〜スペクトラの観察日記 3〜


一仕事終えて機体から降りた時だった。
どうやら今日は私が一番最後らしいわね。
ふぅ・・・さっさとシャワーを浴びて休みたいわ。


・・・と、そんなことを思いながらある機体の前を通りかかった時、
今日まで抱いていた疑問が間違いでなかったことが決定した。


ガタンと大きな音がしたと思ったら悲鳴に近い声がした。
最初は何事か分からなくてびっくりしたけど、
それが「受け入れた時」の悲鳴であることに気付くまでに時間は要らなかった。
・・・そして頭上からその「声」は聞こえてきた。


「・・・こら・・・爪・・・た・・てるな・・」
「・・・ん・・・ふ・・・だって・・だって・・気持ち・・いい」

・・・爪?
まさかあの時言っていたのは・・・・・。

「・・あぁぁ!!首・・やだぁ・・・っ」
「・・俺のモノという証だ・・・ほら、反対側も・・」
「ひぅっ・・・っ・・・!!!!」

首・・・証・・??
・・・まさかそれでバンドエイド???

私はチラッと頭上を見上げてみる。
彼らは神聖なコックピッドで抱き合っているのか、
しかも扉は前回らしくアインと思わしきの片足が見えたわ。
どうやら向き合いながらキャリコがあの子を抱っこした状態らしいけど・・。
濡れた音がするたびに白い足がジタバタ動く。
なかなか激しい交わりのようで聞いているこっちが疲れてしまいそうだわ。
そして再びアインの悲鳴が上がる。
・・・どうやら「終わり」を迎えたらしいわ。
私は小さく息をついて格納庫を後にしようとしたとき、
かすかに悲鳴を聞いた気がした。
そしてかすかに会話も聞いた気がする。

「・・・も・・無理・・・」
「まだだ・・・俺の昂ぶりはまだおさまってない・・・アイ、ン」
「・・・!!ぁっ・・あっ」



・・・・はぁ、・・・気のせいよね・・きっと。





・・・・次の日、アインは泣きそうな顔で私のところにバンドエイドを貰いにきた。


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