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 「Oh. wooh...good!」
 締めつけをむさぼる男。
 男がふと横を向くと、チビ玉はかたく目を閉じうつむいている。
 「Look this! チビ、タマ」
 男は頭を上げた彼に、大く腰を振ってジョージのアナルを突く様を見せつけた。言うことをきかないとこれが終わらない、と伝えたかったのだ。
 「う、く! あ、ぁッ!」
 「……ジョージ……!」
 苦悶の声を漏らすジョージ。心配のあまり、漏らしたチビ玉の声は、彼には届かない方が楽だったのだ。

 大きなグラインドは、ジョージの丸まった背中をも前後させながら、長く続いた。痛みはじんわりと鈍く、時折全身に微電流ような刺激が走るようになる。
 息を殺すジョージの鼻から荒い息。甘い喘ぎともとれるくぐもった呻き。
 チビ玉には、自分がされていた時のことを客観的に振り返ることなどできない。初めての、想像を超えた体験であったからだ。
 古い絵図で見たような男同士の性的な遊戯を、目の前で演じているのは、坊主と小姓とは似ても似つかぬ残酷な対比を持つ大小の肉体だった。チビ玉は何も考えられず、まばたきもしないかと思われるほど目を開き、その光景を見つめ続けていた。歳上の少年と男の息遣いが、リフレインして頭の廻りを駆け巡り、現実感を失わせる。

 「...Now I'm coming...ooooh!hoh!!」

 男が唐突に大きな声を出し、ジョージの腰を抱えてピストン運動を短く速くした。ぐちぐちぐち、というようなローションと体液と粘膜の奏でる淫らな短いビートを、チビ玉は放心して聴いている。
 ジョージは歯を食いしばって悶えた。全身が熱かったのに、今度は氷水でも浴びせられたかのように冷たくも感じる。おかしくなりそうだ。

 男が自らのモノを、ぐいと根もとまで押し込み、腰を細かくひねった。その腰がぶるぶるっと震え、彼のスペルマが腸内で爆発するのを、ジョージははっきりと感じた。これまで、数回程度、中出しされてしまった時は、後にアナル周辺に不快感を感じたり、排泄時に白く濁ったそれを確認することはあっても、出された瞬間など、全くわからなかったが……。

  ――――

 二人が何ら演ずることなく見せた反応と、自らが得たいつもにも増した直接的な快感は、男をいたく満足させたらしかった。
 ジョージにもシャワーを浴びさせ、一度わざわざ服を着せたチビ玉をまた裸にし、二人を両脇に抱いて、時折手指や舌による愛撫を両者に加え、二人にも自分の唇や乳首などにキスや手指の愛撫を求めながら、このあとは穏やかに朝を迎えた。
 ジョージが立てなくなるほどの痛みを臀部に覚えたのは、ホテルを出てからだった。あいにくとバイクで、彼らはホテルに来ていたのだった。

 男は、約束にさらに増して五千円を持たせ、小銭もプラスした。
 チビ玉と二人で目一杯遊ぼう。ちょっと遠くにバイクで走って。それで何もかも忘れればいい。
 ジョージは、朝の冷たくも心地よい風を切りバイクを走らせながら、そう考えていた。腰に手を回し、へそのあたりで小さな手を結んで、しっかりと背中にしがみつくチビ玉が、何を感じ、何を思っているのか、ジョージにはわからなかった。

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