
 先ほど直輝の舌でたっぷりと解され、潤いを与えられたそこは直輝の欲望を簡単に受け入れ、受け止め、それだけでは足りないとでも言うように、直輝の男根を強く締め付けていく。

「ぁっ、あ……っ、ぁあ……ふ、なお、きく……っ!!」
「蒼衣っ、ぁ、すげぇ……、ぁ、お前の、ケツ、すげぇ、……っ、はっ、……ぁっ、いい……っ!!」

 直輝のモノをいやらしく、そして、淫らに受け入れ、締め付けて来る蒼衣のアナルに直輝は堪らず呻き声を洩らす。熱に浮かされたように掠れた声で蒼衣の名を呼び、そのまま、がつがつとそれまでの飢えを満たすかのように蒼衣の後ろを激しく掘り続ける。
 体を大きく揺さぶられながら、直輝の欲望を直腸の奥にまでたっぷりと感じ、蒼衣は自分の体を鏡へと押しつけ固定すると、自らも腰を直輝の動きに合わせて揺すった。鏡の中には欲情で蕩けた表情をした自分が口の端から涎を垂らしながら、女装姿でいやらしく直輝に後ろから犯されている。そして、その後ろでは直輝が今までよりも更に飢えた肉食獣のような獰猛な表情で、蒼衣の腰を掴み、深く蒼衣の尻を穿ちづづけていた。
 そんな自分の姿と直輝の姿を鏡越しに見詰めれば、今まで経験した事のないようななんとも言えない快感と幸福感がその体と心を満たしていく。
 直輝と体を合わせる度に、まるで今まで感じていた快感や幸福感を上書きしていくようにそれらは増していき、蒼衣の中にどうしようもない切なさと嬉しさを生みだす。
 どうしてこんな気持ちになるんだろう。理性さえもすっかり薄れたその頭の片隅で、蒼衣はそう思う。だが、それさえもあっという間に快楽の波に押し流され、頭の中は貪欲に直輝から与えられる快楽を求め、直輝で一杯になる。

「ふぁ……っん、あーっ、直、き、くぅん……っ、直輝、く……っ、あ、ふ、好き、ぃ、だい、すき……っ、ん、ぜんぶ、全部、すきぃ……っ! やさしぃ、ところも、らんぼうなところも……っ、声も、手も、おちんちんも……っ、全部、ぜんぶすきぃっ……っだいすきぃ……っ! ねぇ、おかしてぇ、もっと、なおきくんの、おちんちんで、ぼくのえっちなおしり、おかしてぇ……ぁ、おしりを、おんなのこにしてぇ……っ! はぁ、ぁ、なおき、く……っ、な、ぉき……く……っ!」

 パンっパンっと蒼衣の尻を叩く直輝の腰がぶつかり、爆ぜる音に蒼衣は、理性をかなぐり捨て、嫌々をするように頭を振りながら、直輝にいやらしい言葉を伝え続ける。
 おしりきもちいい、おしりのあなきもちいいの、なおきくんのおちんちんがはいってきもちいいの、かたくてふといおちんちんすごくいいのぉ……、そんな言葉をうわ言のように口にしながら、鏡の中の自分を見つめる。
 たっぷりと濡れた瞳からはすでに何筋もの涙が零れていて、それが蒼衣の白い頬を濡らしていた。快楽に蕩け、開きっぱなしになっている唇からは涎と、赤い舌がいやらしく零れ出し、自身の唇を舐めながら、目の前にある鏡に映った自分の顔も舐め続けている。
 蒼衣の後ろでその尻を思いっきり犯しながら直輝もまた、鏡を見つめ、快楽に理性をなくしている蒼衣の姿を見ていた。
 そのいやらしい表情に、言葉に、鏡に映る蒼衣の淫らさに、直輝は更に興奮を覚え、強く蒼衣の腰を打ちつける。

「蒼衣っ、あおい……っ、俺も……っ、お前が、お前の全部、好き、だぜ……っ、性格も、声も……っ、顔も、このえろいケツ穴も、ぺたんこの胸も、お前のチンコも……っ、全部……っ、好き、だ……っ! はぁ……っ、犯してやるよ、お前のケツ、俺のチンポで、もっと、もっと犯してやる……っ、オンナにしてやるよ……っ! ほら……っ、ほらっ! どうだ? いいか?」

 蒼衣の背中に覆いかぶさるようにしながら直輝は腰の動きを速めながら、その耳に卑猥な言葉を注ぎこむ。そうしながら、直輝は腰を掴んでいた手を蒼衣の前へと持っていった。

「んっ……、お前のチンコも、ほら、こうして、……っ、あぁ、デカくなってきた……。可愛いぜ、蒼衣。お前のチンコ、すげぇ、可愛い。なぁ、気持ちいいか? チンコ、気持ちいいか? ふっ……ん、はぁ、凄いぜ、俺もめちゃ気持ちいい……っ、お前のケツ、ぐちゃぐちゃで、ぬるぬるで、……っ、はっ……っ、うぅ……っ、堪んねぇ……っ!」

 蒼衣の耳にいやらしい言葉を囁きながら、前に回した手で蒼衣の性器をその手で扱き始めた。直輝に後ろを掘られる刺激のせいか、それとも、感じすぎているせいか萎んでいた蒼衣のそれが直輝の手から与えられる性器への直接的な快感で見る見るうちにその手の中で太さと硬さを増していく。その感触に直輝は更に興奮し、蒼衣に卑猥な言葉を浴びせかけながら、手を動かす速度に合わせて腰も強く深く振り、打ち付ける。
 直輝のペニスがいやらしく何度も何度も蒼衣のアナルの中を行ったり来たりし、その先端で腸壁を激しく突きあげた。その度に、蒼衣の喉からは堪え切れないような甘く、切ない蕩けた声が漏れ、直輝の注ぎこむ卑猥な言葉に、ひたすら頷き、応えるようにその腰をいやらしく振る。

「ひぁ……っ、あ、い、ぃ……っ、あーっ! あ、はぁ、おちんちんも、きもち、いぃ……っ、おしりも……っ、いい、の……っ、きもちよくて……っ、ぅあ、あぁーっ、ん、だめぇ、あぅ……ぅっ! あーっ、はぁああん……っ、ぅあ、……っ、ぼく、ぼく……っ、と、んじゃうっ、おしり、も、おちんちんもっ、よくて、ぼく、と、んじゃうぅううう……っ!!」
「いいぜ、あおいっ……っ、ぁ、ほらっ、イけよ……っ! 俺の手と、チンポで、イけっ!! 鏡に、映ってるお前の姿に、お前の精液、ぶっかけろ……っ!!」

 甲高い嬌声が上がり、蒼衣の背中がびくびくと波打つ。その反応に、そして、蒼衣の声と言葉に、直輝は蒼衣が絶頂が近い事を知ると、手の動きを速めた。手のひらでぐちゅぐちゅと音を立てて蒼衣の肉棒を扱きあげ、その先端から湧き出る先走りを塗りつけていく。そうしながら、後ろは後ろで卑猥な水音を激しく立てながら、自身の肉棒を深く浅く、刻みつけるように出し入れさせる。
 直輝の直接的な扱きと、アナルへの強い刺激に蒼衣は悲鳴にも似た声を上げる。
 そして、直輝の言葉通りびくびくと体を痙攣させると、その手に扱かれているペニスから勢いよく精液を発射した。
 びちゃ、という音とともにその白く濁った欲望の体液は鏡の表面を汚し、流れ落ちていく。
 その流れ落ちていく精液に、直輝は蒼衣の男根の先端を押し付けると鏡に擦りつけるように動かして、精液を鏡の表面に塗り込めて行った。
 直輝に強く背中を押され、体全体を鏡の表面に押し付ける形になりながらも、蒼衣はその鏡から与えられる冷たさと、つるつるとした表面の感触、そして、そこを流れ落ちていく自身の精液のぬるついた感触に荒く喘ぎ声を洩らし続ける。
 びくびくと何度も何度も痙攣を起こしながら、それでも、まだ心の奥で、もっと、もっと、と直輝の男で尻の穴を犯される事を求めた。

「あーっ、あぁあああ……っ!! なぉ、きく……っ、あぁ……っーっ、もっとぉ……っ、もっと、ぼく、を、お尻の穴を、滅茶苦茶に、してぇ……っ! お尻で、もっと、イきたいよぉ……っ、直輝くんの、おちんちんで、おしり、犯して、欲しい……のっ!」

 絶頂を迎えたばかりだというのに、蒼衣は自分の心から湧き上がる欲求に自ら腰を振り、まだ尻の中で硬さを保ったままの直輝の男根に刺激を与える。
 そして口の端からだらだらと快楽の涎を垂らしながら、目の前にある鏡越しに直輝の獰猛な顔を濡れた瞳で見つめた。
 蒼衣の言葉と、その瞳に直輝は自分の中にある欲望を揺さぶられる。
 堪らない快感が背筋を這いあがり、ペロリと唇を舐めると蒼衣の欲求通りまた荒々しく腰を振り始めた。
 直輝と蒼衣が繋がっている場所から、じゅぶっ、じゅぶっ、といやらしい水音が漏れ、ぬるぬるとした蒼衣の体液が直輝の肉棒に絡みついてその肉が扱きあげる。
 その感触に直輝は更に背中を快感で震わせると、蒼衣の足へと手を回しその足を持ち上げようとした。
 だが、中途半端な位置までしか下ろされていないストッキングと下着があり、思うように蒼衣の足を持ち上げられない事に気が付き、直輝は一旦腰の動きを止めると、蒼衣の中から自分のモノまで引きぬく。

「! はぁ、ん……っ、やぁ、なおき、く……っ、抜かないで……っ、うごいてぇ……っ!」
「少し待ってな。すぐ動くからよ。」

 直輝の動きが止まった事と、性器をアナルから抜いた事に蒼衣が不満と切なさを満たした声を上げると、直輝は少し苦笑しながらそう蒼衣を宥める言葉を口にした。そして、蒼衣の太ももを手のひらで撫であげるとそのまま蒼衣の下着とストッキングに手をかける。
 その手の動きで蒼衣は直輝が何をしたいのかに気が付くと、自身の手も下着とストッキングへと下ろし、その体も少し浮かすと鏡越しに直輝に視線を送りながら自らの手でそれらを下ろし始めた。
 体に張り付くようにまとわりつくストッキングを少し焦ったように下ろす度に、蒼衣の尻がくねくねといやらしく、直輝を誘うように左右に揺れる。それは意図してのものなのか、それとも無意識なものなのかは直輝には判別はつかなかったが、鏡の中から直輝を見つめる熱っぽい視線と、目の前でくねくねと動く蒼衣の白い尻に直輝は堪らなくなってきた。
 蒼衣がその足から下着とストッキングを片方だけ抜いたのを見届けると、すぐにその腰を掴む。そして蒼衣のいやらしく捲れている菊門へと、自身の節くれだった欲望を宛がうと、またしても一気に蒼衣を貫いた。

「ひぁ……ぁああああん……っ!!」

 ずぷぷ……と直輝の性器が蒼衣の尻の中に埋もれていく度に蒼衣の喉から甲高い喘ぎ声が漏れる。
 快感で力が抜けそうになるその体をまた鏡へと押し付けると、蒼衣はストッキングに手をかけていた手も鏡の表面へと戻した。その場で体を固定し、自分からストッキングと下着を抜いた方の足を開き、ゆっくりと持ち上げる。
 その蒼衣の行動に直輝は今しがた自分がしようとしていた行動を蒼衣が自分から取っている事に言葉にできない嬉しさを感じた。そして、その嬉しさを行動へと移す。
 蒼衣の腰を掴んでいる手の片方を蒼衣の足、膝小僧の裏へと差し入れるとそのまま蒼衣の足を上へと持ち上げる。
 そうして蒼衣の体を、下半身を鏡から少し後ろへと下げ、その体が鏡に映るようにした。

「っ、ぁあ、……っ、恥ずか、しい……っ。」

 腰の上までワンピースのスカートをまくりあげられ、蒼衣の片足は大きく上へと持ち上げられている。そのせいで蒼衣の下半身は目の前にある鏡にその全てをはっきりと映し出されていた。
 直輝に後ろを掘られ、感じている姿がはっきりと見え、蒼衣は羞恥にその頬を染め、掠れた声でそれを口にする。だが、そうは言っても実際には直輝にされたこの行為に感じ、更に欲情を深めているのは一目了然だった。
 鏡越しに蒼衣の姿を眺めながら直輝は、もう片方の手を羞恥心の快感に寄ってまた半ば勃ち上がりかけている蒼衣の性器へと伸ばす。
 指先でその性器をつまむと、蒼衣に見せつけるようにゆっくりとその指を上下させる。

「あ……っ、あん……っ、直輝、く……んっ……ふぁ……っ。」
「可愛いぜ、蒼衣。鏡だけ見てると、チンコ生えたオンナみてぇだな。なぁ、チンコクリトリス気持ちいいって言ってみな?」
「やぁ……、やだぁ……っそんな、のっ、恥ず、かし……ぃっ、あぁん……っ!」

 親指の指先でくりくりと蒼衣の性器の先端を撫で、捏ねくり回しながら恥ずかしがっている蒼衣の耳にいやらしい言葉を囁くと、蒼衣の体全体がゆで上がったように真っ赤になった。そして、嫌々とその顔を振る。

「恥ずかしいのが気持ちいいし、好きなんだろ? ほら、言えよ。」
「っ……ぅ、うん……、あ……ぅ、ち、ちん、こ、クリ、トリス……っ、きもち、いぃ……っ、ちんこくりとりす……っ、きもちいいのぉ……っ! もっと、触ってぇっ……、ぐりぐり、してぇ……! ちんこ、くり、とりす……っ、きもちいいよぉ……っ!!」

 だが、直輝が更に蒼衣にその言葉を求めると、恥ずかしそうに、だが、どこか喜悦にも似た表情を浮かべながら蒼衣は直輝が求めた言葉を口にした。しかも一度口にしてしまうと、堰を切ったように蒼衣の口から直輝が強要した卑猥な言葉が零れていく。
 そんな蒼衣に直輝は背後で、満足そうに微笑むと蒼衣が求めるままに蒼衣の性器をその指でぐりぐりと弄り始める。
 人差し指で実際に女性器に与えるようにその先端を擦り、捏ねくり回し、時に小刻みに動かして快感を与えると、蒼衣の口からは、もっと、もっと、と卑猥な言葉が飛び出してきた。

「ひぁ……っ、あぁ……んっ、いいっ、あぅ……っ、おちんちん、くりとりす、あぁっ……っ、きもちいい、よぉ……っ、おちんちん、くり、とりす、ぐりぐり、好きぃいい……っ!!」
「くく……っ、エロいぜ、蒼衣。チンコクリも、すげぇデカくなってるし、エロいな汁がどろどろ零れてるじゃねぇか。もう、本当、お前エロくて可愛くて堪んねぇ……っ!」

 直輝の指から与えられる快感に蒼衣の腰がいやらしくくねり、その口からは直輝の理性まで溶かしてしまいそうなほど、いやらしい言葉が飛び出す。
 それに我慢が出来なくなり、直輝は蒼衣の尻の中に挿入していた肉棒で腸壁内を掻きまわすように動かした。

「ひゃ……っ、あ、あぁ……っんんん……っ! ひあ、ぉ、おしり、おしりーーっ!! あなるも、きもちいいぃい……のぉっ!!!」

 途端に蒼衣の喉からは甘く切ない、そして、淫らな声が漏れ始める。
 その声に表情に体に言葉に直輝は更に欲情を刺激され、掻き回すように動かしていた腰を今度は上下に振り始めた。ずりゅ、ずぷ……っ、そんな水音が蒼衣の尻穴から洩れ、直輝の耳に届く。その音をもっと大きく響かそうと直輝は大きく腰を振りながら、蒼衣の性器を弄っている指の動きも速めて行った。

「あぁ……っ、蒼衣っ……っ、あおい……っ、ケツ、マンコ、すげぇよ……っ、女のマンコより、いいっ……! チンコも、すげぇ熱いし、触ってるだけでこっちがイきそうだ……ふっ、ん……っ、蒼衣、なぁ、出していいか? お前のケツマンコに、俺の精液、このまま、出していいか……っ? 我慢できねぇよ……っ!」
「きてっ、なおき、く……っ、せいえき、だしてぇ……っ! おしりのなか、なおきく、の、せいえき、たっくさん、出してぇええ……っ!!」
「く……っ、きた……っ、イくぞ……っ、蒼衣っ、ケツマンコに、種付けするぞ……っ、孕めよ……っ! 俺の、子、孕め……っ!!」
「ぅん……っ、たねつけ、してぇ……っ! ぼくの、おしりに、たっくさん種付け、してぇっ!! あぁん……っ、はらみ、たい……っ、なおきくんの、あかちゃ、はらみたいよぉ……っ!!」

 ずぶずぶと蒼衣の尻を掘りながら、直輝は自分の中に湧き上がってきた射精感を蒼衣に興奮した声で、自分でももう何を言っているのか分からなくなりながら頭の中に浮かぶ言葉をひたすら蒼衣に降り注いでいく。
 そんな直輝の様子に、声に、言葉に蒼衣は更に自分の中の欲情も快感も刺激され、直輝に言われた言葉をオウム返しにしながら、自らも腰を揺すって直輝の射精を求める。
 腸壁の奥はもうずくずくと快感で疼き、直輝の精液を早く早くと待ち受けてい居た。
 直輝の手で、指で弄られている肉棒もまたどうしようもない快感にぶるぶると震え、さっき射精したばかりだと言うのに、三度目の射精が間近に迫る。
 自分の意志ではなく無意識で腰を揺すり、くねくねと回し、入口の筋肉は強く直輝の欲望自身をきりきりと締め付け、直輝の射精を促す。
 直輝は直輝で、蒼衣のその強い締め付けと、内壁の淫らな動きに腰の動きを更にヒートアップさせ、蒼衣の性器を強くその手の中に握りしめた。そして、そのまま深く蒼衣の腸壁に男根の先を抉るように突きあげると、そのままそこに今まで溜めこんだ精液を一気に放出させる。

「っ……っ、蒼衣……っ!」
「んっ、あっ、はぁ……っ、はぁ……っ、あぁああ……っ、なおき、くんの……っ、せぃえき……っ、あぁ……っ、おしりのおくに、どくどくって、あたって、あ、あ……っ、はぁっ……、ぁ、きもち、い……っ、んんん……っ、ぼくも、また……っ、イちゃぅ……ぅっ!」
「ふ……っう……っ、ぁ、蒼衣、すげぇ、ぅ……くっ、搾り取られる……っ!」

 びゅくびゅくと腸壁に当たってはそこに溜まっていく直輝の熱く大量なその欲望の迸りに蒼衣は満足そうな溜息を吐く。だが、まだ物足りないのかその尻はくねくねといやらしく動き、腸壁は直輝の肉棒を扱くように蠢いていた。
 その動きに直輝が、掠れた声で快感の声を上げる。
 背中にはぞくぞくと蒼衣から与えられる快感が電流となって走り、蒼衣の腸壁に促されるままにいつも以上にその腹の中へと精液をそれこそ最後の一滴まで搾り取られているかのようにどくどくと流し続けた。
 そして自分の快感が少し落ち着くと、腰をぴったりと蒼衣の尻に押し付けその最奥に残った精液をだらだらと漏らしながら、蒼衣の性器に絡めていた手を動かし始める。
 蒼衣のモノは流石に三度目だからかそれ程硬さはなかったが、それでも腹の奥からこみ上げて来る射精の感覚に直輝の手の中でびくびくと脈打ち、先端からは先走りと精液が交じった白く濁った体液を途切れず零し続けていた。それを直輝は蒼衣の肉棒に塗りこめるように上下に扱きあげると、ぐちゅぐちゅといやらしい音を漏らしながら竿と手のひらの摩擦で泡立って行く。強く弱く、時に乱暴に、時に優しく、擦りあげていくとそう待つ事もなく蒼衣のそれも絶頂を迎えた。

「ひぁ……っ、ぁあん……っ、おち……っ、おちんちんも……っ、で、出るっ、また、出ちゃう……っ! はぁ……んッ、あっ、あっ、おちんちんも直輝くんの手で、イちゃう……っ!! せいえき、また、おちんちん、から、でっ、でちゃうぅうううう……っ、ふぁ、あぁあぁああああ……っ!!」

 直輝から与えられる快感に蒼衣は堪らないとでも言うようにその頭を左右に振り、その腰を自らの意思で上下に動かし、直輝の手に自分の欲望を擦りあげる。
 途端に、強い射精感が蒼衣の下半身を襲い、腰を突きだす恰好で蒼衣は三度目の射精をした。
 流石に今までの勢い程は精液は飛ばなかったが、それでもすぐ目の前にある鏡へべったりと飛ばし、そのつやつやした表面がどろどろの白濁で汚れていく。
 お尻からのオーガズムと、男としてのオーガズムを迎え蒼衣はその肩を荒く上下させながら、目の前にある鏡に自分の上半身を押し当てていたが、体から力が抜けていくせいで、その体はゆっくりとずり下がっていった。それでも、ある程度までずり下がった所で下降は止まる。腰を直輝に掴まれたまま、固定されていたせいだ。
 オーガズムを迎え、緊張の解けたアナルに挿入したままの肉棒をゆるゆると余韻を楽しむかのように動かしている直輝は、鏡の向こうで度重なる絶頂で蕩け、しどけない表情を映している蒼衣の顔をじっと見詰める。その瞳はあれ程激しく求めあった後だと言うのに、あくまでも柔らかく、優しく細まり、どこか暖かな感情に溢れていて。
 蒼衣を先ほどまで下品な言葉で、動きで攻め立てていたようには見えないほど穏やかだった。
 そんな直輝を鏡越しに虚ろな瞳で見返しながら蒼衣は、自分の体と心から湧き上がってくる言葉に出来ないほどの幸福感に酔いしれていた。そして、その感情に満たされたまま、自分の意識がどこか遠くに落ちて行くのを感じる。それを必死になって引きとめようとはするが、あまりに心地いいそれに結局は抗う事など出来ず、蒼衣は意識を手放した。





 耳にあてた携帯から、相手を呼び出す電子音がずっと鳴り続けている。
 いつまで待っても一向に出る気配のないそれに、電話をかけた男は小さく溜息を吐いた。
 そして、気を取り直したように一度その電話を切る。
 だが手にした携帯電話はそのままで、暫く思い悩んだ表情で手にしている携帯電話を眺めた後、男はボタンを操作して違う番号を呼び出した。
 耳に当て、相手が出るのを暫く待つ。
 ほどなくしてかけた相手は電話に出た。
 懐かしい声が受話器から聞こえ、男は思わず薄くその唇に笑みを浮かべると、口を開く。

「もしもし。俺。……久しぶり。うん、元気。そっちはどう? ……そう。うん、こっちも楽しくやってる。みんな相変わらずだよ。元気にしてる。うん、……はは、そうだね。そっちは相変わらず飛び回ってるんだ? そう……。まぁ、体には気をつけてよ。あ、……ところでさ、今、忙しい? 大丈夫? あのさ、実は少し聞きたい事があって電話したんだけど。」

 受話器の向こうで聞こえる声に、瞳を細め懐かしさを噛みしめながら受け答えをする。
 しかし暫く近況や雑談をした後、男は急に真面目な声色に変えると、電話の相手に用件を切り出した。
 思いだす為に。
 確認する為に。
 確定する為に。
 全ては、自分の心に湧きあがった疑惑を払拭する為に。
 突然切り出された言葉に電話向こうの相手は、最初少し戸惑ったようだが、話が進むにつれ男の言葉に真剣に耳を傾け、相槌を打ち、全ての言葉を聞き終えた後、少し悩むように口をつぐんだ。
 だが、それも少しの間で、小さく溜息のような音を受話器に響かせながら男に向けて後日会う約束を取り付ける。
 男の悩みの解決の糸口を教える為に。
 それがせめてもの償いだとでも言うように。
 互いの負い目が互いの間に見えない距離を生み、壁を作ってはいたが、それでも男も、電話向こうの相手もいつだって互いの事を思っていた。
 だから、少しでも力になれるのなら、と。
 それに男にこの事を知らせてしまったのは、遠い昔の自分自身の過ちでもあった。
 幾ら寄っていたからと言っても、守秘義務のあったそれを男に伝えてしまったのは間違いなく自分自身だ。
 ならばその過ちに最後まで責任を持って対処しなければならない。
 その為に男の持ちだした話に素直に頷き、最後まで面倒を見る事を誓う。
 電話の向こうの相手が男の申し出に多少の難色を示しながらも、最終的には頷くだろうことは男にも解っていた。
 だから、今更ながらに彼に連絡を取ったのだ。
 頷いた相手と会う日取りを決め、場所を決め、そして少しの間、久しぶりの会話を楽しみ、男は相変わらず忙しそうな相手の為に電話を切った。
 灯りをつけていない薄暗い部屋の中で、携帯電話から洩れる光だけが男を照らしている。
 その顔は普段では見る事の出来ない、とても深刻な、そして、悲しみに彩られた表情を湛えていた。
 頭の中は昨日、今日で起こった事が目まぐるしく駆け巡っている。
 どうするべきか。
 そんな思いが男の胸中を占め、これから先の行く末に思いを馳せる。
 このままではいけないだろう。
 だが、果たして自分があの二人の間に入ってしまう事が良い結果を結ぶのか、それさえも今の男には見えなかった。
 手の中にある携帯電話を暫く眺めた後、男は最初にかけて繋がらなかった相手にもう一度電話をするかどうかを思案する。
 だが、電話をしても繋がらないだろうと思い、結局コールすることを諦めてその携帯電話を畳んだ。
 手の中にすっぽりと入るそれを無造作にテーブルの上に投げ、ソファに沈めていた体を起こす。
 そのまま窓際まで歩み寄ると、カーテンを開け、空を見上げた。
 暗くなった空には、一つの大きな黄色い月が煌々と輝いている。
 まるでひまわりのように大きく、明るく輝くその月に男は昔少しだけ擦れ違った人間の顔を思い浮かべて、緩く微笑んだ。
 いつだって、心の奥底にはその人の顔が刻み込まれていた。
 長く時間が経ったせいで、それはその後の色々な記憶に埋もれてしまってはいたけれど、一度思い出してしまえばはっきり、くっきりと思い浮かぶ。
 深く刻み込まれた生気のない虚ろな瞳。幼さを残す顔立ちなのに、どこか妙に危なっかしい表情を秘めた顔。
 いつか笑った顔が見たいと、そう願い続けていた顔。
 それが今、見上げた大きな月の中で確かに笑っていた。
 幸せそうに、嬉しそうに。
 ――こっちが泣きたくなるくらい、楽しそうに。

「出来れば、俺が最初に笑わせたかったなぁ。」

 男が小さく呟く。
 それは何故か苦笑とも自嘲とも似た響きの笑いに掻き消され、男の心の中にある馬鹿馬鹿しい想いを笑い飛ばしていた。